離婚調停中の浮気 を許せない方へ｜責任追求できるケースと慰謝料請求のポイント
平成25年に司法書士事務所を立ち上げ様々な依頼者に接する。司法書士としてキャリアを10年近く積んできた中で、司法書士の資格では受けられず、せっかく頼って来てくれた人を断ってしまうこともあった。そういった経験から、さらに幅広く業務を取り扱うことができる弁護士資格を取得。弁護士法人AOの代表弁護士として業務に取り組んでいる。
離婚調停中に発覚した夫（妻）の浮気。あなたは当然、「離婚前なのに浮気をするなんて許せない」と思うことでしょう。
しかし、夫（妻）は「離婚するつもりで調停をしているんだから、浮気ではない」と否定してくるかもしれません。
このように離婚調停中の浮気は、意見が食い違いがち。実際、離婚調停中で浮気が許されるか許されないかは、夫婦がお互いに離婚に同意しているか、夫（妻）はいつから浮気をしていたか等で判断が分かれます。
では、どのような状況なら浮気になるのか。それをこの記事でご説明していきます。
なお、記事中の浮気になる、浮気にならないは、法律上の不貞行為に該当するか、該当しないかで判断しています。
目次
離婚調停中の浮気は許される？許されない？
あなたは離婚したくない>>>浮気になる可能性が高い
お互いが離婚に同意している>>>浮気にならない可能性が高い
離婚調停中に配偶者以外の異性と交際することが浮気になるかならないかは、離婚に同意しているかどうかによって変わります。
お互いが離婚に同意していると浮気にならない可能性が高く、夫婦の一方が離婚に同意していない場合は浮気になる可能性が高いというわけです。
それぞれ詳しくご説明していきます。
あなたは離婚したくない=浮気になる可能性がある
離婚調停は行っているけど「話し合いの段階からあなたが離婚を一貫して拒否している」「離婚するかやり直すか迷っていて、相手からの離婚の要求を受け入れていない」という状況なら、夫（妻）があなた以外の異性と交際することは浮気になる可能性が高いでしょう。
あなたが離婚を受け入れておらず、「まだ夫婦関係は破綻していない」と判断できる可能性が高く、夫（妻）の浮気が夫婦関係を崩壊させる原因になりかねないからです。
お互いが離婚に同意=浮気にはならない
あなたも夫（妻）も離婚に同意しているなら、離婚調停中に夫（妻）が別の異性と交際をはじめても浮気にはならない可能性が高いでしょう。
夫婦が離婚に同意している時点で、夫（妻）の交際に関係なく夫婦関係は破綻しているからです。
離婚は同意していて、財産分与や子どもの親権を離婚調停で争っている場合などが当てはまります。
離婚したくないけど別居期間が長い=浮気にはならない可能性がある
「あなたが離婚を拒否していれば浮気になる可能性が高い」とお伝えしましたが、既に別居をしている場合は浮気にならない可能性が出てきます。
長く別居していると、夫婦の片方が離婚を拒んでいても既に夫婦関係は破綻していると判断されることがあるからです。
「何年別居していたら浮気にならない」といった明確な基準はありませんが、3年〜5年以上別居しているケースでは、夫婦関係は破綻していると判断されることが多いです。
なお、仕事の単身赴任や親の介護などを理由に別居している場合は当てはまりません。
浮気になると、慰謝料請求が可能
離婚調停中の浮気は、あなたが離婚に同意していなかったなら、夫（妻）や浮気相手に慰謝料請求が可能です。
請求できる慰謝料は数十万円から300万円程度で、婚姻期間の長さ、浮気が離婚にどれだけ影響を与えたか等、様々な事情を考慮して金額を決定していきます。
慰謝料請求は、離婚する際や、離婚した後に請求できます（離婚から3年で時効になりますので、離婚後の請求は時効にご注意ください）。
また、浮気が発覚してもなお離婚したくないと考えている場合、慰謝料請求は夫（妻）ではなく浮気相手に先に慰謝料請求することも可能です。
離婚する際の慰謝料請求については、こちらの記事でも詳しくご説明しています。
夫（妻）が浮気を否定し、平行線を辿るなら弁護士に相談
夫（妻）が別の異性と交際は認めても「離婚する予定だから浮気にはならない」と主張する可能性があります。
この場合、夫（妻）に対して慰謝料請求を続けても、話は平行線を辿ってしまう可能性が高いですので、弁護士に慰謝料請求を任せてみましょう。
弁護士が夫（妻）に連絡することで夫（妻）が驚いて態度が変わり、浮気や慰謝料の支払いを認める可能性があります。
また、離婚をする場合、財産分与や親権などの取り決めも合わせて弁護士に任せることが可能です。
離婚調停中の浮気を離婚後に知った場合も請求可能
離婚をしてから、離婚調停中の浮気を知った場合、後からでも慰謝料を請求できる可能性があります。
前の章でご説明したように、お互いに離婚に同意していたなら慰謝料請求は難しいですが、離婚調停の際、あなたは離婚を拒否していたけれど、夫（妻）が離婚を強く求め、最終的には受け入れてしまった等の事情があると、離婚後に慰謝料請求できる可能性が高いでしょう。
離婚後に慰謝料請求をする際は、こちらの記事もご参考ください。
離婚調停前からの浮気なら、慰謝料請求が認められやすくなる
浮気を知ったのは離婚調停中だけど、浮気は離婚調停前から始まっていて、夫（妻）は浮気相手と再婚したいから、あなたに離婚を求めているというケースも珍しくありません。
もし、離婚調停の前から夫（妻）が浮気をしていたら、離婚調停の状況に関係なく、慰謝料請求できる可能性が高いです。
離婚調停前から浮気をしていたことの証拠が必要
離婚調停前から浮気をしていたことを理由に慰謝料請求する場合は、調停が始まる前から浮気をしていた証拠が必要になります。
「いざという時のために、前もって探偵に依頼して浮気の証拠写真を入手しておいた」というのであれば良いですが、浮気の決定的な証拠を前もって入手している方は限られると思います。
そのため、多くのケースでは、離婚調停前から浮気をしていた証拠を離婚調停中に用意する必要があります。
今からでも入手できる可能性がある証拠は次の2つがあります
・夫（妻）や浮気相手の自白
・過去のメッセージのやり取りなど
浮気の自白であれば、夫（妻）や浮気相手との話し合いの中で入手できる可能性はあるでしょう。
「本当は離婚調停が始まるもっと前から浮気をしていたんじゃない」「いつ頃から、どうやって関係が始まったか教えて」等と追求すれば、離婚調停前から関係があったことをうっかり漏らす可能性もゼロではありません。
また、夫（妻）と同居しながら離婚調停を行っているのであれば、LINE等をチェックできるかもしれません。
離婚調停より前から浮気をしていたことがわかるメッセージが見つかれば、証拠になり得ますので、自分のスマホで撮影するなど、証拠を残しておきましょう。
まとめ
離婚調停中の浮気が認められるケース、認められないケース、認められる場合の慰謝料請求についてご説明いたしました。
最後に、この記事でご説明したことを復習しましょう。
・あなたが離婚を拒否=浮気になる可能性が高いある
・お互いが離婚に同意=浮気にならない可能性が高い
・長く別居している=浮気にならない可能性がある
・浮気になる場合、数十万円から300万円程度の慰謝料を請求可能
・離婚調停前からの浮気をしていたら慰謝料請求が認められやすくなる
離婚を言い出したのが夫（妻）なら、離婚後のこと考えて既に別の異性と交際するケースは珍しくありません。
しかし、夫婦で離婚に同意していないなら、それは浮気です。
夫（妻）の浮気であなたがショックを受けたり、浮気が理由で離婚を決断したのであれば、その賠償をとして浮気の慰謝料請求を行いましょう。
離婚調停中の浮気での慰謝料請求、離婚調停、離婚時の取り決めでわからないことは、弁護士法人AOまでお気軽にお問い合わせください。
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