リボ払いで過払い金が発生するケースと返還請求における注意点
クレジットカードのリボ払いは、毎月の支払い額を一定に抑えられる仕組みのため、気軽に利用できる支払い方法です。
ところが、長期間の利用や高金利での契約によって、知らないうちに大きな利息を払い続けているケースも少なくありません。
今回は、リボ払いで過払い金が発生する具体的なケースや、返還請求を行う際に注意すべきポイントを解説いたします。
リボ払いで過払い金が発生するケース
リボ払いによる過払い金は、主に適用金利が法律で定められた上限を超えていた場合に生じます。
主に、以下の2つの条件を満たす場合に発生します。
2010年6月以前にリボ払いを利用していた場合
まずは、2010年6月以前にリボ払いを利用していた場合です。
この時期までは、利息制限法の上限金利を超える「グレーゾーン金利」が実務上広く用いられており、多くのカード会社や信販会社が20%を超える高金利を設定していました。
2010年6月の貸金業法改正によりグレーゾーン金利は撤廃されましたが、それ以前に利用していた契約については、払いすぎた利息分を過払い金として請求できる可能性があります。
キャッシング利用のリボ払いをしていた場合
リボ払いにはショッピング枠とキャッシング枠がありますが、特にキャッシング枠でリボ払いを利用していた場合は過払い金が発生する可能性があります。
理由は、利息制限法によって、グレーゾーン金利が適用されていたケースが多いためです。
一方で、ショッピング枠のリボ払いはグレーゾーン金利による取引が発生せず、返還請求の対象外となります。
返還請求における注意点
返還請求における注意点として、以下の3つがあります。
- 時効に注意する
- カードが強制解約になる可能性がある
- 信用情報に影響する可能性がある
それぞれ確認していきましょう。
時効に注意する
過払い金返還請求権の時効期間に関しては、2020年4月1日施行の改正民法によってルールが変更されています。
改正前は、最後の取引から10年で消滅時効となっていました。
つまり、2020年3月31日までに完済していた取引については、旧法に基づき「10年の時効期間」が適用されます。
一方で改正民法では、「権利を行使できるときから5年」または「行使できるときから10年」のいずれか早い方となりました。
昔の契約でも、取引が続いていた時期によっては請求できる場合もあるので、早めに確認することをおすすめします。
カードが強制解約になる可能性がある
返済中のカード会社に過払い金請求を行うと、そのカードは強制的に解約されるのが一般的です。
解約後は新規の利用やキャッシングができなくなります。
生活にカードが必要な場合は、事前に他のカードを確保しておくなどの準備が必要です。
信用情報に影響する可能性がある
完済した契約に対する請求なら信用情報には影響しません。
しかし、返済中の借金に対して請求すると任意整理と同じ扱いになり、ブラックリストに登録される場合があります。
まとめ
リボ払いによる過払い金は、利用時期や契約内容によっては返還請求できる可能性があります。
しかしその一方で、時効の制限や信用情報への影響など、注意すべき点も多く存在します。
自分で請求を進めることも不可能ではありませんが、計算や交渉には法律の知識が不可欠です。
少しでも不安がある方は、早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。
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