オンラインゲーム不倫のボーダーラインとクロの時の慰謝料請求方法

「夫(妻)がオンラインゲームで知り合った人と不倫をしているかもしれない」。
ゲームで知り合い交友関係が広がることがあたりまえの時代になっており、ゲームがきっかけで不倫に発展することもあります。
もし、夫(妻)のオンラインゲーム不倫を疑っているなら、不倫になるケースや証拠を入手する方法、慰謝料請求についてなどを把握し、適切に対応していきましょう。
ここでは、不倫の慰謝料トラブルに精通した弁護士が、オンラインゲーム不倫について解説します。
目次
オンラインゲームは不倫のきっかけになることも
ゲームをやらない人からしてみれば「オンラインゲームで知り合った、どこの誰ともわからない相手と不倫なんて…」と思うかもしれません。しかし、オンラインゲームがきっかけで知り合った異性と不倫関係に発展することは決して珍しい話ではありません。
今のゲームはチャットや通話機能を使ってコミュニケーションを取れますし、協力してミッションをクリアしていくゲームでは、何度も一緒にプレイすることで、会ったことがなくても信頼関係が芽生えることや、好意を抱くことがあります。
そして、実際に会った際もゲームの話で盛り上がって距離が縮まりやすく、会う前から好意を抱いていれば、深い関係に発展するまで時間を必要としません。
「オンラインゲームは不倫に発展しやすい」と言えるものではなく、あくまで一部のケースに限られますが、オンラインゲームがきっかけで不倫が始まることは、あり得ない話ではないでしょう。
オンラインゲーム不倫になるケース・ならないケース
オンラインゲームで夫(妻)に親密な関係の異性ができて不倫を疑っているなら、まずは法的に不倫と認められるボーダーラインを把握しましょう。
ゲームをするだけの関係であれば不倫にはならない
ゲームをしているだけであれば、不倫にはなりません。
たとえば、あなたの夫(妻)が特定の異性とオンラインゲーム上で親密な関係になり、毎晩のように約束して一緒にオンラインゲームをしていたとしても、それだけで不倫と認められる可能性は極めて低いでしょう。
実際に会うだけでは不倫にならない
オンラインゲームをしている仲間とオフ会などで会うこともあります。1対1で会うことも、複数名で会うこともあると思いますが、どちらの場合も食事や会話をしていただけであれば不倫に該当する可能性は低いです。
オンラインゲーム不倫に限らず、「夫(妻)が特定の異性と会っている」というだけでは、基本的には不倫とは認められません。
肉体関係を持っていると不倫になる
オンラインゲームで知り合った異性と会い、肉体関係を持った場合は不倫に該当します。
不倫のボーダーラインは肉体関係の有無であるからです。
夫(妻)が他の異性と1度でも肉体関係を持っていたら、不倫と認められる可能性があります。
オンラインゲーム不倫で証拠を手に入れる方法
オンラインゲームで知り合った相手と不倫していることを証明するためには証拠が必要です。
証拠なしで「不倫をしているだろう」と問い詰めても、「ゲーム友達で仲良くしているだけ」と言われて否定されてしまうことが考えられます。
不倫を疑っているなら証拠を入手して夫(妻)や不倫相手が言い逃れできないようにする必要があります。
ここでは、オンラインゲーム不倫ならではの方法も交えながら、不倫の証拠を入手する方法を紹介します。
なお、不倫の証拠について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
一緒にオンラインゲームをプレイする
オンラインゲーム不倫を疑っているなら、「自分も一緒にゲームをしたい」と言ってみてはいかがでしょうか?
もし、本当に不倫をしているなら、夫(妻)は同じゲームで配偶者と不倫相手が一緒になることを嫌がるでしょうし、チャットなどでの不倫相手とのやり取りを見られることも嫌なはずです。
反対を言えば、何もためらいなくOKしてくれるなら、やましいことはない可能性があります。
不倫の有力な証拠を入手できる方法ではありませんが、不倫している可能性を探るために、聞いてみても良いかもしれません。
SNSをチェックする
夫(妻)や不倫相手のSNSをチェックすることで、証拠が見つかることもあります。
特に夫(妻)がオンラインゲーム用のSNSアカウントを持っている場合は、そのアカウントの投稿やフォロワーをチェックしてみましょう。
不倫相手もSNSアカウントを持っている場合、夫(妻)が同じような投稿をしている可能性もありますし、不倫相手のアカウントがわからなくても、夫(妻)のフォロワーをチェックすることで見つけることができるかもしれません。
決定的な証拠が見るかる可能性は低いかもしれませんが、自分のスマホからチェックできるので、夫(妻)にバレるリスクもありません。
夫(妻)のスマホ・PCをチェックする
夫(妻)のスマホ・PCをチェックすることで、不倫の証拠が見つかる可能性があります。
オンラインゲームを趣味としている場合、通話しながらプレイすることが多いため、LINEやDiscordなどのような通話機能が搭載されているアプリを利用することが一般的です。
また、LINEやDiscordはデスクトップ版もあるため、スマホだけでなく、夫(妻)がゲームで使用しているPCも確認することをおすすめします。
メッセージのやり取りは、日常的なやり取りだけでは不倫の証拠としては弱いです。
デートの約束や肉体関係がわかるものなど、不倫を連想させるやり取りがあると有力な証拠になります。
「オフ会」などの用語で検索をかけると、より不倫の証拠を見つけやすくなります。
証拠をもとに自白させる
証拠なしで不倫を問いただしても否定されてしまいますが、不倫を疑うことができる証拠をいくつか用意した上で夫(妻)を問いただせば、不倫を自白させることができる可能性があります。
録音・録画をして夫(妻)の自白を残すことができれば、不倫の強力な証拠になるでしょう。
探偵に浮気調査を依頼する
ここまで紹介してきた方法で不倫の証拠を入手できないのであれば、探偵に浮気調査を依頼するのも方法の一つです。費用がかかりますが、浮気調査を依頼することで、ホテルに出入りする写真など、不倫の決定的な証拠を入手できる可能性があります。
勝手にオンラインゲームにログインするのはリスクあり
「夫(妻)のオンラインゲームにログインをすれば、不倫相手とのチャットのやり取りなどがみれるかもしれない」と考える方もいるでしょう。
ただし、この行為はリスクがあるため、不倫の証拠を入手する方法としてはおすすめできません。
夫婦とはいえ、勝手に他人のゲームなどにログインをして操作をしたり、ゲーム内の情報を確認したりすることは「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」という法律に違反する可能性があります。
場合によっては刑事罰に問われてしまう恐れもあるので、ご注意ください。
また、ログイン情報などから、ゲームに勝手にログインしたことがバレてしまう可能性もあります。
不倫が事実なら、慰謝料請求が可能
不倫がクロで証拠を入手したら、夫(妻)または不倫相手に対して慰謝料を請求することができます。
離婚しない場合は不倫相手に慰謝料請求
不倫が原因で離婚する場合は、夫(妻)、不倫相手のどちらに慰謝料を請求しても問題ありません。
一方で、離婚しない場合は基本的に不倫相手に対して慰謝料を請求することが多いです。
離婚せずに夫(妻)に慰謝料を請求しても、家計が同一の場合には夫婦間でお金が移動するだけで経済的なメリットがないからです。
慰謝料の相場は50万円〜300万円
不倫の慰謝料は、離婚しない場合、別居する場合、離婚する場合など、不倫によって婚姻関係にどのような影響が出たかなどによって慰謝料の金額が以下のように変わります。
また、離婚の有無以外では、不倫の回数や期間、子どもの有無、夫(妻)の年収など、さまざまな事情を加味した上で慰謝料の金額が決まります。
慰謝料の金額の決まり方については、下記の記事をご参考ください。
慰謝料請求は弁護士に任せることができる
慰謝料請求できると言われても、どのように進めれば良いかわからない方もいるでしょう。
「慰謝料請求したいけれど自分ではできない」という方は弁護士にご相談ください。
不倫の慰謝料請求は弁護士に任せることが可能です。弁護士に依頼すれば、不倫相手との交渉などはすべて弁護士が行うため、依頼した方は結果の報告を待つだけでOK。ご自身で対応するよりも負担が少なく、慰謝料獲得の見込みも高まります。
弁護士に依頼するメリットや、相談の流れなどは下記の記事で解説していますので、弁護士への依頼を検討している方はご確認ください。
オンラインゲーム不倫特有の慰謝料請求が難しくなるケース
不倫がクロで証拠も揃っていれば慰謝料が支払われる可能性が高いです。
ただし、以下のようなケースでは証拠まで揃っていても慰謝料請求できないこともあります。
不倫相手の本名・住所等がわからない
オンラインゲームでの交友関係は、「ハンドルネームは知っているけど本名は知らない」「どこに住んでいてどんな仕事をしている人なのか知らない」ということも珍しくありません。
そのため、不倫の回数が少ないケースでは、お互いの素性を詳しく知らず、繋がっているのはゲーム上とLINEのみということもあります。
この場合、不倫相手への慰謝料請求がわからないため難しくなる可能性があります。バレたことを知った不倫相手がLINEやSNSのアカウントを消去したり、ゲームに一切ログインしなくなったりすると、どこの誰に請求すれば良いのかわからず、慰謝料請求ができないこともあるでしょう。
夫(妻)が既婚者であることを隠していた
お互いの素性を詳しく知らないため、夫(妻)が既婚者であることを隠したまま不倫相手と関係を持っているケースも時々あります。
この場合も不倫相手に慰謝料請求できないことがあります。
肉体関係を持った相手が既婚者だということを知らなかったのであれば、不倫相手には不倫の責任を問うことはできないからです。
ただし、継続的に不倫をしていたケースでは、夫(妻)が既婚者出あることを隠していても、「既婚者だと気が付けたはず」として慰謝料請求できる場合もあります。
まとめ
オンラインゲームがきっかけの不倫について、不倫にあたるケースや不倫の証拠の掴み方、慰謝料の請求などを解説してきました。
オンラインゲームのような非日常的な場所で出会い、男女が親密な関係になることも決して珍しいことではありません。今、夫(妻)の不倫を疑っているなら、まずは証拠を探すことからはじめてみてはいかがでしょうか?
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