別居していると離婚調停に影響する?注意すべきポイントを解説
離婚調停前または調停中に別居することで、離婚が認められやすくなることがありますが、別居の仕方には注意が必要です。
本記事では、離婚調停中の別居が与える影響や注意点について解説します。
別居が離婚調停に与える影響
別居が離婚調停に与える影響として、以下の2つが問題にされることがあります。
長期間の別居により離婚が認められやすくなる
離婚調停前・調停中でも別居は可能です。
民法上、夫婦には同居義務(民法752条)がありますが、別居する正当な理由がある場合には、別居が認められています。
正当な理由に該当するケースは以下の通りです。
- 相手方の合意を得て行う別居
- すでに婚姻関係が破綻したうえでの別居
- DVやモラハラを理由とする別居
上記のような理由で別居する場合には、同居義務違反にならず、離婚調停で不利になることはありません。
さらに、上記のような理由で別居をはじめ、3~5年以上などの長期間別居した場合には、離婚を成立させる離婚原因にもなりえます。
長期間の別居は離婚原因のひとつに「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条)に該当するためです。
ただし、裁判所は別居期間以外の事情も考慮するため、長期別居をしたから必ず離婚が成立するというものでもありません。
調停委員の心証
別居したからといって調停委員の心証が悪くなることは基本的にはありません。
調停委員は別居そのものを問題視しないためです。
実際、多くの夫婦が別居しながら調停を進めています。
ただし、相手の合意なく無断で家を出たり、相手を追い出したりと同居義務に違反するような態様での別居や、一方的な子の連れ去りをした場合は調停委員の印象が悪くなる可能性があります。
別居しながら離婚調停を進める際の注意点
別居しながら離婚調停を進める際には以下の点に注意すべきです。
婚姻費用の請求
別居中でも、収入の少ない側は婚姻費用(生活費)を請求できます。
婚姻費用は、相手に請求した時点からしか受け取れないのが原則です。
別居した時点に遡って請求することはできないため、別居を開始したらすぐに請求することをおすすめします。
住民票の移動
長期の別居を予定している場合は住民票を移すことが望ましいです。
住民票を移さないと、役所からの通知を受領できなかったり、児童手当の受給者変更や子どもの転校がスムーズにできなかったりするためです。
別居中の恋愛
別居中の恋愛は避ける方が無難です。
離婚調停中に別居中の恋愛が発覚すると、不貞行為をしたとして離婚請求が認められなくなったり、慰謝料を払うことになったりする可能性があります。
まとめ
離婚問題に精通した弁護士に依頼すれば、調停の対応のみならず、別居の準備や別居後についても相談できます。
別居を検討されている方は、当事務所までご相談ください。
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