婚約破棄の慰謝料。請求できる金額、慰謝料を獲得する方法

婚約をしていた相手から正当な理由なく一方的に婚約破棄をされた場合などは、元婚約者に対して慰謝料を請求できる可能性が高いです。

慰謝料の金額は50万円〜200万円の間になるケースが多くなっています。

結婚を間近に控えての婚約破棄に、悲しみや婚約者に対する怒りなど、様々な感情を抱き、「婚約を破棄するなら慰謝料を支払ってほしい」と思うのは当然のこと。慰謝料請求は、このような婚約破棄によって受けたショックや精神的苦痛に対して行うことができる権利です。
このページでは、婚約破棄への慰謝料請求が認められる条件、相場金額、請求する方法など、慰謝料請求を成功させるポイント、弁護士などの専門家に相談するメリットを順番にお伝えしていきます。

目次

婚約破棄は、元婚約者に慰謝料請求が可能

正当な理由なく婚約を破棄されたら、元婚約者に対して慰謝料を請求することができます。
ただし、全てのケースで慰謝料請求が認められるわけではありません。
元婚約者が責任を感じて「慰謝料を支払う」と自主的に言っているのであれば話は別ですが、そうでない場合は、慰謝料請求の際に婚約していた事実を証明する証拠が必要です。
そのため、恋人同士で「将来結婚しよう」と話していただけでは慰謝料請求は認められないでしょう。「結婚したい」というお互いの気持ちは伝え合っていても婚約はしておらず、婚約していた証拠がないからです。
次のような証拠や事情があれば、婚約破棄で慰謝料請求が認められやすくなります。

慰謝料請求には婚約の事実を証明する必要がある

出来事 証拠
婚約指輪をもらっていた 婚約指輪
両親や友人に婚約者として紹介していた 両親や友人の証言
結婚式場を予約していた 式場の契約書類や招待状
新婚旅行を予約していた 旅行会社の契約書類や支払い履歴
結納を交わしていた 結納品
すでに同棲し、家計を一緒にしていた 銀行の通帳
結婚後の新居を契約・購入していた 不動産会社の契約書類

上の表は婚約破棄の証拠の一例です。

証拠が何もない場合、元婚約者は「婚約なんてしていない。相手が勘違いしていただけ」などと言い逃れをし、それが通用してしまうおそれがあります。
しかし、婚約を証明できれば、このような嘘は通用しません。
元婚約者に慰謝料を請求するなら、まずは婚約していた証拠を用意しましょう。

元婚約者からの一方的な婚約破棄なら慰謝料請求できる可能性が高い

・他に好きな人ができたと言われた
・両親に結婚を反対された
・性格の不一致
・占いで結婚しないほうが良いと言われた
・はっきりとした理由は教えてくれない

「なぜ、婚約破棄をされたか」という婚約破棄の理由も慰謝料請求では重要で、上記のような理由で元婚約者が一方的に婚約破棄を伝えてきたのであれば、慰謝料請求が認められる可能性が高いです。
一方で、あなたが次のようなことをしてしまい、相手から婚約破棄をされたとしたら慰謝料を請求できない可能性が高いでしょう。

・浮気をした
・DVやモラハラを行った
・経歴や収入などで嘘をついていた
・出身地域や国籍などの差別をした

婚約破棄の原因が元婚約者にあるなら慰謝料請求が認められ、自分にあるなら慰謝料請求は認められない可能性が高いとお考えください。

自分からの婚約破棄で慰謝料請求できる場合がある

・浮気をしていたことを知った
・多額の借金をしていることを知った
・DVやモラハラを受けていた
・出身や経歴などで悪質な嘘をつかれていた

元婚約者が婚約破棄を言い出したのではなく、あなたから婚約破棄を伝えたケースでも、上記のような婚約破棄の原因が元婚約者にあれば、あなたが元婚約者に対して慰謝料請求できる可能性があります。
あなたから婚約破棄を申し出た場合、元婚約者から「婚約破棄するなら慰謝料を支払え」と言われるかもしれません。しかし、婚約破棄の慰謝料請求で重要なのは、「どちらが婚約破棄を言い出したか」ではなく、「婚約破棄の原因はどちらにあるか」です。元婚約者に原因があるなら、慰謝料を請求されても支払わなくて良い可能性が高く、むしろ、あなたが慰謝料を請求できる可能性があります。
相手方に原因があるのに慰謝料を請求されてしまっている方は、弁護士などの専門家に相談することで立場を逆転できるかもしれませんので、一度相談することをおすすめいたします。

あなたの「かかりつけ弁護士」でありたい。

ご相談は当メディア運営の
弁護士法人AOへ!


 

性別に関係なく請求できる可能性がある

慰謝料請求は性別に関係なく行えます。
芸能人の浮気スキャンダルでは、女性が男性に対して請求していることが多く、慰謝料請求は、女性が男性に対して行うイメージを抱いている方もいるかもしれませんが、性別は関係ありません。
そのため、女性の婚約者が浮気をしたことが原因で婚約解消したケースなど、婚約破棄の原因が女性側にあるなら、男性が女性に対して慰謝料を請求できる可能性があります。

婚約破棄の慰謝料相場は50万円〜200万円

婚約破棄の慰謝料相場は一般的に50~200万円の範囲内です

婚約破棄では、50万円から200万円が慰謝料の相場だと言われています。

婚約破棄や浮気、離婚など、男女トラブルの慰謝料請求では、「この場合はいくら」と明確な金額が決まっているわけではありません。交際年数や妊娠の有無などの事情を考慮して金額を決めることになっていて、婚約破棄では50万円から200万円の間になるケースが多いです。そのため、「500万円を支払ってほしい」など、相場をはるかに上回る金額を請求しても認められる可能性は低いでしょう。
反対に、相場を下回る金額しか支払いを認めない相手に対しては、交渉などで増額を求めていく余地があります。
事情を考慮して金額を決めるとお伝えしましたが、具体的には次のような事情があると、慰謝料は高額になりやすいです。
婚約破棄の慰謝料が高額になりやすい要因 交際期間が長い 元婚約者の浮気が原因 結婚式の準備を進めていた 寿退社をした 同棲をしていた 元婚約者が高収入 妊娠をしていた

交際期間が長いほうが慰謝料は高額になりやすい

長く付き合っていた場合は、慰謝料が高額になりやすいです。
交際半年と交際10年では、交際10年のほうが婚約破棄によって受ける精神的ショックは大きいと考えられますし、交際期間が長いケースでは、年齢などの理由から婚約破棄後に新しい交際相手と出会い、結婚することが困難な場合もあります。
そのため、交際期間が長かったことを理由に慰謝料が増額されることや、婚約を破棄された方の年齢を考慮して金額を決定することがあります。
なお、何年以上ならいくら増額されるといった具体的な金額は決まっていません。

結婚式の準備を進めていると増額されやすい

結婚式を挙げる予定で、既に結婚式場の予約や出席者への連絡をしていた場合は、慰謝料が増額されやすいです。
楽しみにしていた結婚式がなくなったことによるメンタル面への影響はとても大きいものです。
また、両親や友人、知人に結婚式が中止になったこと、結婚が取りやめになったことを伝えるのは大きな苦痛ですし、恥ずかしくて合わす顔がないと感じる方もいるでしょう。
このような精神的なショックが考慮され、結婚式の準備を進めていた場合は慰謝料が高額になる可能性があります。

同棲していると増額されやすい

同棲していて婚約破棄となった場合は、慰謝料が増額されるケースがあります。
婚約する何年も前から同棲していたケースも珍しくなく、同棲していれば夫婦同然の生活をしていた可能性がありますし、法的には、入籍していないだけで実質は結婚生活が始まっており、婚約破棄は悪質だと判断される可能性があります。
そのため、同棲をしていると慰謝料の増額が認められやすくなっています。

妊娠をしていると高額になりやすい

婚約破棄を伝えられた時点で妊娠をしていたら慰謝料が高額になることが考えられます。
これから夫婦で子育てをするはずだったのに、突然、シングルマザーになって大きな不安を抱きますし、負担は大きくなります。
また、中絶を選択することになった場合も、大きなショックを受けるでしょう。
そのため、妊娠中であるにもかかわらず婚約破棄を伝えた元婚約者の行為は悪質だと判断されて、妊娠していない場合よりも高額の慰謝料が認められる傾向があります。
なお、このケースでは婚約破棄の慰謝料と別で、子どもの認知や養育費の支払いについても決める必要があります。

元婚約者の浮気が原因だと高額になりやすい

元婚約者の浮気が婚約破棄の原因なら慰謝料が増額される可能性があります。
ただし、このケースで慰謝料請求をする際は、浮気の証拠が必要です。
ラブホテルに出入りする瞬間(元婚約者と浮気相手の顔が映ったもの)の写真や動画、肉体関係がわかるメッセージのやり取り、自白した際の音声などが証拠になり得ます。
一方で2人で会っているだけ(食事など)の写真や動画、仲良さげにメッセージをしているだけでは証拠にならない可能性があり、証拠能力が低い場合や何も証拠がない場合は、浮気を理由とした慰謝料の増額は認められないでしょう。
証拠がない時は、探偵に依頼することで浮気の証拠写真の入手を期待できますが、調査費用がかかりますので、婚約破棄の慰謝料請求のために探偵に依頼して証拠を入手するメリットがあるかはケースバイケースです。
あらかじめ弁護士などに相談して決めることをおすすめします。
なお、このケースでは浮気相手にも慰謝料請求できる可能性もあり、浮気が原因で婚約破棄になったこと、相手方が浮気だと認識していたことを証明する必要があります。

寿退社をしている場合は高額になりやすい

「結婚して専業主婦になる」「遠方に引っ越す」などの予定で、既に仕事を辞めていたら、慰謝料が高額になりやすいです。
結婚がなくなったからといって退職した会社に戻ることもできませんし、新しい仕事を探すのも大変です。婚約破棄によるショックだけでなく、今後の仕事や収入に対する不安も抱くことになります。
そのため、寿退社をしていたケースでは、慰謝料が高額になる可能性が高いです。

式場のキャンセル代や結婚のための費用を請求できることもある

・結婚式の内金やキャンセル代など
・新婚旅行の費用、キャンセル代
・婚約指輪や結婚指輪の費用
・ブライダルエステの費用
・新居の費用や引っ越し代
・新居用に用意した家具や家電の費用

婚約破棄になると結婚式や新婚旅行のキャンセル代が発生することがありますし、指輪や新居の準備などで既に購入していた家具などがあれば無駄になってしまいます。
そのため、上記のような婚約破棄によって発生するキャンセル代、結婚や新婚生活のために使った費用があれば、婚約破棄の慰謝料請求とは別に請求できる可能性があります。
慰謝料請求をする際は、慰謝料請求をする前に婚約をしてから婚約破棄までにかかった費用と、婚約破棄の後にかかる費用も確認しておきましょう。
なお、費用の支払いがどこまで認められるかは、個別の事情で異なります。

婚約破棄の慰謝料を請求する方法

慰謝料を請求する方法は様々です。
当事者同士での話し合い、内容証明郵便で請求、弁護士に交渉を依頼、慰謝料請求調停、慰謝料請求裁判があり、基本的にはご紹介する順番で対応し、1つ目の方法では解決できなかった場合に2つ目の方法を検討しましょう。
それでは、方法を一つずつ詳しくご紹介していきます。

当事者同士の話し合い

まずは、元婚約者と話し合い、慰謝料を支払ってもらえるか確認しましょう。直接話したくない場合、メッセージでやり取りをしても問題ありません。
元婚約者がすぐに支払いを認めれば、証拠などを用意する必要もなく慰謝料を支払ってもらえる可能性があります。
実際に話し合いを行う際は、感情的にならないようにご注意ください。暴言を吐いたり、「脅された」と元婚約者に思われたりすると、慰謝料を請求できなくなり、反対にあなたが訴えられるおそれもあります。元婚約者に対する怒りから感情的になってしまいやすいですが、話し合いの際は冷静でいることを心がけてください。
当事者同士の話し合いで解決することができれば、慰謝料請求の手間は少なくてすみます。
しかし、当事者同士での話し合いでは、元婚約者が支払いを認めない、金額に折り合いがつかないといったことも多いです。その際は、内容証明郵便の送付や弁護士への相談など、別の方法での請求をご検討ください。
また、元婚約者が話し合いに一切応じない場合は、あなたからの請求は無視される可能性が高いので、弁護士に依頼することをおすすめします。

あなたの「かかりつけ弁護士」でありたい。

ご相談は当メディア運営の
弁護士法人AOへ!


 

内容証明郵便による請求

元婚約者が慰謝料の話し合いに応じない場合は、内容証明郵便を送付して請求することをご検討ください。
内容証明郵便で慰謝料請求をすることで、元婚約者に対してあなたの本気度が伝わり、「無視していたら大ごとになるかもしれない」と危機感を抱き、慰謝料の支払いに応じてもらえる可能性があります。
内容証明郵便とは、いつ、誰に、どのような内容の郵便物を送付したかを郵便局が証明してくれるサービスで、郵便局から簡単に送付できます(対応していない郵便局もあります)。送付費用は1000円程度で(郵便物のサイズや日時指定などで金額は異なります)、費用の負担も少ないです。
内容証明郵便には、「婚約破棄の事実」「婚約破棄に伴う慰謝料請求を行うこと」「慰謝料の金額」「慰謝料の支払い期日」「期日までに支払わない場合は調停や裁判で請求する旨」などを記載します。書き方は、インターネットや書籍で調べることができるほか、弁護士や行政書士などの専門家に作成を依頼することもできます。
内容証明郵便に法的な拘束力はなく、受け取った相手が必ず慰謝料を支払うとは限りませんが、このような書類が届くと危機感を覚え、支払いに応じるケースは多いです。
また、慰謝料請求の調停や裁判を行うことになった場合に、この内容証明郵便を証拠として使うこともできます。

弁護士に依頼して交渉を行う

当事者同士では解決できない時は、弁護士に相談し、弁護士が元婚約者と交渉することで相場の慰謝料を獲得できる見込みがあります。
話し合いに応じない、口約束で支払いは認めたけど慰謝料を支払わないなど、強気な態度を見せている元婚約者でも、弁護士が連絡することで態度を一変させて示談に応じることが期待されます。
また、弁護士であれば、婚約破棄に至った理由や事情を考慮して金額を算出することが可能で、過去の裁判例などの法的な根拠を示して交渉しますので、妥当な金額の慰謝料を受け取れる可能性が高いです。
なお、弁護士に依頼すると、その後の元婚約者とのやり取りは基本的に弁護士が行い、あなたが元婚約者と直接やり取りすることはなくなりますので、元婚約者とのやり取りがストレスになっている方にとっては精神的な負担も緩和されます。
婚約破棄の慰謝料を請求したいとの強い意志をお持ちであれば、一度弁護士に相談されることをお勧めいたします。

慰謝料請求調停を申し立てる

元婚約者と金額の折り合いがつかず示談できない時は、元婚約者の住所地の家庭裁判所に慰謝料請求調停を申し立てましょう。裁判は時間も費用もかかるため、交渉で解決できない場合は裁判の前に調停を申し立てるのが一般的です。
調停とは、裁判所の調停委員が間に入って解決の手助けをしてくれる制度で、調停委員があなたと元婚約者の主張をそれぞれヒアリングして和解案を提示します。一度で和解できなくても何度か和解案が提示され、お互いが納得して和解できる妥協点を探っていきます。双方が和解案に合意すれば調停調書が作成され、調停で解決した内容には、裁判の判決と同じ法的な効力があります。
ただし、調停はあくまで和解案を提示してくれる場であって、裁判のように判決が下されることはないので、双方が合意しなければ解決はできません。
調停で合意できなかった場合は裁判で争うことになります。

慰謝料請求で裁判を起こす

他の方法では慰謝料の支払いを認めてもらえず、でも、どうしても元婚約者に慰謝料を支払ってもらいたいという時は裁判をご検討ください。
裁判では、双方の主張を聞いた上で裁判所から和解案が提示され、和解に至らなかった場合に判決が下されます。
裁判で慰謝料の支払いを認めてもらうには、婚約の事実の証明、慰謝料の増額につながる証拠を提示などが必要で、法律の専門的な知識も求められますので、弁護士に依頼して行いましょう。
なお、元婚約者からずっと無視され続けている場合、裁判を起こしても婚約者が無視を続けることも考えられますが、元婚約者が無視し続けても裁判は行われ、その場合はあなたの主張が全面的に認められる可能性が高いです。そして、慰謝料を支払う判決が出ても支払わない元婚約者がいた場合には、強制執行で相手の財産を差し押さえ、財産を慰謝料の支払いにあてることができます。

慰謝料請求を成功させるポイント

元婚約者に慰謝料の支払いを認めさせるには、証拠の確保、書面に残す、弁護士に相談といったことが大切です。
不備があると、慰謝料請求が認められなかったり、元婚約者に支払い逃れをされてしまうリスクがあります。
婚約破棄での慰謝料請求で大切な4つのポイントを順番にご説明します。

やり取りや思い出の品は請求が終わるまでは残す

婚約破棄をされたショックや怒りから、元婚約者との思い出の品や写真、メッセージなどは見たくないかもしれませんが、処分や削除をするのではなく、慰謝料請求が終わるまでは手元にとっておいてください。元婚約者とのやり取りや写真、思い出の品が慰謝料増額を求める際の証拠になるかもしれません。たとえば、交際年数が長い場合は、告白された当時のメッセージがあれば交際年数の証拠となり得ます。
弁護士に依頼して慰謝料請求する際や調停、裁判を行う場合は証拠がとても重要で、証拠があることで慰謝料請求が認められたり、慰謝料の金額を増やしたりすることができます。
慰謝料請求が終わるまでは手元に残し、削除や処分をするなら慰謝料を受け取ってからにしましょう。

決まった内容は書面に残す

当事者同士での話し合いで解決した際は、決まった内容を書面に残しましょう。
口約束だけだと後日「そんなことは知らない」と支払い逃れをしたり、分割払いの約束をした際に途中から支払わなくなるといったトラブルが起こりかねません。念書を作成して、慰謝料の金額や期日などの合意内容を記載してください。
また、慰謝料が高額な場合は公正証書を作成することもお考えください。作成に多少の手間と数万円の費用がかかりますが、公正証書を作成することで元婚約者が慰謝料を支払わなかった際に、裁判を起こさなくても強制執行(財産の差し押さえ)ができます。「支払わないと強制執行される」ということが元婚約者への抑止力となり、約束通り慰謝料を支払ってもらえる可能性も高まります。公正証書は全国の公証役場で作成可能です。
婚約破棄をするような相手ですから、口約束を信じてはいけません。決まった内容は忘れずに書面に残しましょう。

弁護士に相談して請求する

「弁護士への相談は抵抗がある」「費用がかかる」といった理由から弁護士の依頼をためらう方もいらっしゃるかもしれませんが、慰謝料請求を成功させたいなら弁護士に依頼したほうが確実です。
まず、あなたと同じように、元婚約者も弁護士に馴染みがない場合、弁護士から慰謝料請求の連絡が届くことで元婚約者は大慌てになることが想像されます。弁護士から連絡が来て「とんでもない事態になってしまった」と慌て、弁護士の慰謝料請求に応じるケースは多いです。
また、弁護士であれば、証拠や過去の裁判例などを根拠に慰謝料の金額を算出でき、あなたが受け取るべき金額で解決することが期待できますので、「妥当な金額がわからなくて低い金額で示談してしまった」といったことを防げます。
さらに、交渉が成立した後は示談書を作成しますので、元婚約者の支払い逃れも防ぐことができます。
そして、弁護士に対応を任せるとご自身で対応するよりも労力を抑えることができ、弁護士が慰謝料請求をしている間に新しい生活をスタートさせる準備ができます。
慰謝料請求をしたいけれど、早く次に進みたいという方には特におすすめです。

あなたの「かかりつけ弁護士」でありたい。

ご相談は当メディア運営の
弁護士法人AOへ!


 

時効になる前に請求する

慰謝料請求には時効があり、婚約破棄を告げられた時から3年で時効が成立します(民法724条)。
婚約破棄から3年以上が経過してから慰謝料請求を考えても、時効によって請求できませんのでご注意ください。

もっとも、婚約破棄の場合、慰謝料を請求するまでにそれほど時間がかからないケースが多いので、大半の方は時効の心配は入りません。
時効を気にする必要があるケースとしては、婚約破棄直後は慰謝料を請求しないつもりだったけど、やっぱり請求したいと考えが変わった場合です。
時間が経ってからの請求となり、時効が心配な場合は、内容証明郵便を送付することで時効のカウントを6ヶ月間ストップすることができます。
なお、別の交際相手ができたことが婚約破棄の原因だと後日知った場合などは、婚約破棄を告げられた時から3年以上が経過していても慰謝料請求できる可能性がありますので、一度弁護士までご相談ください。

慰謝料請求を相談するなら弁護士が良い理由

婚約破棄の慰謝料請求では、弁護士だけでなく司法書士や行政書士に相談することも可能です。
しかし、法律の専門家に相談するのであれば、弁護士に相談するのが良いでしょう。
それは、司法書士や行政書士はできることに制限があるのに対して、弁護士は制限がないからです。

弁護士は司法書士や行政書士と比べて対応範囲が広い

対応内容 弁護士 司法書士 行政書士
内容証明郵便の作成
示談交渉 ×
裁判 ×

行政書士は内容証明郵便の作成は可能ですが、示談交渉や裁判で代理人になることはできません。
司法書士は、認定司法書士という審査に合格した司法書士だけが示談交渉や裁判で代理人になれますが、代理人になれるのは賠償額が140万円以下の場合に限られています。
弁護士は、対応内容や金額に制限なく婚約破棄の慰謝料請求を行うことができます。
以上から、「内容証明郵便の作成だけを専門家に任せたい」という方はどの専門家にも依頼可能です。
ただし、内容証明郵便の送付をしたけど解決できず、交渉や裁判を行うことになるケースもあり、この際に行政書士に依頼していたら、改めて弁護士や司法書士に依頼しなくてはなりません。また、司法書士は140万円以上の慰謝料を請求できず、受け取る慰謝料が低くなる可能性があります。婚約破棄の慰謝料請求をスムーズに行うために専門家に依頼しているのに、余計な手間やトラブルが発生することは望ましくありません。だからこそ、対応内容や請求金額に制限がない弁護士に相談するのがおすすめです。

離婚問題を扱う弁護士の知識と経験が慰謝料請求で重要

では、弁護士であれば誰でも良いのでしょうか?
どの弁護士に依頼しても納得の解決を目指せる可能性はありますが、日頃から離婚問題を取り扱い、婚約破棄の慰謝料請求で実績がある弁護士への相談が望ましいでしょう。
示談交渉や裁判では、離婚や婚約破棄に関する専門知識が必要で、慰謝料請求をした際の経験や過去の裁判例が活きる場面もありますので、離婚問題や婚約破棄に詳しい弁護士のほうが良い解決ができる可能性は高いと言えます。
また、婚約破棄の慰謝料請求は、あなたにとってとても大きな出来事です。そのような出来事で依頼する弁護士ですので、あなたが「信頼できる」と感じた弁護士に任せることも大事です。
依頼する前に弁護士と話し、性格の相性などもご確認ください。
当事務所では、事務所を設立して以来、男女問題の解決に力を入れて取り組んでおりますので、婚約破棄の慰謝料請求で弁護士をお探しの方は、一度お気軽にお問合せください。

まとめ

婚約破棄をされた際の慰謝料請求、慰謝料を請求できるケース、慰謝料の相場、慰謝料を請求する方法、慰謝料請求を成功させるポイント、専門家の選び方などをご説明いたしました。

・婚約を破棄されたら、元婚約者に対して慰謝料請求が可能
・婚約破棄の慰謝料の相場は50万円〜200万円
・慰謝料請求のために婚約を証明できる証拠を用意する
・慰謝料増額につながる証拠があれば保管しておく
・当事者同士の話し合いで決まらなければ弁護士に相談
・決まった内容は書面に残す
・「信頼できる」と感じた離婚問題や婚約破棄に詳しい弁護士に依頼

婚約破棄の慰謝料請求で大切なことはたくさんありますが、以上のことは忘れずに行動していきましょう。
婚約破棄の慰謝料請求は、一度合意すると、あとからやり直すことは基本的にできませんので、ぜひ後悔のない慰謝料請求にしてください。
「弁護士に任せて慰謝料請求を成功させたい」「自分の場合、どうしていったら良いか具体的に聞きたい」という方は弁護士までお気軽にご相談ください。
慰謝料請求を最後に元婚約者との関係を断ち切り、新たな人生をスタートさせましょう。

あなたの「かかりつけ弁護士」でありたい。

ご相談は当メディア運営の
弁護士法人AOへ!

当社では、あなたの暮らしを支える「かかりつけ弁護士」として、依頼者とのコミュニケーションを大切にしております。

トラブルを無事解決できることは、新しい生活をスタートさせる一区切りになることは間違いありません。

ご依頼者様の状況に応じた、最適な解決策をご提案させていただきます。1人で悩まずにまずは当社にご相談ください。

これらの記事も読まれています。