離婚後に浮気が発覚…慰謝料請求できます!請求できる条件や証拠とは

「離婚より前に元配偶者が浮気をしていたことを知った」

このような場合、今からでも元配偶者に当時の浮気の責任を問うことができます。

具体的には、過去の浮気での慰謝料請求が可能です。離婚協議書に「今後、お互いに金銭を請求しない」と記載している場合でも請求できる可能性があります。慰謝料は元配偶者ではなく、浮気相手に請求することも可能です。今持っている証拠をもとに弁護士に相談して交渉を進めましょう。

この記事では、浮気・離婚問題に取り組むAOの弁護士が元配偶者の離婚前の浮気が発覚した場合の対応について詳しく解説していきます。

離婚後に元配偶者の浮気が発覚した場合、今からでも慰謝料請求は可能

・離婚時は浮気していることを知らなかった
・離婚前から浮気を疑っていたけど証拠がなかった

元配偶者が浮気をしていたことを離婚後に知ると、過去の話とはいえ怒りを抱くでしょうし、当時から浮気を知っていれば慰謝料をしっかりもらって離婚したかったと思うかもしれません。
その怒りや感情は、今からでも元配偶者にぶつけることができます。
過去の浮気でも当時は夫婦だったので、後から慰謝料請求することが法律で認められています。

また、離婚前から浮気を疑っていたものの、当時は証拠がなくて何もできなかったけど、離婚後に証拠を入手した場合も同様です。

離婚後に慰謝料請求するなら、行動はお早めに

元配偶者の浮気を離婚後に知って慰謝料請求をするなら、早めに行動をしましょう。
慰謝料請求には時効があり、慰謝料請求までに時間が経ちすぎると、時効によって慰謝料請求が認められなくなる恐れがあります。
証拠を入手したり、交渉するにも時間がかかりますので、夫婦だった頃の浮気を知り、今から慰謝料請求をしたいと思ったらすぐ行動に移すことが大事です。
時効は、浮気のことを離婚後に初めて知った日から3年で、詳しくは第三章でご説明していますのでご参考ください。

また、時間が経つほど、元配偶者に対する関心が薄れ、当時の浮気のことがどうでもよくなる人もいますので、今許せない気持ちがあるなら、その気持ちがおさまる前に行動を開始しましょう。

元配偶者にも浮気相手にも慰謝料請求は可能

慰謝料は、元配偶者、浮気相手のどちらに対しても請求可能です。
とは言え、両方に請求すると手間が2倍になりますので、基本的にはどちらか片方に請求します(2人に請求すれば金額が多くなるわけではありません)。
相手の資産状況や回収可能性を踏まえて請求がしやすいと考える方に請求しましょう。

ただし、浮気相手に請求する場合は、浮気相手の氏名や住所などを把握している必要がありますので、浮気相手を特定できていない場合は、元配偶者への請求となるでしょう。

請求できる慰謝料は数十万円から300万円

夫婦の頃の浮気が離婚後に発覚して慰謝料請求をする場合、認められる慰謝料の金額は数十万円から300万円程度です。
浮気が原因で離婚した場合の慰謝料の相場は100万円から300万円のことが多いですが、離婚後に浮気が発覚した場合、浮気が原因で離婚したわけではなく、一人一人の事情によって金額が大きく異なってくるため、金額幅が広くなっています。

具体的には、「離婚前から長く浮気をしていた」「浮気をしていた元配偶者の収入が多い」「実は離婚前に浮気相手が妊娠していて、それを隠して離婚していた」などの事情があれば、慰謝料は比較的高額になりやすいです。

書面で「金銭を請求しない」と記載してしまっていても大丈夫

離婚する際に離婚協議書を作成し、「今後、お互いに金銭を請求しない」「一切の債権債務がないことを相互に確認する」といった文言を記載したことを気にしている方もいるのではないでしょうか?
このような清算条項は、離婚後に慰謝料請求などで金銭トラブルが起こることを防ぐためのもので、離婚協議書にこの一文がある場合、離婚後に元配偶者に対して金銭を請求することはできません。

ただし、離婚後に浮気が発覚した場合は話は別です。

離婚協議書は婚姻期間中の浮気が存在しない前提で作られていますし、あなたも浮気を知らずに離婚協議書に同意しているはずです。
後から浮気が発覚した場合のように離婚協議書を作成した際に前提としていた事実が異なる状況になった場合には、離婚協議書に清算条項がある場合でも、浮気の慰謝料を請求できる可能性があります。
そのため、離婚協議書などに「お互いに金銭を請求しない」と記載していたとしても、慰謝料請求できる可能性が十分にあるでしょう。

離婚後に浮気が発覚した場合に、慰謝料請求ができる条件

・時効になっていない
・時効になっているけど、慰謝料の支払いを認めている
・浮気があった当時、婚姻関係が破綻していなかった
・離婚前に肉体関係があった証拠がある

離婚後に発覚した浮気で慰謝料請求を行うには上記の条件をクリアしている必要があります。
一つずつ、詳細をご説明していきます。

時効になっていない

不倫の慰謝料の時効は、不倫の事実及び不倫相手を知った時点から3年、又は、不貞行為があった時点から20年

前述したように、浮気の慰謝料請求には時効があり、元配偶者の浮気を離婚後に知ったケースでは、上記の2つのうち、どちらかが経過した時点で時効になります。

ほとんどのケースでは「浮気の事実を知った時から3年」で時効になるでしょう。
そのため、夫婦だった頃の浮気で慰謝料請求ができるのは、浮気を知った時から3年以内です。

離婚してから3年だと勘違いされることもありますが、離婚後に浮気が発覚した場合では、「浮気の事実を知った時から3年」になります。

【慰謝料請求の時効のカウント方法】
・浮気が原因で婚姻関係が破綻した時から3年
・浮気が原因で離婚した時から3年
・浮気の事実を知った時から3年

◎時効は先延ばしにできる!
既に時効間際になっている場合などは、時効を先延ばしにできる手続きをとることがあります。
浮気の慰謝料請求は、内容証明郵便を送付することで一時的に時効をストップできます。時効になりそうな時は、すぐ弁護士に相談して慰謝料請求の内容証明郵便を送付してもらうのが良いでしょう。

>>慰謝料請求の時効について、更に詳しく知りたい方はこちら

時効になっているけど、慰謝料の支払いを認めている

既に時効の場合でも、元配偶者や浮気相手が時効を主張しなければ、慰謝料を獲得できる可能性があります。
時効の際は、請求された側が「時効だから慰謝料を支払う必要はない」と主張する必要があるからです。
例えば、時効に関係なく慰謝料を支払う意思を見せている、もしくは相手が時効を把握しておらず支払う意思を見せている場合には、時効後でも慰謝料が支払われる可能性があります。

浮気があった当時、婚姻関係が破綻していなかった

婚姻関係が破綻した後の浮気は、例え離婚前であったとしても慰謝料を請求できない可能性があります。
具体的には、既に長期間の別居をしていた、離婚調停をしていた、あなたから元配偶者へのDVやモラハラが日常的にあったケースなどが当てはまります。
慰謝料請求をするには、浮気があった当時にこのような事実がなかったことが必要で、元配偶者から婚姻関係の破綻を主張されて証拠を提示されてしまうと、慰謝料請求が難しくなるでしょう。

離婚前に肉体関係があった証拠がある

・第三者の証言
・元配偶者や浮気相手の自白
・当時のLINEなどのやり取りや写真
・浮気相手の妊娠・出産

慰謝料請求をするには浮気の証拠が必要です。
今も離婚していなければ、「スマホをチェックする」「探偵に浮気調査を依頼する」などの方法で、有力な証拠を入手できますが、既に離婚しており、必要なのは離婚前の過去の浮気の事実の証拠のため、今から入手できる証拠は現在の事実の証拠になりますので入手は困難と思われます。

そのため、あなたが元配偶者の浮気を知ったきっかけを証拠に慰謝料請求を行うことも多いです。
具体的には上記が証拠になり得るでしょう。
離婚前の浮気の事実に関する証言や自白は音声データを残しておけば、慰謝料請求の交渉で証拠として使用できる可能性が高いです。
もし、離婚前の当時の肉体関係がわかるLINEのやり取りや写真を持っていれば、交渉を優位に進めることができるでしょう。

また、浮気相手の妊娠や出産から婚姻期間中の肉体関係がわかることもあります。
例えば、元配偶者が離婚から半年で再婚し、すぐ子どもが生まれた場合、あなたと夫婦だった頃に肉体関係を持っていないと計算が合いませんので、この事実も当時の浮気の証拠になります。

>>不倫の証拠・証拠能力の違いなどは、下記の記事でご説明しています


あなたの「かかりつけ弁護士」でありたい。

ご相談は当メディア運営の
弁護士法人AOへ!

元配偶者が支払いを拒否したら、浮気相手に慰謝料請求

離婚協議書を作成している場合、元配偶者は慰謝料の支払いを拒否してくる可能性も高いです。
元配偶者が支払いを拒否し続けたら、裁判を行う必要性も出てきます。
そこまでするのは手間に感じるかもしれません。
それなら、元配偶者ではなく浮気相手に慰謝料請求するのが良いでしょう。

また、元配偶者が子供と暮らしているときも、浮気相手に慰謝料請求する方が良いと言えます。
離婚時に元配偶者が子どもを引き取ったなら、元配偶者より浮気相手に慰謝料請求したほうが良いかもしれません。
慰謝料請求で元配偶者が経済的なダメージを受けると、子どもの生活にも影響が出てしまいかねないからです。
そうならないよう、この場合は元配偶者ではなく浮気相手に慰謝料請求することを検討しましょう。

離婚協議書の内容はあくまで元配偶者に対するもので、浮気相手には関係がありません。
そのため、浮気相手への請求は離婚協議書に関係なく行うことができます。
「元配偶者に経済的なダメージを負わせたい」と考えていたり、浮気相手を特定できていなかったりする場合は、元配偶者への請求となりますが、そうなければ浮気相手への請求の方がスムーズでしょう。

あなたの「かかりつけ弁護士」でありたい。

ご相談は当メディア運営の
弁護士法人AOへ!

浮気は事実だけど証拠がない時の対処法

「離婚前から浮気をしていたことは事実だけど証拠がない」という方もいるでしょう。
そのような状況で、今から証拠を入手するのはとても大変です。
婚姻期間中の浮気であれば、「スマホをチェックする」「探偵に浮気調査を依頼する」などの方法で証拠を入手できますが、既に離婚している場合、これらの方法で証拠を入手することは困難だからです。
証拠がないまま元配偶者や浮気相手に慰謝料請求をしても、当時の浮気を否定されて終わってしまうことが考えられます。

◎弁護士に相談することで慰謝料請求が可能になることも
離婚前に浮気をしていた証拠がないことを弁護士に相談すれば、証拠を入手できる可能性はあるか、どうすれば慰謝料請求できるかなどのアドバイスをもらうことができます。今からベストな対応をするにはどうすれば良いかはわかるでしょう。

また、弁護士から元配偶者や浮気相手に連絡をすることで、相手が当時の浮気を認める可能性もあります。弁護士から連絡が来ることは多くの方にとって危機感を抱く出来事で、「隠し通せない」と思って潔く浮気を認める人もいるのです。

証拠がなくて自分ではどうして良いかわからない状況なら、まずは弁護士に相談をしましょう。

財産分与や養育費の請求も離婚後に行えることも


ここまでは、元配偶者の離婚前の浮気での慰謝料請求について解説してきましたが、離婚後に浮気が発覚した場合の財産分与や養育費の支払いについてもご説明いたします。

離婚後に浮気が発覚しても財産分与や養育費は変わらない

離婚前に財産分与や養育費についてしっかりと取り決めが行われ、養育費の未払いなどもない場合、過去の浮気が離婚後に発覚したからといって、財産分与をやり直したり、養育費の金額を上げる交渉をしたりすることは基本的にはありません。

取り決めをしていない、未払いがある場合は請求可能なことも

「離婚時に財産分与を行っていなかった」「養育費をもらっていなかった」という場合で、「元配偶者が当時浮気をしていたなら今からもらいたい」というのであれば、後から慰謝料請求と同時に請求することにより、財産分与と養育費の請求を進めることも可能です。
財産分与は、離婚後2年以内であれば後からでも行うことができます(浮気の時効は関係しません)。
養育費はいつからでも請求可能です。ただし、過去の養育費を後から請求することは難しいです。

離婚前の浮気が発覚したことをきっかけに財産分与や養育費の支払いを求めるなら、浮気の慰謝料請求と同じタイミングで行うのが良いでしょう。

まとめ

離婚後に元配偶者が浮気をしていたことが発覚した場合の慰謝料請求についてご説明いたしました。
最後にこの記事でご説明したことを整理しましょう。

・婚姻関係時の浮気が発覚したら、今からでも慰謝料請求が可能
・「金銭を請求しない」などと記載した書面があっても請求できる
・請求できる慰謝料は50万円から300万円
・時効があるので、早めに請求することが大事

元配偶者の過去の浮気で慰謝料請求の交渉を成功させるためには「手元にある証拠でどのように請求するか」が大事です。
過去の出来事であることや、あなたが決定的な証拠を保有していないことを理由に、元配偶者は慰謝料の支払いを拒否してくる可能性も高く、離婚する前の慰謝料請求よりも交渉力が求められるケースが多くなっています。
そのため、離婚後の慰謝料請求は、浮気の慰謝料請求に精通した弁護士への依頼がおすすめです。
弁護士であれば、手元にある証拠を使い、どのように交渉をすれば請求が成功する可能性が高いかを考えることができますし、弁護士が出てきたことで元配偶者も態度を変え、過去の浮気を認める可能性もあります。
また、「元配偶者と話したくない」という方もいると思いますが、弁護士に依頼した場合、基本的に弁護士が元配偶者とやり取りをしますので、あなたが元配偶者と接触する必要はありません。
離婚後に元配偶者の浮気が発覚し、慰謝料請求をお考えの方は、相談無料の弁護士法人AOまでお気軽にお問い合わせください。

あなたの「かかりつけ弁護士」でありたい。

ご相談は当メディア運営の
弁護士法人AOへ!

当社では、あなたの暮らしを支える「かかりつけ弁護士」として、依頼者とのコミュニケーションを大切にしております。

トラブルを無事解決できることは、新しい生活をスタートさせる一区切りになることは間違いありません。

ご依頼者様の状況に応じた、最適な解決策をご提案させていただきます。1人で悩まずにまずは当社にご相談ください。

これらの記事も読まれています。