【18項目】妻のモラハラ度をチェック!対処法や注意点とは?

“モラハラ”と聞くと、男性のイメージが強く、「自分の妻はモラハラなのだろうか?」「自分が至らないだけかもしれない…」と悩み、我慢している人は多いのではないでしょうか。

令和2年度の夫の離婚動機を見てみると、総数15500件のうち、モラハラにあたる「精神的に虐待する」の項目が3159件となっており、離婚したい夫の約20%が妻のモラハラに悩まされていることがわかります。

参考:司法統計「令和2年度 婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別 全家庭裁判所」

妻の言動によって落ち込んだり、傷ついたり、精神的に苦しいというのであれば、それはモラハラと言えますし、ご自分のためにも妻のためにも、早めに対処することが大切です。

この記事では、妻がモラハラかどうかわかるモラハラチェックから、対処法までをご紹介します。

妻のモラハラ度を判定するための18のチェックリスト


まずは、妻がモラハラと言えるのかどうかをハッキリさせたいですよね。

当事務所では、モラハラを「①あなたへの態度」「②妻の性格」「③あなたの性格」の3つの視点からリスト化しました。以下に当てはまる項目が多ければ多いほど、モラハラ度が高いと言えます。

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■あなたにどんなことをしてきますか?
□年収や地位、容姿などを否定してくる
□物にあたったり、暴力を振るってくる
□無視をしてくる
□意見を否定してくる
□要求や束縛が多い
□社会や家庭から孤立させようとしてくる
□飲み会や外出を許してくれない
□交流関係について制限してくる
□生活費(お小遣い)を渡さない

■普段の妻の様子は?
□完璧主義でまじめなところがある
□人の悪口や文句ばかり言っている
□クレーマー気質なところがある
□外では良い顔をしている
□実家や家族にベッタリ

■普段のあなたの様子は?
□自分が悪いと感じてしまう
□妻が怖く、常に気を遣っている
□人の良いところばかり見てしまう
□人に甘えたり頼ることができない

いかがでしょうか?
中には該当するかどうか迷った項目もあると思いますので、更に例を交えて詳細に見ていきましょう。

あなたにどんなことをしてきますか?

□年収や地位、容姿や性格などを否定してくる
「もっと稼げないの?」「本当に役に立たないね」「○○さんの旦那さんはあんなにすごいのに…」など、あなたのことを否定し傷つける発言をしてくるのであれば、モラハラにあたります。

□物にあたったり、暴力を振るってくる
暴言だけでなく、ドアを強く閉めたり物を乱暴に置いたりして、物にあたったり、暴力を振るってくるのであれば、モラハラにあたります。

□無視をしてくる
機嫌の悪いときや何かに怒っているときだけ無視をしてくる場合もあれば、とにかく何を話しても口を聞いてくれないというケースもあります。女性は「察してほしい」「何に怒っているか自分で気付けないの?」と思ってしまいがちですので、このような態度に至ってしまうわけです。

□意見を否定してくる
あなたが購入したいもの、やりたいこと、家や子供のことなど、とにかくあなたの意見を否定してくるのであれば、モラハラの可能性があります。根本に「私は正しい」という考えがあるために、他者の意見を否定してしまうのです。

□要求や束縛が多い
「もっと稼いでほしい」「私がこうしたときにはこうして」などのように要求が多く、自分の思い通りに支配しようとする傾向があります。そのうち「あれはダメ」「これはダメ」と束縛に発展する可能性も高いです。

□社会や家庭から孤立させようとしてくる
社会や家庭から孤立させようと、人前でけなしてきたり、こうしてああしてと指示してくる。
子供を自分の味方にしようとしたり、子供に悪い印象を伝えて嫌うように仕向けたり、子供と接する時間を与えないことで、家庭から孤立させてくることも。

□飲みや外出を許してくれない
飲みや外出しようとすると、「行けると思っているの?」「ろくに稼いでもないくせに飲み?」などと嫌味を言い、あなたが自宅から出ることを嫌がるのはモラハラの可能性が高いです。
ただし、妻自身も育児などによって出かけられる状況でないのであれば、制限をされてしまっても仕方がないかもしれません。よって、モラハラかどうか判断するには「妻は自分には甘く、好きに出かけている」ということが特徴です。

□交流関係について制限してくる
あなたが誰と接するかなどについて、口を出してくる人もいます。
妻が気に入らない人について「あの人の連絡先を消して」などと言ってあなたの交流関係を狭め、結果的に友人がいないという状況にさせられてしまうことも。

□生活費(お小遣い)を渡さない
妻にお金の管理を任せている場合、生活費やお小遣いを渡してくれないのでしたら、モラハラである可能性があります。無駄遣いをしていないのにも関わらず、あなたが購入するものに対して信用することができず、決定権を持ちたいと思っているかもしれません。または、人との交際費に使用させないためである可能性もあります。

普段の妻の様子は?

□完璧主義、まじめなところがある
性格が完璧主義でまじめなところがある人や、プライドが高い人がモラハラになりやすいです。
自分が完璧主義であるために努力を惜しまなかったり、仕事ができていた経験から、周囲の人の失敗や至らぬ部分を努力不足だと感じて許容できなくなってしまい、いつの間にかモラハラになってしまいます。

□人の悪口ばかり言っている
あなたに対してだけでなく、周囲の人に対しても悪口や愚痴が多くはありませんか?
本人は悪口とは思っておらず、「その対象の人が悪いのだから、言われて当然のことだ」「私は間違えていない」と感じているため、悪口が止まらなくなってしまうのです。

□クレーマー気質なところがある
家族や友人だけでなく、店員に対してもクレーマーを入れていませんか?
自分が間違えて買ったり注文したにも関わらず、どうにか返品交換をしてもらおうとしたり、周囲の目を気にすることなくカッとなってしまっていることがある場合、十分にモラハラの特徴を持ち合わせていると言えます。

□外では良い顔をしている
直前で述べたように、全員に対して強気な態度を取っている場合もあれば、夫に対してのみモラハラが発動している場合もあります。あなたの妻は外では良い顔をしていませんか?
モラハラは自分の都合が悪くなると機嫌が悪くなりますので、外ではモラハラである自分を隠したいのです。また、プライドの高さから、周囲からは「夫婦仲が良い」「良い奥さんだな」と思われていたいことも考えられます。

何も言い返してこない夫のことを下に見ているため、ズバズバものは言えますが、普段は少し臆病な所もあって言うに言えない、という場合もあります。外では文句などを言えない性格であればあるほど、知らず知らずのうちにストレスを抱え、心を許している人に対して八つ当たりのようにモラハラになってしまうのです。

□実家や家族にベッタリ
自分のことを許容してくれる家族に対してはベッタリであることも特徴の1つです。
外ではピリピリとしてストレスを抱えてしまいがちですので、モラハラ妻にとって実家は特に癒しの空間となっていることが考えられます。
仕事やあなたの愚痴を家族にすぐ報告しているという場合、モラハラになり得る気質があると言えます。更に、家族(義理の両親)からあなたに対して注意してもらうようなことがあれば、よりモラハラが濃厚だと言えます。

普段のあなたの様子は?

□自分が悪いと感じてしまう
モラハラに遭いやすい、またはモラハラをエスカレートさせてしまうのは、性格が優しく、心配性な人です。
モラハラをされたとしても「自分のために言ってくれている」「自分が悪かったのかもしれない」と我慢して頑張ってしまい、妻は「このくらい言っても平気なんだ」「本当にわかっているのだろうか?もっと言ってやらないといけない」と、どんどん勘違いしてしまいます。

□妻が怖く、気を遣っている
妻に言い返したり指摘することが怖く、一緒に過ごしているときに気を遣ってしまってはいませんか?
あなたの優しさは、モラハラにとっては逆効果になってしまうこともありますので、優しく接したり妻を受け入れることが正しい対処法だとは言いきれません。
自分のことを受け入れてくれる人間に対して、人はどんどんわがままになってしまうものです。

□人の良い所ばかり見てしまう
妻からモラハラを受けていたとしても、過去の優しかった頃の妻を思い出していたり、良いところもあるから、と我慢してしまってはいませんか?
また以前のような優しい妻に戻る可能性もありますが、何もせずにいてもモラハラが改善することはありません。反対に、エスカレートさせてしまうことになります。

妻のモラハラへの対処法


では、妻がモラハラである場合、どのように対処すればよいのでしょうか?

モラハラは放置してはいけません。
多くの人は優しく接して興奮を抑えようとしたり、ほとぼりが冷めるのを耐えて待つかもしれませんが、実はモラハラには逆効果です。更にモラハラを悪化させてしまう原因にもなりかねません。

モラハラであることを自覚させる

まずは、モラハラであることを自覚させてみましょう。
というのも、モラハラは徐々にエスカレートしていきますし、相手が悪いからこうなるのも仕方がないという意識があるため、本人はモラハラになっていることに気付いていないパターンがほとんどです。

あなたから直接モラハラであると伝えても良いのですが、プライドの高さから「じゃあ私に言われないように、あなたがもっとこうすればいいでしょ」と火に油を注いでしまう可能性がありますので、第三者に伝えてもらったり、話の中で遠回しに伝えてみるなど工夫しましょう。

もちろん「自分の妻には逆効果だ」と感じた場合には実行せず、次の対処法をお試しください。

妻の不満を聞き、向き合ってみる

妻のモラハラは、なぜ起きているのでしょうか?もちろん、理不尽に当たっている場合もあるでしょう。
しかし、今一度、妻が不満に思っていることについて話し合う時間を設けてみましょう。
根本の原因を解消することができれば、簡単にモラハラが和らぐ可能性があります。

女性は男性に対して常日頃から口うるさく注意しているつもりでも、男性からすると激怒されて初めて注意されたと感じていることが多いです。あなたが気付いていないだけで、妻は何か大きな不満を抱えているかもしれません。特にセックスレスや義両親についてなど、言い出しづらい不満のせいでモラハラとして当たってしまっていることも考えられます。意外と簡単に解消できることが原因となっているのかもしれません。

傷ついていることを伝える

妻はあなたに反省させようとして口うるさく言っているのでしょうから、あなたの辛い表情や悲しんでいる表情を見ても「反省している」と思ってしまっている可能性があります。しっかりと「傷ついている」「悲しい」と言葉にすることで、言い過ぎてしまったことに気付いてくれるかもしれません。

妻の言いなりにならない

妻の言いなりになることをやめましょう。
何も言い返さずに妻の言いなりになっていると、「何を言っても良い」「これだけ言っても響いていない」と潜在的に思ってしまうため、モラハラがエスカレートしてしまいます。
だからと言って、反抗したり無視をしてはいけません。反省すべきところは反省しつつ、冷静に自分の気持ちを伝えることが大切です。

コミュニケーションを増やす

まだ妻とコミュケーションを取ることができる状態でしたら、コミュケーションを増やしましょう。
モラハラは一度機嫌が悪くなってしまうとそのゾーンから抜け出しにくくなってしまいます。日頃からコミュニケーションが多く取れていれば、モラハラを引き出すことも避けることができます。

コミュニケーションの内容としては、会話をあまり必要としない映画鑑賞などから始めて、人目に付くような場所へ出かけることや3人以上での交流を増やしていきましょう。

ゲームや料理などのように2人で共同作業をするものは、イライラを引き出しやすいため、避けた方がいいかもしれません。

カウンセリングを受けさせる

妻がモラハラを自覚していて、やめたい…と悩んでいるのであれば、カウンセリングを受けに行きましょう。
カウンセラーとの対談で、本人には気付けなかった原因が見当たるかもしれませんし、胸の内を全て打ち明けられるだけでも何か変わるかもしれません。

妻のストレス解消法を見つけてあげる

モラハラは、少なからず不満やストレスから来ているため、ストレス解消法を一緒に見つけてあげましょう。
ペットを飼う(飼育の簡単なペットでも構いません)ことでペットに意識が向いてモラハラを防ぐことができることもありますし、1人で集中・没頭して取り組めるものが見つかると良いです。

しかし、妻への相談なく準備することは避けましょう。
誰が世話するの?!無駄遣いする暇があるの?!と怒らせてしまう可能性があります。

子供が悲しむと伝える

子供がいる場合、子供が悲しむ、悲しんでいるということを伝えましょう。
または、子供から妻に言ってもらうことも効果的です。
ある程度の年齢に達しているのであれば、「パパが可哀想」と言ってもらうなど、協力してもらっても良いですね。

別居する

モラハラが改善しない場合、最終手段は別居です。
しばらく離れることによって、モラハラが改善する可能性があります。
子供のため、などの事情により「離婚はしたくない」という方にも効果的です。

しかし、妻のモラハラがない解放感から、離婚したい気持ちが強くなってしまう可能性もあります。

モラハラが改善しない場合、準備しておくべきこと


対処法を試しても改善しなかった、妻のモラハラによって精神的に参ってしまっている、子供にも影響が出てしまっているなどの場合、離婚や別居を考え始める方もいらっしゃるでしょう。

これからどのような展開になっても、焦ったり、あなたが損をすることがないように、前もってどのようなことを準備しておくべきかをご紹介します。

モラハラの証拠を集める

モラハラが起きているのでしたら、今のうちに必ず証拠を集めておきましょう。
これから先、モラハラが悪化したり、離婚をしたくなったときでも、確実に証拠がある方がスムーズな対応が見込めます。

例えばモラハラの場合、離婚を進める上で「離婚に応じてくれない」という問題が発生することがあります。
日頃、散々「収入が少ない」と言っていたとしても、やはり家庭の主な収入は夫の収入であることが多いですし、夫のことが嫌いでモラハラをしているわけではないことも多いため、離婚を告げると反対してくる可能性が高いのです。

このようなとき、事前にモラハラの証拠を集めておけば、離婚をスムーズに進められるのです。
モラハラの証拠には以下のようなものがあります。

【モラハラの証拠の例】
・警察や配偶者暴力センターなどに相談した記録
・精神疾患であることの証明書
・医師の診断書
・モラハラを受けていることがわかるチャット、音声、動画、メモ
・第三者の証言

離婚や慰謝料請求について考えておく

どうしてもモラハラが改善しないとなれば、離婚という選択肢も考え始めますよね。
しかし、離婚を決意したからといって、すぐに別れて新しい生活を始められるわけではありません。引っ越しや離婚条件(財産分与や親権など)、慰謝料請求について決定しなければいけません。

この先、いつ限界が来て「離婚したい!」と思うかわかりませんので、事前に離婚の詳細や慰謝料請求について考えておきましょう。
慰謝料請求については、以下の情報を参考にお考えいただければと思います。

◎モラハラの慰謝料相場は50万円~300万円
モラハラの慰謝料相場は50万円~300万円と幅広いです。
これは、モラハラの内容が人によって様々であるからです。
「毎日嫌味を言われたり無視をされている」という方もいれば、「暴力を振るわれ、既にうつ病を発症してしまっている」という方もいらっしゃいます。当然、後者の方が慰謝料額は高くなります。

モラハラの証拠があれば、慰謝料請求ができる可能性があります。
慰謝料請求のメリットというのは、金銭を受け取れることだけではありません。たとえ50万円の請求だとしても、あなたが妻のモラハラに対してしっかりと“けじめをつけたい”と考えているのでしたら、慰謝料請求をすることをおすすめします。

弁護士に相談する

妻のモラハラによって苦しんでいる場合、離婚をしない方が良いのか、離婚をした方が良いのか、自分1人では判断できないことも考えられますよね。「慰謝料の金額によって離婚を考えたい」「親権がこちらに渡るなら離婚をしたい」など、条件によっては離婚を考えるという方もいらっしゃるでしょう。

このような場合、弁護士に相談することをおすすめします。

慰謝料額相場が幅広いことについて説明しましたが、あなたの状況ではいくら請求することができるのかなどを知ることができますし、これから先の流れについてもアドバイスを受けることができます。

また、モラハラが酷く、離婚後一切関わりを持ちたくない、子供に関わってほしくないなどの場合、誓約書などを交わすことになりますので、特に弁護士に相談したほうが良いと言えます。

まとめ

妻も毎日毎日苛立っていては疲れてしまいますし、きっとそうしたくはないはずです。
あなたと妻の双方がストレスのない生活が送れるよう、まずはできる限りの対策を行ってみましょう。

それでも様々なご事情で辛いという場合は、離婚を考え始める場合もあるかと思います。
そのような場合、まずは証拠を集めたり、慰謝料や離婚条件について事前に調べて準備をしておくことが大切です。

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