不倫慰謝料の支払いを回避できる5つの条件と回避しきれない時の対応
平成25年に司法書士事務所を立ち上げ様々な依頼者に接する。司法書士としてキャリアを10年近く積んできた中で、司法書士の資格では受けられず、せっかく頼って来てくれた人を断ってしまうこともあった。そういった経験から、さらに幅広く業務を取り扱うことができる弁護士資格を取得。弁護士法人AOの代表弁護士として業務に取り組んでいる。
「不倫相手の配偶者から慰謝料請求。でも払いたくない。慰謝料の支払いを回避する方法はない？」とお考えの方は、慰謝料を支払いたくない何かしらの理由があるのだと思います。
結論としては、理由次第では不倫慰謝料の支払い回避も可能です。
このページでは、不倫慰謝料の支払いを回避できる条件や、支払いを回避できない時の対応についてもご説明しています。
「不倫慰謝料を支払いたくない」という気持ちが強い方はご参考にしてください。
目次
不倫慰謝料の支払いを回避できる5つの条件
・不倫相手が既婚者だと知らなかった
・不倫以前から、相手の夫婦関係が破綻していた
・肉体関係を断れない事情があった
・デートはしたけど、肉体関係はない
・過去の話で、既に時効になっている
不倫相手の配偶者から慰謝料を請求された際に支払いを回避できる条件はこの5つです。
当てはまれば必ず慰謝料の支払いを回避できるわけではありませんが、1つでも該当すれば回避できる可能性があります。
条件に当てはまる場合は、それを理由に「慰謝料を支払う必要はない」と交渉で主張していきます。
5つの条件の詳細をご説明していきます。
不倫相手が既婚者だと知らなかった
1度や2度の関係であったり、交際開始から慰謝料請求までの期間が短かったりすると、「不倫相手が既婚者だと知らなかった」ということもあるでしょう。
また、不倫相手が既婚者であることを隠していたかもしれません。
この場合、不倫相手が既婚者だと一切知らなかったなら、慰謝料の支払いを回避できる可能性があります。
ただし、慰謝料の支払いを完全に回避できるのは「一切知らなかった」「気付きようがなかった」と言えるケースです。
交際期間が長い場合などは「気付けるポイントがあったはず」「隠されていたことを気づかないフリしてた」と判断されて、支払いを回避できないこともあります。
不倫以前から、相手の夫婦関係が破綻していた
不倫相手と肉体関係を持つ前から、相手の夫婦関係が破綻していた場合も、慰謝料の支払いを回避できる可能性があります。
「夫婦関係が破綻していた」とは、長年別居している、両者が離婚に同意して話し合いをしている、DVやモラハラがある場合などが当てはまります。
肉体関係を断れない事情があった
不倫相手から誘われて、あなたが断りきれずに肉体関係を持った場合も慰謝料の支払いを回避できる可能性があります。
「取引先の役職者から誘われ、契約を切られたくなかったから関係を持ってしまった」「断ったら暴力を振るわれるかもしれず、怖くて断れなかった」といったケースが当てはまります。
デートはしたけど、肉体関係はない
「既婚者と食事に行ったり遊びに行ったりしたことは事実だけど、肉体関係は持っていない」というケースも慰謝料を支払う必要はありません。
1度や2度、デートをしただけであれば支払いを回避できる可能性は高いでしょう。
いっぽうで何年間も肉体関係がないまま交際を続けていたなど、関係が長期間に及ぶ場合は、肉体関係がなくても慰謝料を支払うことになる可能性があります。
過去の話で、既に時効になっている
不倫の慰謝料請求には時効があり、時効が過ぎていてれば、あなたは慰謝料を支払う必要はありません。
ただし、下記のように時効はすぐに成立するものではないため、時効で慰謝料の支払いを回避できるのは、「随分と昔の不倫で慰謝料を請求された」という場合に限られます。
※慰謝料請求の時効
不倫が発覚してから3年、または肉体関係が始まってから20年
慰謝料の支払いを回避するために無視するのはNG
不倫慰謝料の支払いを回避したいからと相手の請求を無視するのはやめましょう。
「無視をすれば諦めてくれるのではないか」と考えても、その通りにはいきません。
相手の慰謝料請求を無視すると、「弁護士を通じて慰謝料請求されてしまう」「裁判を起こされてしまう」「財産を差し押さえられてしまう」など、悪い方向に事態が進んでしまい、「不倫をしたことを反省していない」とされて、慰謝料の金額が高額になる恐れもあります。
慰謝料の支払いを回避したいなら、慰謝料請求を無視するのではなく、相手と交渉をして慰謝料の支払いを拒否する旨を伝えるべきです。
その際は「慰謝料は支払わない」と言うだけでなく、前の章でご説明した「不倫慰謝料の支払いを回避できる条件」に当てはまることを理由に主張していくことが大事です。
回避しきれない時は、できるだけ慰謝料の減額を
不倫慰謝料の支払いを回避することがあなたにとってベストだと思いますが、不倫慰謝料の支払いを回避できる条件に当てはまっても、必ず支払いを回避できるわけではありません。
また、条件に当てはまらなければ、支払いを回避するのは難しいでしょう。
そのような場合は、支払う金額をできるだけ少なくすることを目指しましょう。
不倫慰謝料は、相手に請求された金額をそのまま支払う必要はありません。減額交渉が可能です。
相手も減額交渉を見越して最初は高めの慰謝料を提示している可能性があり、多くのケースで慰謝料の減額が認められています。
特に、以下の条件に当てはまれば、慰謝料の大幅な減額が認められ、請求額の半分以下になることもあります。
慰謝料が減額される条件
・そもそもの請求金額が高額
・相手夫婦の婚姻期間が短い
・不倫期間が短い、肉体関係の回数が少ない
・相手からしつこく迫られて関係を持ってしまった
・既に社会的制裁を受けている
不倫慰謝料の支払い回避・減額の交渉をする際の3つのポイント
不倫慰謝料で交渉をする際、相手は簡単には支払い拒否や減額を受け入れてはくれないでしょう。
また、交渉のやり方を間違えると、結果として必要以上の慰謝料を支払うことになりかねません。
ここでは、不倫慰謝料の交渉で大事なポイントを3つご案内します。
交渉開始前に回避または減額で方針を決める
慰謝料の支払い回避を目指すのか、できるだけ減額してもらうのか、交渉前に方針をはっきりと決めておくことが大切です。
慰謝料減額を目指す場合、最初から慰謝料を支払う姿勢を見せ、そのうえで減額交渉を行った方が、最初は支払いを拒否する場合よりも慰謝料を減額できる可能性があります。
一度でも支払い拒否の態度をとると、相手のあなたに対する心象が悪くなり、慰謝料減額に応じてもらい辛くなるからです。
そのため、慰謝料の支払いを回避できるのか、回避は難しいから最初から減額交渉をした方がいいかを交渉開始前に見極め、方針を決めてから交渉を始めましょう。
支払い回避の可能性は弁護士に相談
慰謝料の支払いを回避できるか弁護士に確認することをおすすめします。
法的な判断になってきますので、ご自身の判断で「支払い回避できる」と決めてしまうのは危険です。
弁護士の無料相談を利用して、本当に慰謝料の支払いを回避できるか聞き、弁護士が支払いを回避できるという場合は、支払い回避を目指して交渉を行いましょう。
もし弁護士が「支払いは避けられない」と判断したなら、初めから慰謝料の減額を目指した方が、あなたにとって良い結果になるはずです。
相手との交渉は弁護士に依頼
支払い回避も慰謝料減額も、弁護士に交渉を任せる方が希望する結果に繋がりやすいです。
交渉では、相手方に慰謝料を支払う必要がないことや、減額が認められるべき理由を受け入れてもらうために、交渉のテクニックや根拠に基づいた的確な主張が求められますので、法律と交渉のプロである弁護士の力が役立ちます。
特に、相手方が弁護士に依頼しているなら、ご自身で交渉するのではなく、すぐ弁護士に依頼した方が良いでしょう。
まとめ
不倫慰謝料の支払いを回避できる条件や回避できない時の対応、交渉のポイントなどをご説明いたしました。
最後に、この記事でご説明したことをおさらいしましょう。
・不倫慰謝料は条件を満たせば支払いを回避できる可能性がある
・支払いを逃れたいからといって、相手の請求を無視するのはNG
・支払いを回避できない時は慰謝料の減額交渉を行う
・回避と減額のどちらを目指すかは、交渉前に決めた方が良い
・支払いを回避できるかは弁護士に確認した方が良い
不倫で慰謝料を請求され、支払いを回避したいと思っているなら、回避できるか一度弁護士までご相談ください。
不倫の慰謝料請求で無料相談を行っている弁護士であれば、ご自身の状況を伝えれば、慰謝料の支払い回避の見込みを無料で聞くことができます。
弁護士への依頼は、見解を聞いた後に判断できますので、まずは一度聞いて見るのがおすすめです。
自己判断で進めてしまう前に、弁護士法人AOの弁護士までご相談ください。
慰謝料請求されて払えず困っている方は、対処法や減額交渉に役立つ知識も解説しているこちらの記事もご確認ください。
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