不倫相手への慰謝料請求をやめたケース!やめるリスクとは?

「慰謝料請求をするつもりだったけどやめようか悩んでいる」という方もいらっしゃるでしょう。「絶対に慰謝料請求をしなくてはいけない」というわけではないので慰謝料請求をやめることも自由です。ただし、慰謝料請求をやめて後悔しないかどうか、じっくり考えましょう。
また、「やめたくないけどやめるしかない」という状況なら、諦めずに済む方法を探すことも大切です。

このページでは、慰謝料請求をやめた方の理由や、慰謝料請求をやめた際に起こり得るリスクを紹介していますので、慰謝料請求をやめる決断をする前にご覧ください。

慰謝料請求をやめるのはアリ?

不倫が発覚した時に配偶者や不倫相手に慰謝料請求をするかは請求の権利を持つ方の自由です。
ご事情があるなら途中でやめても構いません。
ただし、「慰謝料請求しないことに納得ができている」「請求しなくても配偶者との関係で不安はない」「不倫相手への感情に区切りがついている」といった気持ちになれているかご確認ください。
慰謝料請求をやめたことを後悔することが一番良くありませんので、自分の中でケリがついていることが大事です。

また、「今は慰謝料請求をしない」という判断もアリです。
不倫の慰謝料請求には以下のように時効があり、時効になるまでは、あとからでも慰謝料請求ができます。今は様子見で慰謝料請求をせず、後日、最終的な判断をしても良いでしょう。

不倫の慰謝料の時効は、不倫の事実及び不倫相手を知った時点から3年、又は不貞行為があった時点から20年


 

やめる前に確認!慰謝料請求をやめた10のケース


実際に慰謝料請求をやめたケースを紹介します。
ケースごとに慰謝料請求をやめて問題ないかの判断材料、やめる際に行うことも合わせてご説明しています。

不倫相手の謝罪を受け入れた

不倫相手からの謝罪を受け入れ、慰謝料請求をやめた方は一定数いらっしゃいます。
不倫相手の謝罪であなたの気持ちがおさまり、慰謝料の獲得を重要視していないのであれば、謝罪を受け入れて慰謝料請求をやめても問題はないでしょう。

「謝罪を受け入れて慰謝料請求をやめるけど、少しだけ不安がある」という方は、不倫相手と「配偶者と二度と会わない」「会った時は請求されて慰謝料を支払う」などの約束をし、書面に残しましょう。

不倫相手を追い詰め過ぎてしまい後悔した

話し合いの際に不倫相手を追い詰め過ぎて「やり過ぎたかもしれない」と反省し、慰謝料請求をやめた方もいらっしゃいます。
話し合いをすることも、話し合いの内容を反省することも大きなストレスになり、「これ以上関わりたくない」と思う方は多いです。
この際、不倫相手が反省し、二度と配偶者に近寄らなさそうなら、そのまま慰謝料請求をやめても良いでしょう。

一方で、自分はやり過ぎたことを反省しているけど、不倫相手がどう思っているかわからないなら、それだけで慰謝料請求をやめるのは危険です。
追い詰め過ぎたことを後悔しても、それだけで慰謝料請求をやめず、不倫相手の反省の態度をみて判断した方が良いでしょう。

不倫をした配偶者からお願いされた

配偶者から「悪いのは自分だから不倫相手に慰謝料請求しないでほしい」と言われ、慰謝料請求をやめたケースもあります。
配偶者からのお願いを受け入れるかはあなた次第ですが、配偶者が二度と不倫をしないと誓っていて、その言葉を信じられるなら、慰謝料請求をやめるのも選択の一つです。

慰謝料請求をしない代わりに配偶者からプレゼントをもらったり、配偶者と誓約書を作成したりしても良いでしょう。

夫婦関係の悪化を恐れた

慰謝料請求をしてトラブルが大ごとなり、夫婦関係が悪化することを恐れて慰謝料請求をやめた方もいます。
夫婦の関係性を一番よくわかっているのはあなたですから、「慰謝料請求をしたら夫婦仲が悪化する」「最悪離婚になるかもしれない」と考えているなら、慰謝料請求はやめた方が良いかもしれません。

ただし、見てみないフリをした場合、いつになっても不倫は終わらない可能性がありますし、配偶者が不倫相手との再婚を考えるかもしれません。
それは一番望まない結果のはずです。

そのため、夫婦関係の悪化を恐れて慰謝料請求をやめるなら、「慰謝料請求しない」と決めるのではなく、「今は様子見で慰謝料請求しない」としておいた方が良いでしょう。

慰謝料が低額で労力に見合わない

請求できる慰謝料の金額が低いケースでは50万円前後のこともあります。
50万円も少なくない金額ですが、慣れない交渉や書類の作成で労力がかかり、ストレスも貯まり、50万円では労力に見合わないと判断して慰謝料請求をやめる方がいます。
また、本当は不倫相手にもっと高額の慰謝料を支払わせたかったのに50万円前後しか認められないことを知り、「じゃあいいや」となる方もいます。

慰謝料の金額が労力に見合わないと感じているなら、自分が慰謝料請求を通じて何をしたいのか、目的を整理してみましょう。
「少しでも多くの慰謝料を受け取りたい」という気持ちが強ければ、労力に見合わなければやめるのも良いでしょう。
一方で「不倫相手に経済的なダメージを負わせたい」という気持ちが強ければ、慰謝料が低額でも不倫相手にダメージを負わせることはできますので、慰謝料請求をやめない方が良いかもしれません。

請求したいのに証拠がないために請求できなかった

慰謝料請求には不倫の証拠が必要です。
請求できるような証拠が見つからず、慰謝料請求をやめた方は多いです。
自分では証拠を用意できず、探偵に浮気調査を依頼しようと思ったけれど、調査費用が高額で慰謝料請求を諦めてしまう方もいます。
不倫の慰謝料請求は、言い逃れできないような証拠があったほうが成功しやすいです。

ただし、不倫相手が支払いを受け入れれば、証拠がなかったり決定的な証拠を持っていなかったりしても慰謝料請求できる可能性はあります。
もし、証拠がないことを理由に慰謝料請求をやめようと考えているなら、一度下記の記事をご覧ください。


 

不倫相手が支払いを認めず泣き寝入りしてしまった

「不倫相手が慰謝料の支払いを認めず交渉が進まない」「慰謝料の支払いを認めたけど、いつまで経っても支払ってくれない」といったことが原因で、慰謝料請求を進められなくなることもあります。
不倫相手は「相手が諦めるまでしらばっくれよう」と考えていますので、慰謝料請求をやめたら相手の思う壺です。
不倫相手の不誠実な対応が原因で慰謝料請求をやめようと考えているなら、やめる必要はありません。

このようなときは、一度弁護士にご相談ください。
当事者間での交渉ではしらばっくれていた不倫相手も、弁護士から連絡がくると態度を改めて慰謝料請求に応じるケースが多いです。

進め方がわからなくて諦めてしまった

慰謝料請求が初めてで何をどう進めて良いかわからず、途中で慰謝料請求をやめた方もお見かけします。

進め方がわからない時は、慰謝料請求を諦めるのではなく、弁護士にご相談ください。
弁護士に相談すれば、慰謝料請求は全て弁護士が進めてくれますので、あなたが直接慰謝料請求を進める必要はありません。
慰謝料請求をやめる理由が「進め方がわからない」というだけなら、慰謝料請求を諦める必要はないでしょう。

弁護士と合わなかった

弁護士に依頼して慰謝料請求を行ったけど、弁護士との相性が合わず、弁護士を途中解任して慰謝料請求をやめたケースも稀にあります。
弁護士のサービスは人と人のやり取りなので、弁護士と依頼者の方で性格が合わないこともゼロではありません。
しかし、弁護士と合わなかったからという理由だけで慰謝料請求をやめてしまうのはもったいないです。
依頼した弁護士に任せ続けることがどうしても無理な場合は、別の弁護士に変更することも可能ですので、今、依頼している弁護士を解任する前に他の弁護士事務所に相談してみましょう。

W不倫で配偶者も慰謝料請求される可能性があった

W不倫だと、慰謝料請求をすることで相手の配偶者が不倫を知り、あなたの配偶者に対して慰謝料を請求してくることがあります。
この際に「あなたの配偶者の方が浮気に積極的だった」「相手夫婦だけ離婚することになった」などの事情があると、相手から請求される慰謝料の方が高額になる可能性が高いです。
その結果、相手に経済的なダメージを負わせるつもりで慰謝料請求をしたのに、自分たち家族が経済的なダメージを負う結果になってしまう恐れがあります。

慰謝料請求をする前にそのリスクを把握し、慰謝料請求をやめる選択をする場合もあります。
この場合は、配偶者、不倫相手の3人で話し合い、不倫相手の配偶者に知られないように、トラブルを解決することを優先させましょう。

慰謝料請求をやめることで起こる3つのリスク


慰謝料請求をやめた場合、慰謝料請求をして不倫トラブルを解決した場合よりもその後にトラブルが再発する可能性は高いです。
慰謝料請求をやめようか考えている方は、決断をする前に以下のリスクがあることを把握しておきましょう。

不倫が再発してしまう

慰謝料請求をやめたことで、不倫が再発するリスクが高まります。
慰謝料請求をする場合は、慰謝料の支払いと一緒に誓約書を作成し、そこに「二度と配偶者と接触しない」「不倫を繰り返したら違約金を支払う」といった一文を記載します。
多額の慰謝料を支払って経済的なダメージを受けたのに、不倫を繰り返したらもっと経済的なダメージを受けることになるので、不倫相手の多くは誓約書の存在によって配偶者を諦めます。
しかし、慰謝料請求も誓約書の作成もしないと、再発防止の抑止力がなくなってしまい、不倫再発のリスクがなくならないでしょう。

配偶者の行動に対して疑い深くなる

配偶者を信じられないというリスクもあります。
配偶者が外出する際に「本当は不倫相手に会いに行くんじゃないか」と疑ってしまうようになり、自分一人で心配やストレスを抱えたままの生活が続いてしまいます。
「慰謝料請求をやめた時は配偶者のことを信じているから大丈夫と思っていたけれど、信じることができなかった」という方も多く、この先ずっと配偶者を信じられるかは、現時点ではわからないでしょう。

夫婦関係の修復が上手くいかず離婚する

夫婦関係を修復しようと頑張ってきたけれど、最終的に離婚してしまうケースもあります。
不倫の再発、配偶者を信じられなかったなどがやり直せなかった原因です。

そして、離婚が決まってから「あの時慰謝料請求をして厳格な対応をしておけば、離婚にはならなかったかもしれない」と後悔するかもしれません。
慰謝料請求をすれば夫婦関係の修復は上手くいくわけではないですが、できることを全てやった上での結果の方が後悔はしないですし、離婚のリスクも軽減できるでしょう。

慰謝料請求をやめるべきか悩んだら弁護士に相談!


慰謝料請求をした方が良いか、やめて良いか悩んでいる人は弁護士に相談してみましょう。
不倫の慰謝料請求に詳しい弁護士であれば、今のあなたの状況で慰謝料請求をやめた際のメリットやデメリットをお伝えできますので、その上で慰謝料請求をするかやめるかご判断ください。

なお、慰謝料請求をやめて問題ないか弁護士に聞くときは、弁護士のアドバイスを注意深く聞くようにしましょう。
あなたのためを思ってではなく、事務所の利益のために「慰謝料請求をした方が良い」と言ってくる弁護士もいるかもしれません。
「慰謝料請求をやめるべきか悩んでいる」というあなたの事情を汲んでくれる弁護士のアドバイスを判断材料にするのが良いでしょう。

まとめ

不倫の慰謝料請求をやめたケースややめた場合のリスクについてご説明しました。
慰謝料請求をするかやめるかは、あなた自身が決めることができますし、お金の問題じゃないと考えているなら慰謝料請求をしなくても不倫のトラブルを解決できることはあります。

一方で、慰謝料請求をした方が不倫相手を懲らしめる、不倫の再発を防ぐという面では効果が期待できます。
この記事で紹介した内容を参考に、ご自身の将来にとって最善の判断をしてください。

弁護士法人AOの無料相談窓口にご連絡いただき、「慰謝料請求をやめるか悩んでいる」とお伝えいただければ、ご事情を踏まえた上でのアドバイスが可能です。
不倫相手への慰謝料請求で悩んでいる方は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。

あなたの「かかりつけ弁護士」でありたい。

ご相談は当メディア運営の
弁護士法人AOへ!

当社では、あなたの暮らしを支える「かかりつけ弁護士」として、依頼者とのコミュニケーションを大切にしております。

トラブルを無事解決できることは、新しい生活をスタートさせる一区切りになることは間違いありません。

ご依頼者様の状況に応じた、最適な解決策をご提案させていただきます。1人で悩まずにまずは当社にご相談ください。

これらの記事も読まれています。