【マッチングアプリ不倫】慰謝料請求の方法や金額、請求できないケース
「パートナーがマッチングアプリに登録している」「マッチングアプリで繋がった異性と会っている」といった場合、パートナーと相手の間に肉体関係があれば不倫で、慰謝料請求が可能です。
請求できる金額は一般的には数十万円から300万円程度ですが、マッチングアプリ不倫だと相場よりも低額になるケースもあります。
この記事では、不倫の慰謝料請求に詳しい弁護士監修のもと、マッチングアプリ不倫をチェックする方法や、クロだった場合の対応、慰謝料請求の方法、慰謝料請求が難しいケースなどをご説明していきます。
パートナーがマッチングアプリを使用していることを知って不安を感じている方は、ご参考にしてください。
目次
マッチングアプリ不倫をチェックする方法
マッチングアプリを使ってパートナーが不倫をしていることを疑っているなら、まずはマッチングアプリを使っているかをチェックしましょう。
ここでは、マッチングアプリを使っているかチェックする方法をご説明します。
なお、パートナーであっても他人のスマホを見るとプライバシーの侵害に該当する可能性はゼロではありません。
もっとも、「パートナーとの関係がかなり悪い」「よほど悪質なチェックの仕方をした」でなければパートナーから訴えられることはないとは思いますが、勝手にスマホチェックは関係悪化の原因にもなり得ますので、十分にご注意ください。
マッチングアプリ不倫を疑っているならスマホをチェック
多くのマッチングアプリはスマホにダウンロードして使いますので(一部、アプリ化されてないマッチングサービスもあります)、まずはパートナーのスマホをチェックしてマッチングアプリを探しましょう。
マッチングアプリは、真剣に結婚相手を探している方が利用するものから、異性と気軽に出会えるものまで様々です。健全な出会いを求めている人が使うマッチングアプリが大半ですが、中には既婚者限定や、既婚者もOKをうたうマッチングアプリもあります。
しかし、どのようなマッチングアプリであっても、既婚者には必要はないはずなので、パートナーのスマホにマッチングアプリが入っているのは不倫相手を探す目的の可能性が高いです。
事前にマッチングアプリ名などを覚えておきましょう
スマホには多数のアプリが入っていますので、マッチングアプリ名やアイコンのデザインを把握しておき、スムーズにチェックできるようにしておきましょう。
どのアプリを使っていると断定することはできませんので、多く覚えておいて損はありません。マッチングアプリの種類は「マッチングアプリ カジュアル」などで検索すると調べることができます。
【主なマッチングアプリ】
ヒールメイト(既婚者専用)、カドル(既婚者専用)、ティンダー、タップル、ペアーズ、ダイン、東カレデートなど
過去のマッチングアプリの使用も確認できる
マッチングアプリで出会った不倫相手と、現在はLINE等でやり取りをしている可能性もあります。
この場合、既にアプリをスマホから削除していて、チェックしても見つからないことがあります。
ただし、以下の手順で過去にダウンロードしたことがあるアプリをチェック可能です。
iPhoneユーザーの場合はダウンロードした日付も確認できますので、結婚後にダウンロードしていれば、不倫相手を探す目的だった可能性が考えられます(※GooglePlayストアでは日付は表示されません)。
【iPhone】
App Store>アカウント(アイコン)>アプリ>このiPhone上にない
【android】
GooglePlayストア>アカウント(アイコン)>アプリとデバイスの管理>管理>未インストール
詳しい調べ方は以下の記事で紹介をしています。
>> 過去にマッチングアプリをダウンロードした形跡がないか調べる方法
メッセージのやり取りをチェックする
パートナーのスマホをチェックしてマッチングアプリの使用がわかったら、メッセージをチェックしましょう。
まずはマッチングアプリ内のメッセージをご確認ください。メッセージをチェックすれば、特定の異性と繋がっているか、会っているかなどがわかりますし、肉体関係がわかるやりとりをしている可能性もあります。
◎メッセージアプリやSNSのDMもチェック
マッチングした異性と途中からマッチングアプリは使わずにLINEなどのメッセージアプリやSNSのDMでやり取りをするケースが多いです。
また、最近ではPayPayなどのバーコード決済の送金機能についているチャットなどを不倫相手との連絡手段に利用しているケースもあります。
マッチングアプリの使用がわかったら、これらのアプリのメッセージもチェックしましょう。
自分も登録して確認する方法も
パートナーのスマホをチェックできない時は、ご自身もマッチングアプリに登録してアプリ上でパートナーを探す方法もあります。
マッチングアプリは、年齢や趣味、位置情報などのデータから相手を探すことができますので、パートナーに該当しそうな条件で検索をすれば、見つけることができるかもしれません。
多くのマッチングアプリは、登録だけなら無料です(無料で利用できる範囲はアプリによって異なります)。
匿名で利用できますので、登録したことをパートナーに気付かれずに探すことが可能です。
もし見つけることができたら、パートナーのプロフィールをスクリーンショットするなどをして保管しましょう。
ただし、パートナーも匿名や顔を隠して利用している可能性がありますので、利用していれば必ず見つけられるわけではありません。
また、マッチングアプリは1つや2つではないので、利用しているアプリがわからないと、探すのはとても大変です。
マッチングアプリ不倫がクロだった場合の対応
マッチングアプリ不倫が事実だとわかったら、この先どうするか考えなくてはなりません。
ここではマッチングアプリ不倫がクロだとわかった後の対応について説明します。
パートナーと話し合う
パートナーと話し合い、不倫を白状してもらいましょう。
この際、証拠なしで「マッチングアプリを使って不倫しているのは知っている」と伝えても、ごまかされてしまう可能性が高いです。そのため、不倫の証拠を残しておき、相手が言い逃れできないような状況で話し合うことをおすすめします(証拠については後述しています)。
不倫をやめさせる
「不倫をやめてくれれば、それ以上は望まない」というのであれば、話し合いの中で不倫をやめてほしい旨を伝えましょう。
マッチングアプリは目の前で削除してもらうのが良いです。後日また使いはじめることもあり得ますので、今後、定期的にスマホをチェックさせてもらうことや、万が一、マッチングアプリでの女遊び(男遊び)を繰り返した際のことを夫婦で取り決めしておくことをおすすめします。
◎継続的な不倫関係ならしっかりと別れさせる!
マッチングアプリで出会った異性と継続的な関係に発展している場合、マッチングアプリを削除しただけでは、不倫は終わらない可能性が高いです。
パートナーと話し合い、「不倫相手とは二度と会わない」と約束し、早急に不倫相手と別れてもらいましょう。
パートナーが信頼できないのであれば、不倫相手を交えて3人で話し合いをしても良いかもしれません。
もし、不倫相手が別れることに難色を示す、一度は別れたけど不倫が再発したなどがあった場合は、次に紹介する慰謝料請求をご検討ください。
慰謝料請求を行う
不倫が発覚した際は、パートナー、もしくは不倫相手に対して慰謝料請求が可能です。離婚する場合はどちらに対しても慰謝料請求でき、離婚をしない場合は基本的に不倫相手に慰謝料請求を行います。
慰謝料請求は、パートナーと不倫相手を確実に別れさせることにも効果的です。
マッチングアプリ不倫の慰謝料請求は、「継続的な不倫関係だったか、一度きりの関係だったか」「不倫相手は夫(妻)が既婚者だと知っていたか」「不倫相手の氏名や住所は特定できているか」などで請求の可否や金額が変わります。
詳しくは次の章で解説していますのでご参考ください。
離婚を検討する
不倫が許せないのであれば、離婚を検討することになるでしょう。不倫は、裁判などで離婚が認められる離婚事由の一つで、マッチングアプリを使って不倫をしていた場合も、不倫の証拠があれば離婚が可能です。
もし離婚を考えているなら、より有利な条件で離婚をするためには不倫の回数や期間などの詳細をできるだけ把握し、少しでも多く証拠を入手しておいたほうが良いです。
マッチングアプリ不倫をしていることがわかった時点で弁護士に相談すると、離婚に向けた万全の対策をとることができます。
マッチングアプリ不倫で慰謝料を請求する方法
パートナーがマッチングアプリを使って不倫をしていたら、パートナーまたは不倫相手に対して慰謝料請求をすることが可能です。
請求できる金額は様々な事情によって異なりますが、数十万円から300万円程度のケースが多く、慰謝料請求は相手方との交渉で行います。
慰謝料請求の方法や請求金額について、さらに詳しくご説明します。
慰謝料請求は交渉で行う
慰謝料を請求する相手 | 離婚しない場合:不倫相手 離婚する場合:不倫相手・またはパートナー |
請求する方法 | 話し合い・交渉 (相手が応じない場合のみ裁判を検討) |
離婚しない場合は不倫相手に慰謝料請求を行います。
パートナーに慰謝料請求をすると、夫婦間でお金が移動しただけで金銭的なメリットがないため、離婚しない場合でパートナーに慰謝料請求することは基本的にはありません。
一方で離婚する場合は、不倫相手とパートナーのどちらに対しても請求可能です。
慰謝料請求は話し合い・交渉で行い、当事者同士で行う場合もあれば、不倫をされた側が弁護士に依頼し、弁護士を通じて請求を行う場合もあります。
当事者間で慰謝料請求を行う場合、後で、言った言ってないのトラブルにならないよう、決まった内容を書面などに残すようにしましょう。
一方で、相手が慰謝料の支払いに応じない、そもそも不倫を認めないといった場合は弁護士にご相談ください。
弁護士が交渉することで、不倫を認めさせることや、あなたが希望する金額の慰謝料の支払いを認めさせることができる可能性があります。
慰謝料の金額は数十万円から300万円
慰謝料の金額
離婚しない:数十万円から100万円
離婚する:100万円から300万円
マッチングアプリ不倫で請求できる慰謝料の金額は、数十万円から300万円程度で、離婚しない場合は数十万円から100万円程度、離婚する場合は100万円から300万円程度となるケースが多いです。
詳細な金額は、不倫の回数や婚姻年数、年齢、収入など、様々な事情をもとに判断します。
マッチングアプリ不倫の場合、ワンナイトだけの関係のように継続的な不倫関係ではないことや、パートナーと不倫相手が知り合って間もないことなどがありますが、このような事情があると、慰謝料は相場より低額になる可能性があります。
【マッチングアプリ不倫特有】慰謝料請求に影響する事情
マッチングアプリを使った不倫では、「お互いのことをよく知らない」といったようにパートナーと不倫相手の関係性が気薄なことも多いです。
また、肉体関係を持った相手が多数いることもあります。
事情によっては慰謝料請求ができなかったり、慰謝料の金額が相場よりも低くなったりもします。
ここでは、慰謝料請求に影響するマッチングアプリ不倫特有の事情を4つ紹介します。
なお、該当することがあった場合は、詳細を確認するために弁護士に相談することをおすすめします。
不倫相手の氏名や住所がわからず慰謝料請求できない可能性がある
マッチングアプリは匿名で利用できるため、「相手のニックネームしかわからない」「聞いていた氏名が偽名だった」「アプリのメッセージでしか繋がっていない」といったことが多いです。
このように相手の個人情報を知らないまま不倫をしていたら、慰謝料を請求できない可能性があります。
アプリのメッセージ機能やLINEだけで不倫相手と繋がっていた場合、解約やブロックをされてしまうと連絡が取れなくなってしまいます。
住所や職場がわかっていれば郵送で連絡できますが、それもできない場合は相手を特定することが困難になってしまうかのうせいがあります。
パートナーの嘘で慰謝料請求できない可能性がある
マッチングアプリを使っている人の中には、自分の年齢や職業などを偽っている人もいて、中には既婚者なのに独身だと嘘をついて利用している人もいます。
もし、パートナーが独身と偽って不倫相手と会っていたら、慰謝料請求をしても、不倫相手は「独身だと聞いていた」と主張し、慰謝料の支払いを拒否してくることが考えられます。
こう反論された際に慰謝料の支払いを認めてもらうには、不倫相手が嘘をついている、もしくは既婚者だと勘づいていたことを示す証拠が必要となります。
証拠が用意できない場合は、慰謝料を獲得できる可能性が低くなり、また、慰謝料請求が認められたとしても、その金額は相場より低くなる可能性があります。
一度きりの関係だと慰謝料請求額は低くなる可能性がある
マッチングアプリ不倫の場合、「会ったその日に一度肉体関係を持っただけで、その後は連絡をとっていない」といったこともあります。
このようなケースでは、慰謝料の金額は、次の章でご説明している相場より低くなる可能性があります。
慰謝料の金額決定には、不倫の回数や期間なども影響し、一度きりの関係だと慰謝料は低くなりやすいからです。
また、先ほどご説明した「不倫相手の氏名や住所がわからない」に当てはまり、慰謝料請求ができない可能性もあります。
不倫相手が何人もいる可能性がある
遊び目的でマッチングアプリを使って不倫をしている場合、アプリで繋がって肉体関係を持った相手は一人とは限りません。
不倫相手が複数いる可能性もあります。
この場合、不倫相手一人ずつ証拠を用意することで、不倫相手全員に対して慰謝料請求をすることも、一部の不倫相手だけに慰謝料請求することも可能です。
慰謝料請求には証拠が必要
不倫の証拠になるもの
・ラブホテルの領収書など物的証拠
・自白の音声データ
・肉体関係がわかるメッセージのやり取り
・ホテルなどに出入りする写真や動画
マッチングアプリ不倫で慰謝料請求を成功させるには、不倫の証拠が必要です。
上記のような証拠が揃っていると相手も不倫を認めざるを得なくなります。
全てを揃えるのは難しいので、一部証拠だけでも問題ありませんが、多く証拠を用意できた方が不倫相手に言い逃れできない状況を作れます。
マッチングアプリのメッセージ履歴、ホテルのアメニティ、クレジットカードの使用履歴など、少しでも証拠になりそうなものは保管しておきましょう。
メッセージ履歴をスクリーンショットなどで保管できる場合は、やり取りの一部ではなく、全部おさえておくのが理想です(全部だと長すぎる場合はできるだけ多くおさめましょう)。
どこまで証拠が揃っていれば慰謝料請求できるかについては、弁護士に確認することをおすすめします。
>> 不倫の証拠について更に知りたい方はこちら
まとめ
マッチングアプリ不倫について、不倫の境界線や慰謝料請求についてご説明しました。
最後に、この記事でご説明したことを復習しましょう。
・まずはスマホにマッチングアプリが入っているかチェック
・慰謝料は数十万円〜300万円が相場
・慰謝料請求には証拠が必要
・不倫相手の氏名や住所が不明だと慰謝料請求できない
・不倫回数・期間が少ないと、慰謝料は低額になる
・パートナーが「独身」と嘘をついていたら、請求できない可能性がある
マッチングアプリを使って男女が出会うことが一般的となり、マッチングアプリ不倫のご相談が当事務所に寄せられることも多くなりました。
パートナーがマッチングアプリを使って不倫しているのをやめさせたい方は、弁護士に相談の上、慰謝料請求を行いましょう。
離婚する場合を除き、慰謝料請求でパートナーに直接的なダメージを与えることはできませんが、あなたが本気だということが伝わり、マッチングアプリを使って不倫をしていたことを反省するきっかけになることが見込めます。
どのように請求したらよいか、自分のケースではいくらが妥当かといった具体的なことを知りたい方は、当事務所の無料相談をご利用ください。
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