【年収400万円の場合】養育費の相場を弁護士が解説
子がある夫婦が離婚した場合、一方が子を育て、他方は子を育てるために必要な養育費を支払うという形が一般的です。
では、その養育費に相場はあるのか、あるとすればどのくらいの金額なのかという点に関して解説していきます。
この記事では、養育費を支払う方の年収が400万円である場合の相場を解説していきましょう。
養育費を決めるポイント
養育費には相場はありますが、離婚する当事者同士が合意の上であれば、この相場と関係なく養育費の金額を決定することができます。
養育費は相場よりも高くても、仮に0円であっても契約上認められます。
ただし、契約合意の時点から将来的に経済状況が変わった場合などは、養育費の請求を申し立てることが可能です。
一般的な養育費の決定には、「養育費算定表」を参考にします。
養育費算定表を使うにあたって、必要な要素を解説していきましょう。
双方の年収が基準となる
養育費の算定表は、縦軸に養育費支払い義務者の年収、横軸に受け取る方の年収が割り振られています。
双方の年収を算出し、その年収をもとに、おおよその相場金額を知ることが可能です。
子供の年齢と数で変化する
養育費算定表は1つではなく、全部で9パターンあります。
子の数が1~3人の3パターン、また子の年齢別にパターンがあり、合計で9パターンです。
子の年齢に関しては、以下の分け方で算定表が変わります。
- 0~14歳
- 15~19歳
つまり、養育費の相場は、以下の要素をすべて含めた上で、算定表を用いて設定されており、自身が該当する部分が相場ということになります。
- 支払い義務者の年収
- 受け取る方の年収
- 子の年齢
- 子の数
年収400万円の方の養育費支払い相場
養育費の相場は、上記の通りさまざまな要素を加味したうえで、養育費算定表で定められています。
支払い義務者の方の年収が400万円というケースでも、自営業なのか給与所得者なのかで養育費相場は変動します。
さらに、子の年齢、子の人数、受け取る権利者の方の収入も踏まえて養育費の支払い相場が決まります。
ここでは受け取る方の収入は全範囲で考え、子の年齢と人数、及び支払い義務者が自営業か給与所得者かというケース別の養育費相場を紹介します。
自営業の場合
養育費支払い義務者が自営業者で、年収が400万円の場合の相場は、2~14万円です。
養育費算定表から、抜粋した表が以下の表です。
子の年齢と人数 | 養育費相場 |
---|---|
子1人(0~14歳) | 2~8万円 |
子1人(15~19歳) | 4~10万円 |
子2人(ともに0~14歳) | 4~12万円 |
子2人(1人0~14歳・1人15~19歳) | 4~12万円 |
子2人(ともに15~19歳) | 4~12万円 |
子3人(すべて0~14歳) | 4~12万円 |
子3人(2人0~14歳・1人15~19歳) | 6~14万円 |
子3人(1人0~14歳・2人15~19歳) | 6~14万円 |
子3人(すべて5~19歳) | 6~14万円 |
受け取る方の収入が低ければ、支払うべき養育費は高くなりますし、収入が高ければ支払う養育費は安くなります。
給与所得者の場合
養育費支払い義務者が給与所得者で、年収が400万円の場合の相場は、2~12万円となります。
自営業のケース同様に、養育費算定表から抜粋します。
子の年齢と人数 | 養育費相場 |
---|---|
子1人(0~14歳) | 2~6万円 |
子1人(15~19歳) | 2~8万円 |
子2人(ともに0~14歳) | 4~10万円 |
子2人(1人0~14歳・1人15~19歳) | 4~10万円 |
子2人(ともに15~19歳) | 4~10万円 |
子3人(すべて0~14歳) | 4~10万円 |
子3人(2人0~14歳・1人15~19歳) | 4~10万円 |
子3人(1人0~14歳・2人15~19歳) | 4~10万円 |
子3人(すべて5~19歳) | 4~12万円 |
まとめ
年収400万円の方が、養育費の支払い義務者の場合の養育費相場に関して解説してきました。
養育費に関しては、原則離婚する当事者同士の合意があればその金額に制限はありません。
しかし、養育費は必要であるものの、どの程度が相場なのか判断ができない場合は、養育費算定表がその参考になります。
養育費算定表は、さまざまな要素から養育費相場を示すものですので、必要な情報を集めて確認しましょう。
自身では判断が難しいケースなどは、弁護士に相談するのがおすすめです。
離婚問題に強い弁護士であれば、養育費算定表の見方はもちろん、相談者の状況なども加味して、適切なアドバイスをしてくれるでしょう。
当事務所が提供する基礎知識
-
養育費の減額と増額請...
■養育費とは養育費とは、子どもが社会的・経済的に自立するまでの間、必要となる費用のことをいいます。具体的には、生活費や医療費、教育費といったものになります。これらが養育費とされ、親は子どもに対して支払う義務を負っています […]
-
離婚調停の流れ|不成...
離婚したいが配偶者と話し合いがまとまらない場合、離婚調停を申し立てるという選択肢があります。離婚調停は、家庭裁判所において、裁判官や調停委員という第三者の仲介を受けて、離婚に関する問題を話し合いで解決する手続きです。本稿 […]
-
不利な発言をしないよ...
離婚の話し合いは原則当事者同士で行います。当事者同士の話し合いで、合意が得られない場合には、離婚調停の申し立てが可能です。離婚調停は、調停委員が双方から主張を聞き、双方の合意を目的として行われます。目的は双方の合意ですの […]
-
慰謝料請求をされた場...
■慰謝料請求をされてしまった。どうすればいい?不貞行為を理由に慰謝料請求をされた場合の対応は、「交渉」「裁判」の2つに大別されます。慰謝料請求されたことを知った当事者は、まず第一に、不貞行為をしたことを認めるのか認めない […]
-
弁護士なしで離婚裁判...
離婚裁判は、夫婦の一方が離婚を求めて裁判所に提訴することで手続きが開始されますが、日本では、離婚については調停前置主義が採られているため、離婚訴訟提起の前に調停を経ている必要があります。ではこの離婚裁判は、弁護士なしで自 […]
-
離婚裁判にかかる費用...
離婚裁判にかかる費用は、主に訴訟費用と弁護士費用の2つに分けられます。訴訟費用とは、裁判所に支払う費用のことで、裁判を起こす段階で原告(裁判を起こした側)が納める必要があります。訴訟費用は、離婚だけを求める場合は約130 […]
よく検索されるキーワード
弁護士紹介
ご挨拶
誰でも気軽に、身近に相談できる、敷居を感じさせない弁護士事務所です。司法書士時代の経験なども活かし、あなたと同じ立場に立ち・同じ意識を持って問題を解決します。
お気持ちに寄り添いながらも、客観的な証拠や結論もしっかりとお見せし、どのような場合も正直にお伝えします。
ご来所に抵抗がある方は、電話相談などもご活用ください。
代表者名 | 大橋正崇 |
---|---|
所属団体 | 第一東京弁護士会 |
経歴 |
出身地:高知県南国市 司法書士試験に合格後、様々な司法書士事務所で経験を積み、平成25年より司法書士事務所を立ち上げる。 そこで数々の事件を解決する中で、もっと活動範囲を広げ、多くの人の役にたちたいとの思いから司法試験に合格し弁護士になり、現在では弁護士法人AOの代表として日々活動中。 |
事務所概要
事務所名 | 弁護士法人AO |
---|---|
所在地 | 〒105-0001 東京都港区虎ノ門1丁目2ー10 虎ノ門桜田通ビル3階 |
TEL/FAX | 03-6811-2084/03-6811-2085 |
受付時間 | 9:00-19:00(時間外でも事前ご予約で対応可能です) |
定休日 | 土・日・祝日(事前ご予約で対応可能です) |
相談料 | 初回相談無料 |