不倫によるスピード離婚|メリットとデメリット、慰謝料相場を解説!


 

結婚して間もないうちに離婚に至ってしまうことをスピード離婚といいます。
スピード離婚になるかもしれない…というだけでもショックであるのにも関わらず、その理由が不倫ともなると、もうこれ以上、苦しい思いをしたくないですよね。

しかし、そもそもスピード離婚とは婚姻期間がどのくらいのことを指すのでしょうか?
スピード離婚の場合、離婚手続きにおいてどのような影響があるのか?慰謝料はもらえるのか?もらえないのか?
離婚を考える前に、知っておきたいことも多いですよね。

この記事では、どのようなことに注意してスピード離婚について考えるべきか、弁護士が解説していきます。

スピード離婚の定義は明確には決まっていない

一般的には「結婚から3年未満で離婚すること」をスピード離婚と呼ぶことが多いようですが、決して法的に明確な定義があるわけではありません。

過去の裁判例で言うと、婚姻期間が1年~3年の夫婦が不倫で離婚に至った場合、慰謝料額は100万円程度、高くても150万円程度になっていることから、法的には結婚から3年までが「婚姻期間が短い」と判断されやすいことがわかります。(不倫の慰謝料額の相場は150万円~300万円)

スピード離婚の割合

政府統計の「年次別にみた同居期間別離婚件数及び百分率並びに平均同居期間」では、結婚してから何年で離婚したのかを詳細に見ることができます。2021年のデータを見てみましょう。

3年未満をスピード離婚だとした場合、離婚総数184,384人に対して、3年未満の離婚数が34,597人だったため、スピード離婚の割合は全体の約19%だということがわかりました。

結婚から1年未満で不倫をする人の割合

続いて、新婚で不倫をする人の割合を知るため、株式会社Liamが運営するマッチングアプリ情報メディア「ふくむすび」が実施した「男女500人に不倫の経験についてアンケート調査」を見てみました。

「結婚してから何年目で浮気をしましたか?」という質問に対して、結婚から1年未満のうちに浮気をした人の割合は、男性が16.7%、女性が19.7%という結果でした。
全体的に見ても、新婚のうちに浮気をする人は少ない傾向にあることがわかりますよね。

このように、スピード離婚の割合も新婚で不倫をする人の割合も少ないことから、不倫によるスピード離婚の割合はかなり低いということがわかりました。

不倫によるスピード離婚のメリット・デメリット


スピード離婚であっても、一般的な離婚方法と流れは変わりません。
離婚を切り出し、離婚条件について話し合いを行って、双方が合意すれば離婚に至ることができます。

しかし、スピード離婚ならではの注意点は存在します。
不倫によるスピード離婚について悩んでいる場合、ここで紹介するメリット・デメリットを参考にお考えください。

スピード離婚をするメリット

・離婚条件などの決めごとが少ない
・早めに見切りがつけられる

・離婚条件などの決めごとが少ない
スピード離婚であれば、婚姻期間が短いため共有財産が少なく、離婚条件などの決めごとが少ないです。
よって、スムーズに離婚まで進める可能性が高くなります。

離婚条件とは、年金や財産をどのように分割するか、親権はどちらが持つか、子供の養育費をいくらもらうかなどのことです。

例えば熟年離婚などの場合、離婚条件の話し合いで揉めて調停や裁判まで話し合いが長引き、離婚まで数年を要してしまうこともあるのですが、スピード離婚ではそのような心配が少ないです。

不倫に対する話し合いに集中することができるため、不倫の証拠集めや慰謝料請求にも時間を使い、有利に話し合いを進めることも期待できます。

・早めに見切りがつけられる
「早いうちに相手のダメな部分に気付けて良かった」「傷が浅いうちに再スタートが切れる」「子供を持つ前で良かった」などのように、プラスに捉えてみてはいかがでしょうか?

「まだ新婚なのに不倫された」「一回目の不倫は許し、夫婦を続けた方が良いのではないか」と思い悩んでしまっている方もいらっしゃるでしょう。そう思うのは当たり前のことで、相手のしたことはハッキリとした裏切り行為です。しかし、今このタイミングで離婚を決意すれば、あとは前を向いていくだけです。リフレッシュしながら新たな出会いに期待して、人生を豊かなものにしていきましょう。

スピード離婚をするデメリット

・家族や友人に言いづらい

・家族や友人に言いづらい
スピード離婚を迷う人の理由で多くあげられるのは、やはり家族や友人など周囲の目が気になるということです。特に、その原因が不倫であることは余計に言いたくないですし、だからと言って理由を言わないと、どうしてこんなに早く離婚をするのか?と疑問に思われてしまいます。

それ以外にも、「せっかく祝福してもらったのに」「ご祝儀を沢山もらったのに」「祖父母が孫の顔が見られることを楽しみにしていたのに」と、たくさんの思いがあることでしょう。

しかし、一番大切なのは、あなたのこれからの幸せです。
周囲の方は必ずあなたのことを理解し、応援してくれるはずですので、あくまでもご自分のメンタル面を大切にしながら離婚へと踏み出すことを考えてみてください。

スピード離婚の不倫の慰謝料額は低い

スピード離婚では、不倫の慰謝料額が低くなりやすいです。
理由としては、婚姻期間が短いことが不倫の慰謝料額を低くする要因に当てはまるからです。

相場は100万円程度

スピード離婚の不倫の慰謝料相場は多くても100万円程度です。(平均的な相場は数十万円~300万円)

慰謝料請求には証拠や手続きが必要になるのですが、スピード離婚のメリットはスムーズに離婚できることであるため、慰謝料額が低いとなると「さっさと別れてこれ以上関わりたくない」と考えて、慰謝料請求をしない方もいます。

慰謝料額が高くなる要因

不倫をされたというのに、低い慰謝料額だからといって慰謝料請求を諦めたり、そのまま引き下がるわけにはいきませんよね。そこで、不倫の他に慰謝料額が高くなる要因がないか確認しましょう。

もし、以下に当てはまる要因があれば、慰謝料額が高くなる可能性があります。

・DVやモラハラがある
・家事や育児を放棄している(家に帰ってこない)
・生活費を渡さない
・不倫が原因で精神的にひどく落ち込んでいる
・出産したばかり
・不倫相手が妊娠している
・社会的地位が高い、収入が多い

思い当たる要因がある場合には、そのことが証明できるよう必ず証拠を集めてください。

◎詳細は、こちらの関連記事をご覧ください。

結婚して間もない不倫によってスピード離婚になりそうな場合、スピード離婚のメリットとデメリットを考慮しつつ、あなたの人生が無駄にならないように慎重に判断していきましょう。

以下のような場合は、弁護士にご相談ください。

・ご自分がスピード離婚(婚姻期間が短い)に当てはまるかわからない
・離婚条件で揉めてしまっている
・ご自分の場合の慰謝料相場がわからない

私たち弁護士は、相談者様に損と後悔のないよう、離婚成立までサポートいたします。

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