離婚調停において陳述書を作るメリットと記載すべき項目
離婚調停では、調停委員や裁判官に自分の主張や事情を的確に伝えるのが重要です。
しかし口頭で説明するだけでは、時間の制約や緊張によって十分に伝えられない可能性もあります。
そこで役に立つのが「陳述書」です。
今回は、離婚調停において陳述書を作るメリットと、記載しておくべき主な項目を見ていきます。
離婚調停で陳述書を作るメリット
陳述書を作成すると、以下のような利点があります。
- 限られた調停時間内で効率的に主張を伝えられる
- 事実や経緯を正確に整理して記録に残せる
- 後の裁判や別手続きで活用できる場合がある
それぞれ確認していきましょう。
限られた調停時間内で効率的に主張を伝えられる
離婚調停の1回あたりの時間はおおむね1〜2時間程度で、その中で双方の主張を交互に聞く形で進みます。
そのため、自分の意見や背景をすべて口頭で伝えるのは難しい場合があります。
あらかじめ陳述書を提出しておけば、限られた時間の中でも重要な点を効率的に説明でき、聞き漏れや時間切れを防げます。
事実や経緯を正確に整理して記録に残せる
離婚の原因や夫婦間の出来事は、時系列や詳細を正確に整理しておかないと混乱を招きやすいものです。
陳述書にまとめることで、出来事の順序や日付、状況を正しく記録として残すことができます。
記録は、調停だけでなく、後の証拠資料としても役立ちます。
後の裁判や別手続きで活用できる場合がある
調停が不成立となり、裁判に移行した場合でも、陳述書は証拠資料として利用できる場合があります。
早い段階で作成しておけば、複数の場面で一貫した主張を維持することが可能です。
陳述書に記載すべき項目
陳述書は自由な形式で書けますが、重要な内容が漏れないよう、次の項目を意識して記載すると効果的です。
- 作成年月日と自分の氏名・住所
- 結婚に至った経緯や時期
- 夫婦生活中の出来事やトラブルの経緯(時系列で記載)
- 離婚を考えるに至った理由
- 子どもの有無や養育に関する状況
- 生活費や財産分与に関する希望や理由
- 面会交流や監護権に関する考え
- 相手方に求める条件や提案
- 添付資料や証拠がある場合はその説明
文章は事実を中心に、具体的かつ簡潔に書きます。
感情的な表現はできるだけ避けましょう。
まとめ
離婚調停における陳述書は、自分の考えや事実関係を正確かつ効率的に伝えるための手段です。
あらかじめ作成することで、調停委員や裁判官が事案を理解しやすくなり、話し合いがスムーズに進む可能性があります。
記載項目や注意点を押さえて、事実に基づいたわかりやすい陳述書を準備するのが、望ましい解決への第一歩となります。
不安な点があれば、弁護士などの専門家に相談してください。
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