放置は危険!不倫慰謝料を払わない場合、あなたに起こること

「払う約束をしてしまった不倫慰謝料を支払わずに済ませられないか」

一度は支払う約束をした慰謝料を「やっぱり支払いたくない」とご相談いただくことがあります。しかし、今から支払いを拒否することはリスクがある行為です。
慰謝料を払わない場合、結局逃げきれず、当初より高額の慰謝料を支払う結果になることが考えられ、最悪の場合は財産を差し押さえられてしまいます。

この記事では、不倫慰謝料を払わない場合に起こること、慰謝料を払えない時の対応についてご説明します。

慰謝料を払わない場合はどうなる?


一度は慰謝料を支払う約束をしたのにも関わらず、慰謝料を払わない場合、それにより慰謝料請求をしてきた配偶者(もしくは不倫相手の配偶者)が諦めることはほとんどありません。
あなたに慰謝料を支払わせるために更なる追求をしてくることでしょう。
相手が行うことには以下の3つが考えられます。

示談書や公正証書に記された取り決め通りに進んでいく

既に示談書や公正証書を作成している場合、期日までに慰謝料が支払われなかった時の対応が書面に記載されていることが多いです。
そのため、慰謝料を支払わなかったら、書面の記載通りに物事が進んでいきます。示談書や公正証書を作成している方は、一度書面をご確認ください。
具体的には、「支払い期限を過ぎた場合は年3%の割合で遅延損害金が発生する」といったように、支払いが遅れた場合の遅延損害金について書かれていることが多いです。

つまり、慰謝料を払わない場合、慰謝料の金額はどんどん増えてしまいます。

裁判を起こされてしまい慰謝料も高額になる

相手から慰謝料の支払いを督促されても払わない場合、裁判を起こされてしまう可能性があります。
裁判を起こされると、残された選択肢は、和解をして慰謝料の支払いに応じるか、確定判決を受けて裁判所から慰謝料の支払いを命じられるかになります。

また、裁判を起こされた場合、相手は遅延損害金を含めた金額を請求してくることが考えられ、交渉時よりも高額の慰謝料を支払う結果になる恐れがあります。

給与や財産を差し押さえられる恐れがある

既に公正証書を作成している場合や、裁判で判決が出ても払わない場合、相手は最終手段としてあなた財産を差し押さえようとする可能性があります。
相手が裁判所に差し押さえの申し立てをすると、給与や預金、自動車、貴金属、ブランド品などが差し押さえられてしまいます。
自動車などの物品の場合は押収、売却されて、売却金額が慰謝料の支払いに充てられます。
給与は会社から請求相手に支払いが行われ、その分、あなたの手取りが少なくなります。

差し押さえられたら、あなたは拒否できません。
慰謝料を払わなかったことで、慰謝料に値する金額の給与や物品を失うことになります。

口約束だけだとしても、支払いを逃げられる可能性は低い

前の章では、示談書などを作成しているのに慰謝料を払わない場合に起こることをご説明しました。
では、口約束で支払いを約束しているだけであったり、まだ示談をしていなかったりすれば支払いから逃げる方法はあるのかといえば、そんなことはありません。

書面がない以上、遅延損害金が発生することや、相手方がすぐに財産の差し押さえをすることはできませんが、弁護士を通じて再度慰謝料を請求してきたり、裁判を起こしたりすることが考えられます。
不倫が事実で、相手の配偶者から慰謝料請求されている以上、今がどのような状況でも慰謝料の支払いから逃げられるケースはないと考えた方が良いでしょう。
払わずに逃げようとする、支払いを放置するといった行為は危険です。

慰謝料請求されて払えず困っている方は、対処法や減額交渉に役立つ知識も解説しているこちらの記事もご確認ください。

不倫慰謝料を払えない場合の5つの選択肢


ご説明してきたように、不倫慰謝料を払わない場合、結局は相手に追い詰められてしまいます。
遅延損害金もありますので、払えない時は逃げるのではなく、1日も早い対処が大切です。

約束した慰謝料を払えない場合、あなたに今からできることは次の4つです。

分割払いの交渉を行う

分割払いの交渉を行い、毎月の負担額を減らします。

例えば慰謝料100万円を短期間で用意して一括で払うことはできなくても、10万円ずつ10回払いなら、どうにか用意できるのではないでしょうか?
相手としても、あなたが慰謝料を支払わず、裁判や差し押さえの手続きをすることは面倒です。
手間がかかることをするより、分割で慰謝料を支払ってもらった方が良いと考え、分割払いを受け入れてくれることもあるでしょう。

分割払いが認められるかは相手次第になりますが、期日までに慰謝料を払うのが難しいなら、分割払いを交渉した方が良いでしょう。

高価な物品や自動車などを売却する

ブランド物のバッグ、時計、自動車など、ある程度の金額で売却できる物品をお持ちの場合は、売却して現金にすることを考えましょう。
慰謝料を払わずにいると、これらの物品は差し押さえられてしまう可能性がありますので、それなら先に自分で売却し、慰謝料支払いの足しにした方が良いかもしれません。

借金をして慰謝料を支払う

先の2つの方法では慰謝料を払えないなら、推奨はされませんが、借金をして慰謝料を支払うことも考えなくてはいけません。
家族にお金を借りること、または消費者金融を利用することを検討しましょう。

消費者金融に借金をすると金利が発生し、お金の負担が増えますので、自分だけでは足りない金額を家族から借りることができるなら、そのほうが負担は少ないです。
周りにお金を借りられる人がいない、家族には不倫のことを言いたくない、というのであれば消費者金融の利用をお考えください。
お金を借りて相手には支払い期限までに慰謝料を支払い、その後、借金相手に毎月少しずつ返済をしていきましょう。

自己破産をする

どうしても慰謝料を支払うことができない場合は、自己破産という選択肢もあります。
裁判所に自己破産を申し立て、免責(借金を支払う責任がなくなること)の許可を受けると、不倫慰謝料を支払う必要がなくなります。
不倫の慰謝料で自己破産をする場合、多くのケースでは免責許可が出て慰謝料を支払わなくて良くなりますが、免責不許可になることや、不倫慰謝料が非免責債権(支払い義務がなくならない借金)だと判断され、自己破産をしても支払いから逃れられないケースもあります。

また、自己破産をすると、財産を没収されたり、クレジットカードがこの先数年間も使えなくなるなど、日常生活に大きな影響が出ます。
相手に給与や財産を差し押さえられるよりも影響は大きいかもしれません。
そのため、自己破産は慰謝料を払えない場合の選択肢の1つではありますが、安易に自己破産することはおすすめできません。
「自己破産しか選択肢がない」と思った時は、家族や弁護士にまず相談しましょう。

脅されて慰謝料を払う約束をしてしまった場合

慰謝料を請求してきた相手が激昂していて「慰謝料をすぐ支払わなかったら会社や家族に言いふらす」などと脅されて、ろくに交渉もしないまま慰謝料の支払いを認めてしまった方もいらっしゃるかもしれません。

このような場合は、今から慰謝料を減額できないか考えていきましょう。

一度、慰謝料の支払いを認め、示談書などを作成したら、後から慰謝料の減額を認めてもらうことは簡単ではありません。
それでも、「慰謝料が相場よりも明らかに高額」「話し合いの際に相手が威圧的で、認めなかったら何をされるかわからなかった」などの事情を証明できれば、交渉をやり直すことで慰謝料の減額を認めてもらえる場合があります。

今からでも慰謝料を減額できるのか、どうすれば減額できるのかは弁護士にご確認ください。

まとめ

不倫慰謝料を払わない場合に起こること、慰謝料を払えない場合の対応についてご説明いたしました。
この記事で説明したことを最後に復習しましょう。

・不倫慰謝料を払わない場合は裁判を起こされる
・最悪の場合、給与や財産を差し押さえられてしまう
・一括で慰謝料を払えない場合は、分割払いの交渉をする
・自己破産をすれば払わずに済むが、デメリットが大きい

慰謝料を払えないからといって、払わずに居続けることは良くありません。
払わない場合、遅延損害金によって慰謝料が増えてしまいますし、裁判、差し押さえとどんどん追い込まれてしまいます。
ご自身の給与や預金だけではどうしても払えないなら、家族や友人、弁護士に相談するなどして今からできることを考えていきましょう。
状況によっては、今からでも弁護士にできることがあるかもしれません。
取り返しがつかない状況になる前に、一度弁護士法人AOまでご相談ください。

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