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自己破産後に得た財産

自己破産では、借金が免責される代わりに、ある程度価値のある財産は処分されてしまいます。
そこで、自己破産後に収入が増えた場合や、自己破産後に新たに得た財産については、どのような扱いを受けるのかというご質問をいただきます。

 

本ホームページでは、自己破産後に得た財産についての解説をしていきます。

 

◆破産手続きで換価・処分の対象とならない財産
まずは前提として、どのような財産が換価・処分の対象から外れるかについての確認をしておきます。

 

自己破産手続きを開始すると、換価・処分しなければならない財産については、破産財団として、破産管財人の管理のもとで管理・処分され、債権者への配当に充てられます。

 

原則として、破産者が破産手続き開始の時に有する一切の財産が破産財産に含まれ、換価の対象となります。

 

他方で、破産財団の対象から外されるもの、自由財産と呼ばれるものもあります。具体的には以下の通りです。

 

①99万円以下の現金
②差押えが禁止された財産
③残高が20万円以下の預貯金
④見込み額が20万円以下の生命保険解約返戻金
⑤処分見込み額が20万円以下の自動車
⑥居住用家屋の敷金債権
⑦電話加入権
⑧支給見込み額の8分の1相当額が20万円以下である退職金債権
⑨支給見込み額の8分の1相当額が20万円をこえる退職金債権の8分の7
⑩家財道具

 

②の差し押さえが禁止された財産の例には、以下のようなものがあります。
・生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用品、畳及び建具(民事執行法131条1号)
・1か月間の生活に必要な食料及び燃料(民事執行法131条2号)
・技術者、職人等の業務に欠くことができない器具(民事執行法131条6号)
・国民年金(国民年金法24条)
・国民年金基金(国民年金法133条、同法24条)
・厚生年金(厚生年金保険法41条1項)
・共済年金(国家公務員共済組合法48条等)
・厚生年金基金(厚生年金保険法旧136条、同法41条1項)
・確定給付企業年金(確定給付企業年金法34条1項)
・確定拠出年金(確定拠出年金法32条1項)
・小規模企業共済(小規模企業共済法15条)
・中小企業退職金共済(中小企業退職金共済法20条)
・高額療養費等の健康保険上の保険給付受給権(健康保険法52条、61条、国民健康保険法67条)
・生活保護受給権(生活保護法58条)

 

◆破産手続き開始前後の収入や財産について
・破産手続き開始前の収入や財産
破産手続きが開始するまでの給与については、現金や預貯金として換価や処分の対象となる可能性があります。

 

もっとも上記での説明の通り、破産法34条3項1号によると、99万円以下の現金であれば手元に残しておくことができます。

 

また、東京地方裁判所では、残高が20万円以下の預貯金(複数口座がある場合には、各口座の合計額が20万円以下)は手放さなくて良いこととなっています。

 

そのため、収入に関しては、上記の範囲に収まる範囲であれば、基本的には手放す必要はありません。

 

・破産手続き開始後の収入や財産
破産手続きでの換価・処分の対象は「破産手続開始の時において有する一切の財産」(破産法34条1項)とされているため、破産手続きが開始した後の収入については、原則として手放す必要はありません。

 

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