民事再生(個人再生)の手続きの流れと期間
民事再生はどのような流れなのか、どれくらいの期間がかかるのかというご質問をいただきます。
本ホームページでは民事再生の手続きの流れと期間について解説をしていきます。また、民事再生は司法書士にも依頼ができますが、本ホームページでは弁護士に依頼をした場合の流れについて解説をしていきます。
◆民事再生の手続きの流れと期間
1.弁護士への依頼と受任契約の締結
まずは、個人再生をするために弁護士事務所に相談をします。
個人再生は個人でも手続きを行うことが可能ですが、非常に複雑な手続きであり、法律に関する知識も必要となるため、基本的には専門家に依頼をします。
相談料は初回は無料としているところも多いため、費用面などを含めてじっくり吟味すると良いでしょう。
特に費用面に関しては、着手金や成功報酬などの支払いがあり、その額や民事再生後に債務の返済をしつつ費用の支払いを分割ですることが可能かなどについて、しっかりと話を聞いておくことをおすすめいたします。
実際に相談先の弁護士に依頼をすることになった場合には、その場で弁護士と委任契約を締結します。
2.受任通知の送付
弁護士は依頼者と委任契約を締結後、各債権者に対して受任通知を送付します。
受任通知とは、債務者から個人再生手続きを依頼されて弁護士が代理人となったという旨を通知するものとなっています。
この通知によって、以降の債務に関する連絡は弁護士が窓口になるため、督促などで債務者への取り立てができなくなります。
3.過払い金の計算と返還請求
受任通知の送付後、弁護士は過払い金がないかのチェックを行うこととなります。
過払い金があった場合には、各債権者に向けて返還請求を行うこととなります。
過払金についての詳しい情報は、当サイトの「過払い金返還請求の期限」、「過払い金請求をおこなうメリット」をご覧いただけると幸いです。
4.収支と財産の調査
収支を調査する理由は、民事再生が債務の額を減らした上での分割返済をする手続きであることから、債務者に借金の返済能力があるかどうかを確認するためです。
この際に弁護士にさまざまな資料を提出することになります。
具体的には以下の通りです。
・通帳
・保健債権
・車検証
・不動産登記簿謄本
・財産の査定書
5.民事再生申立書の作成
当サイトの「民事再生(個人再生)とは」という記事にて詳しく解説をしているので、詳細についてはそちらを参照していただきたいのですが、民事再生に小規模個人再生と給与所得者再生の2種類があります。
4.の手続きで、収支や財産の状況などを調査した結果、どちらの手続きが債務者に適しているかを判断し、裁判所に提出する書類を作成することになります。
具体的には
・債権者一覧表
・家計簿
・財産目録
・住宅・住宅ローンに関する資料
などを提出します。
6.民事再生の申し立て
5.で準備した資料を、債務者の住所を管轄する地方裁判所に提出します。
申立ての際には、収入印紙で手数料を支払い、郵便切手を添付します。
申立てが受理された場合には、官報予告費というものを予納する必要があります。
申立書の受理後、早ければ当日、遅くても1週間後には個人再生委員が選出されます(裁判所によっては選出されない場合もあり)。
個人再生委員の役割は、債務者の収入や財産に間違いがないかということを確認したり、隠し持っている財産がないかなどを調査、さらに再生計画案についてのアドバイスなどを行います。
7.債務履行テスト
申立てから約1週間程度で債務履行テストというものを行います。
これはいわゆる、債務者が減額後の借金を返済することができるかをシミュレーションするものとなっています。
具体的には、個人再生委員が指定した銀行口座に再生計画案での弁済予定額と同額を毎月支払っていくという方法がとられます。
この際支払ったお金から個人再生委員の報酬が差し引かれ、残りは債務者に返済されます。
8.個人再生手続きの開始
1度目の債務履行テストが問題なく終わった場合には、申立てから3週間以内に、個人再生委員が手続きを開始すべきかどうかを判断します。
そして、意見書を裁判所に提出し、裁判所が意見書を審査した結果、妥当であると判断された場合には、個人再生手続きが開始されることになります。
9.債権者への届け出と調査
民事再生が始まると、裁判所は各債権者に対して、民事再生が開始した旨を知らせる決定書と債権届出書を送付します。
これにより借金の返済額を確定します。
各債権者から債権届出書が提出されたら、その内容から債権認否一覧表を提出し、届出書の内容を認めるかどうかを示します。
10.再生計画案の作成
次に再生計画案を作成します。
再生計画案には、減額後の借金の総額と返済開始時期・期間、返済の方法、住宅資金特別条項を利用するかどうか、を記載します。
提出期限は申立てから3〜4ヶ月となっています。
これを提出しない場合には、どんな理由であっても手続きが廃止されるため注意が必要です。
11.再生計画案の決議
再生計画案が提出された後は、その内容についての決議を行います。
再生計画案の決議に関しては、小規模個人再生のみで行われるものとなっているため、給与所得者等再生の場合には次の12.の手順に移ります。
まずは個人再生委員が裁判所に対し、書面決議を行うかどうかの意見書を提出します。
提出された意見書をもとに、裁判所が書面決議をするか意見聴取をするかの判断をすることとなります。
書面決議が決定された場合には、債権者または債権総額の過半数の不同意があると、再生手続きが廃止となります。
個人再生委員は書面決議の結果を踏まえた上で、再生計画を認可するかどうかの意見書を裁判所に提出することとなります。
12.再生計画の認可・不妊か
最後に裁判所によって再生計画を認可するか不認可するかの決定がされます。
決定された後は、弁護士及び債権者に対して認可決定書が送付されます。
認可もしくは不認可の決定から2週間後には官報に掲載され、その2週間後に認可もしくは不認可が確定します。
◆民事再生にかかる期間
手続きの流れの中で、どれくらいの期間がそれぞれかかるのかを示しましたが、ここで改めて分かりやすくまとめたいと思います。
民事再生手続き開始決定まで→申立てから約1ヶ月後
再生計画案を提出するまで→手続きの開始から約2〜3ヶ月
再生計画案の認可・不認可が決定されるまで→再生計画案を提出してから約2〜3ヶ月
もっとも上記はあくまで最短での時間となっており、個人再生は手続きが複雑であることから、約6ヶ月から1年はかかると考えた方が良いでしょう。
期間にバラつきがあるのは必要書類が揃えられる時間や再生計画の作成にかかる期間などが人によって違ってくるからです。
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現在、上記の取扱い業務に関してトラブルや問題をお抱えの方は、一度ご相談にお越しください。
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