浮気の証拠がない人も慰謝料請求は可能！証拠ゼロからトラブルを解決する方法
平成25年に司法書士事務所を立ち上げ様々な依頼者に接する。司法書士としてキャリアを10年近く積んできた中で、司法書士の資格では受けられず、せっかく頼って来てくれた人を断ってしまうこともあった。そういった経験から、さらに幅広く業務を取り扱うことができる弁護士資格を取得。弁護士法人AOの代表弁護士として業務に取り組んでいる。
「夫（妻）が浮気をしていて慰謝料を請求したいけれど、証拠がない」という相談を受けることがあります。
「証拠がないと慰謝料請求できない」と思っている方が多いかもしれませんが、実は証拠がなくても慰謝料請求ができ、証拠があった場合と同じように慰謝料が支払われる可能性があります。必ず成功するものではないですし、証拠があった方が確実ですが、浮気の慰謝料請求で証拠が必須とは限らないのです。
そのため、もし今、浮気の証拠がなくて困っているなら、証拠なしのままで慰謝料請求が可能か、証拠を入手してから請求した方が良いか一度確認してみましょう。
証拠なしで慰謝料請求できる条件や、今から証拠を入手する方法をご説明していきます。
目次
浮気の証拠はなくても慰謝料請求は可能
冒頭でもお伝えしたように、浮気の証拠がなくても慰謝料請求をすることができます。
「浮気の慰謝料請求には決定的な証拠が必須」と言われることもありますが、これは慰謝料請求の裁判を行った場合の話です。
当事者同士で話し合いをする場合や、弁護士に慰謝料請求の交渉を依頼する場合は、証拠が必須とは限りません。
証拠がない状況でも慰謝料を請求することができ、相手が認めれば、慰謝料を支払ってもらうことができるでしょう。
浮気の証拠がない場合の2つの選択肢
証拠がない状況でも慰謝料請求は可能ですが、「証拠集めなんてせずに慰謝料請求をすれば良い」というわけではありません。
以下のように状況に応じた対応が求められます。
| 選択肢 | 状況 |
| 証拠なしで慰謝料請求する | ・証拠が入手できない ・交渉で相手が浮気を認める可能性がある など |
| まずは証拠を探す | ・まだ証拠を集めていない ・証拠を入手できる見込みがある ・浮気を否定されるのが確実 など |
もちろん、証拠があった方が慰謝料請求に成功する可能性は高まります。
でも、どうしても証拠を入手できないこともあるでしょう。
そこで、今、浮気の証拠がない方は、これから証拠を入手できる可能性があるか、証拠がなくても慰謝料請求できそうかといったことを考え、判断をしましょう。
証拠がないまま慰謝料請求をする
・相手が浮気を認めれば（自白をすれば）証拠がなくても良い
・「証拠にならない」と思っていた物で自白を取れることもある
証拠がない状況で慰謝料請求をして、夫（妻）や浮気相手が浮気を認めるケースも実は少なくありません。特に、「相手があなたに対して申し訳なく思っている」「トラブルが大きくなる前に認めて被害を小さくしたい」等と相手が思っていたら、証拠がなくても浮気を認めることがあるでしょう。
また、請求相手が夫（妻）の場合、証拠とは言えなくても、「頻繁に朝帰りをしていた」「クレジットカードの明細で疑わしい利用履歴がある」等の事実を追求することで、浮気をあっさり認めることもあります。
このように、証拠がなくても夫（妻）や浮気相手が自白すれば、慰謝料を獲得することができるのです。
証拠がない状況での慰謝料請求の判断は慎重に
相手が必ず浮気を認めるとは限りません。また、証拠なしで慰謝料請求を行って失敗すると、その後の証拠の入手や慰謝料請求が困難になる場合もあります。
そのため、証拠がない状況で慰謝料請求するべきか、相手が浮気を認める可能性はあるかなどを相手の性格なども踏まえて慎重に判断することが求められます。
その判断材料については、「証拠なしの慰謝料請求でクリアしておきたい4つのこと」で解説しています。
証拠がない場合、裁判での慰謝料請求は難しい
浮気の証拠がない状況でも慰謝料を獲得できるのは交渉で慰謝料請求をする場合です。
裁判で慰謝料請求をする場合、裁判官は提出された証拠で「浮気は事実か」「慰謝料が支払われるべきか」を判断します。そのため、証拠がない、もしくは証拠が不十分な状況では裁判を起こしても慰謝料の支払いは認められない可能性が高いです。
裁判で慰謝料請求を行うのであれば、浮気の証拠を入手することを優先させましょう。
証拠を入手してから慰謝料請求をする
話し合いの時点で浮気を否定されているなど、このまま慰謝料請求をしても浮気を否定される可能性が高いなら、証拠がない状況で無理に慰謝料請求をしない方が良いです。
浮気を否定する人は多くいますし、一度浮気を否定されると相手も警戒心を強めるため、後から証拠を入手しづらくなる等のデメリットもあります。
このような場合は、証拠を入手してから慰謝料請求をしましょう。
小さな証拠をいくつか入手できれば、相手の自白を取れる可能性が出てきます。
まず証拠を入手したいという方は第3章をご参考ください。
証拠なしで慰謝料請求するために必要な4つの条件
証拠なしで慰謝料請求をする際にクリアしておきたい条件、証拠なしの慰謝料請求を成功させる大事なポイントを4つご紹介します。
浮気は間違いなくクロ
まず、大事なのは、証拠はないけど浮気は間違いないことです。
「浮気をしているかもしれない」というだけでは、相手に否定される可能性がありますし、万が一、浮気がシロだった場合に、今回のことがきっかけで夫婦仲が悪くなってしまうかもしれません。また、浮気相手だと思っていた人から、名誉毀損と言われてしまうおそれもあります。
そのため、証拠なしで慰謝料請求するのは「浮気は間違いなくクロ」と言える場合に限った方が良いでしょう。
浮気相手が特定できている
浮気相手に慰謝料請求をする場合は、浮気相手を特定できている必要があります。
浮気が確実にクロでも、浮気相手が誰かわからなければ慰謝料請求はできません。
把握しておきたいのは、名前、住所、電話番号等で、連絡先がわからない場合でも、SNSアカウントがわかれば、SNSのダイレクトメッセージから連絡をとることも可能です。
もし、これらの情報が一才ないのであれば、現時点では浮気相手への慰謝料請求は難しいでしょう。
浮気に関係なく離婚する予定
浮気以外にも原因があり、夫（妻）とはどちらにせよ離婚するつもりなら、離婚の話し合いに合わせて浮気を問い詰め、慰謝料請求してみるのが良いでしょう。
離婚した後は証拠を入手しづらくなりますし、夫（妻）と離婚後にいつまでも関わりたくない方もいらっしゃると思います。
それであれば、証拠を持っていなかったとしても、今のうちに慰謝料請求した方が良いかもしれません。
弁護士に依頼して慰謝料請求を行う
「当事者間の否定していた浮気相手の態度が、弁護士を通じて慰謝料請求をした途端に変わり、素直に慰謝料の支払いに応じた」
これは、弁護士が浮気の慰謝料請求を行った時によく起こることです。ほとんどの方は弁護士と交渉をしたことがなく、慌て、「マズイ」と思って浮気を白状することは珍しくありません。
また、弁護士との話し合いの中で浮気の証拠につながるボロを出す人もいます。弁護士はそのようなスキを逃さずに追求していくことが可能です。
証拠がない状況での慰謝料請求では、弁護士という存在や交渉力が心強くなりますので、証拠がない場合は協力な味方をつけて慰謝料請求を行いましょう。
浮気をされた時に弁護士に相談するメリットは、下記の記事でも詳しくご説明しています。
浮気の証拠がない状況から、証拠を集める方法
浮気の証拠がない今からでも証拠を入手できる方法をご紹介します。
既に実践していることもあるかもしれませんが、夫（妻）や浮気相手は、いつスキを見せるかわかりません。
特に、LINEやSNSのチェック、バッグのチェックなどは、定期的に行うことが大切です。
スマホ（LINE、SNS等）をチェックする
スマホチェックでまず見るべきはLINEです。
怪しい異性とやり取りしていないか、メッセージを確認しましょう。
用心深い人は浮気相手とのメッセージを削除していますので、LINE内の写真・動画、アルバム、イベントもご確認ください。そこに浮気の証拠が残っていることもあります。
そして、浮気の証拠を見つけた場合は、ご自身のスマホで撮影するなど、データを残しましょう。
また、SNSのDMで浮気相手と連絡をとるケースも増えていますので、SNSのDM（ダイレクトメッセージ）も確認しましょう。
DMは夫（妻）のアカウントから確認する必要がありますが、SNSの投稿だけなら、ご自身のスマホからでも確認可能で、自分のスマホから確認する場合は、夫（妻）の投稿と、フォロワーの確認を行いましょう。
フォロワーに浮気相手がいて、夫（妻）と浮気相手がデートをし、同じタイミングで同じ場所からの投稿をしている可能性があります。
こちらも、浮気の証拠になり得るものを見つけたらデータで保存しましょう。
決定的な証拠は見つからなくても、自白を引き出せる証拠が見つかるかもしれません。
LINEをチェックして浮気の証拠を入手する方法は、以下の記事でも詳しくご説明しています。
バッグの中や車の中をチェックする
LINEやSNSではなく、バッグの中や車の中、または洋服のポケット、財布の中をチェックすることで浮気の証拠になるものが出てくる可能性があります。
・ラブホテルのアメニティやレシートなど
・浮気相手の日用品
・浮気相手の髪の毛
上記のようなものを入手できれば、それをもとに浮気の自白を引き出せる可能性があります。
バッグや車の中から証拠が出てきやすいのは、夫（妻）が浮気をした直後です。
夫（妻）が帰ってきてジャケットを脱いだ時に片付けてあげるフリをしてチェックするなど、証拠が見つかりそうなタイミングを狙ってこまめにチェックしましょう。
探偵に浮気調査を依頼する
夫（妻）の身の回りをいくらチェックしても証拠が見つからないのであれば、探偵に浮気調査を依頼する方法もあります。
浮気調査を依頼すると、探偵が夫（妻）を尾行し、浮気相手とホテルに出入りする瞬間の写真など、浮気の決定的な証拠を入手してくれます。
調査費用は数十万円で、証拠を入手できなかった場合でも費用が発生する等、お金はかかりますが、どうしても浮気の証拠が欲しいなら選択肢の一つです。
浮気の証拠がない状況でやってはいけないこと
証拠がない場合にやってはいけないこともあります。
ここで紹介する2つは、証拠をなかなか入手できずに焦ったしまった方がやってしまいがちなことです。
この先、証拠が入手できない状況が続いたとしても、これだけはやらないように気をつけてください。
浮気の証拠のためにやりすぎない
浮気の証拠が入手できないこともあります。
その際に、なんとかして証拠を入手しようと色々考えることは良いですが、あまり無茶なことはしないでください。
たとえば、証拠を入手するために盗聴や盗撮をする、合成で証拠写真を作る、メッセージを改ざんするなどの行為をしてしまうと、あなたが罪に問われてしまう恐れがあります。
もちろん、そのような行為で証拠を用意しても、それは証拠として認められないでしょう。
浮気相手と思われる人物を尾行したり、相手が住むマンションの敷地内に入ったりする行為も同様です。
「浮気の証拠さえ掴めれば」というお気持ちはわかりますが、一線を越えないでください。
証拠がない状況で感情論だけで交渉をしない
証拠なしで慰謝料請求をする際に感情論だけで交渉することはおすすめできません。
感情のままに交渉を行っても、上手くいく可能性は低いでしょう。
むしろ、感情的な状況で交渉を行い、相手方に浮気の否定や慰謝料の支払い拒否をされると、相手への怒りが抑えられなくなり、暴言を吐いたり、強い言葉で罵倒したりする可能性も考えられます。
このようなことをすると、慰謝料の支払いが認められないどころか、相手から訴えられる恐れも出てきますので、感情論だけで交渉をしないようにしてください。
証拠がない状況でどう交渉して良いかわからないという方は、次の「証拠がなくて困っているなら弁護士に相談」をご覧ください。
証拠がなくて困っているなら弁護士に相談
先ほどもご説明したように、証拠がない状況での慰謝料請求では弁護士の存在や交渉力が重要になります。
また、慰謝料請求をする場合だけでなく、証拠がなくてどうしたら良いか困っている状況でも弁護士への相談がおすすめです。
浮気の慰謝料請求で豊富な経験を持つ弁護士であれば、今のあなたの状況をお伺いした上で、これからどう進めていくのがベストかアドバイスすることが可能だからです。
証拠なしでも慰謝料を獲得できると判断すれば慰謝料請求を進めますし、一方で証拠がないと厳しいと判断すればお話を聞きながら証拠を入手する方法を一緒に考えていきます。
更に、相談者の方は証拠がないと思っていても、弁護士からすれば十分証拠が揃っているケースも少なくなくありません。
相談する際は、「わかっていること」「手元にあるもの」をすべてお話しください。些細なことでも伝え忘れがないようにしましょう。
このように弁護士は慰謝料請求を成功させるために、一人一人にあった戦略を練ることが可能です。
なお、証拠がなく、探偵に相談しようか考えているなら、探偵への依頼が必要かも弁護士に聞くことをおすすめします。
相談者の方は証拠がないと思っていても、弁護士からすれば十分証拠が揃っているケースも少なくなく、浮気調査を探偵に依頼しなくても、今の状況で慰謝料請求できる可能性もあるからです。
まとめ
浮気の証拠がない状況での慰謝料請求についてご説明いたしました。
証拠なしで慰謝料請求を行う場合と、証拠を集めてから慰謝料請求を行う場合、どちらが良いかは一人一人のご事情で異なります。
大切なのは、最終的に慰謝料請求を成功させるために正しい判断をすることです。
どうすれば良いかわからない、証拠がなしで慰謝料請求したいけど、どう交渉すれば良いかわからないという方は、弁護士法人AOまでご相談ください。
当事務所にご相談いただければ、現在の状況をお聞きした上で、すぐ慰謝料請求をして問題ないか、証拠を集めてから慰謝料請求するべきか等のアドバイスを無料相談の範囲内で行うことが可能です。
弁護士のアドバイスを聞いてから、その後の対応や弁護士に依頼するかを決めて問題ありません。
浮気の証拠がないことを理由に慰謝料請求を諦めないでください。証拠ゼロから慰謝料請求を成功させましょう。
あなたの「かかりつけ弁護士」でありたい。
ご相談は当メディア運営の
弁護士法人AOへ！
当社では、あなたの暮らしを支える「かかりつけ弁護士」として、依頼者とのコミュニケーションを大切にしております。
トラブルを無事解決できることは、新しい生活をスタートさせる一区切りになることは間違いありません。
ご依頼者様の状況に応じた、最適な解決策をご提案させていただきます。1人で悩まずにまずは当社にご相談ください。
