キスは不倫にならない⁈どこからが不倫になり、慰謝料請求はどこから可能?

「不倫」とは、一般的に既婚者が異性と関係を持ったときに使用されます。
法的には不倫ではなく「不貞」という言葉が使用されるのですが、この記事では不倫と不貞を同じ意として使用します。

もう1つ、「浮気」は既婚を問わず使用されることが多いです。“浮ついた気”と書くくらいですから、異性に気持ちを持つだけで浮気だ!という意見の方もいらっしゃいますよね。

このように「不倫だ!」「浮気だ!」と一言では言っても、そのラインは人によって違います。
内緒で2人で食事に行ったら、手を繋いだら、ハグをしたらなど様々な意見を耳にすることも多いでしょう。

そこでここでは「法的には、どこからが不倫なのか」について、また併せて「どこから慰謝料請求できるのか」について解説していきます。

どこからが不倫?法的には、配偶者以外の異性と肉体関係を持ったとき


「どこからが不倫になるのか?」この疑問に法的にお答えすると、配偶者以外の異性と肉体関係を持ったときです。肉体関係とは性交渉のことを指します。
つまり、不倫を証明するには肉体関係があったとわかる証拠が必要になります。法的な不倫のラインは意外と厳しいですよね。

それでは肉体関係があったことを証明できる証拠や行為には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか?
ここからは不倫になり得る様々な行為ごとに、以下について解説していきます。

・不倫になるのは詳細にどんな行為をした場合か
・不倫(肉体関係があったこと)を証明できる証拠・できない証拠

2人で食事や手を繋ぐことやハグやキスは不倫にはならない LINEなどでのやりとりや宿泊は不倫とは言い切れない 肉体関係は不倫になる

2人きりでの食事(不倫にはならない)

2人きりでの食事やデートは不倫にはなりません。
例えば、特定の人と何度も会っていても、配偶者に内緒で会っていても、高額なプレゼントをしたり誕生日などの特別な日一緒に過ごしていたとしても、肉体関係がなければ2人きりで食事やデートをしていること自体は不倫にはなりません。

手を繋ぐこと、ハグやキス(不倫にはならない)

不倫の定義である肉体関係とは性交渉のことを指すため、手を繋ぐことやハグやキスでさえ不倫にはなりません。キスまで来ると一般的に不倫だと感じるような域ではありますが、法的には不倫にはならないのです。これらの行為を目撃したり友人から聞いたとしても、残念ながら不倫の証拠にはなりません。

LINEなどでのやりとり(ケースバイケース)

LINEなどでのやりとりは、内容によっては不倫になる場合があります。

2人きりで会う約束や「好きだよ」「会いたい」など、ただの親しいやりとりでは不倫にはなりません。
やりとりで不倫になるのは「気持ちよかったね」「今日のラブホテル良かったね、またあそこでしよう」などのように、やはり肉体関係があったことがわかる内容だった場合です。

また、ラブホテルでの裸のツーショットや行為中に撮影したものなどのように肉体関係があったことがわかる写真や動画が送られていた場合には不倫になります。

肉体関係を証明できないもの
・2人きりで会う約束/会ったときのツーショットなど
・「好きだよ」「会いたい」などの親しいやりとり

肉体関係を証明できるもの
・「気持ちよかったね」など行為の内容がわかるやりとり
・「あそこのラブホテル良かったね」などラブホテルで肉体関係があったことがわかるやりとり
・裸でのツーショットや行為中の写真または動画

宿泊(ケースバイケース)

旅行やラブホテル、不倫相手の家などでの宿泊は不倫になる場合があります。

短い滞在時間では不倫にはなりません。「性交渉が行えるほどの長時間、そこに滞在していた」という事実が必要です。例えばですが、ラブホテルに入っていくところの写真や相手の家を訪れたという情報だけでは不倫にはならない可能性があります。この場合ラブホテルから出てくるところも写真におさめるなど、どのくらいの時間そこに滞在していたのかがわかる内容でなければいけません。
また、宿泊したのはラブホテルなのかビジネスホテルなのか、一緒に入ったのか別々に入ったのかなどでも不倫になるかどうかが変わってきます。

宿泊をしたという事実だけでは不倫にはならないと判断された場合でも、宿泊した日に肉体関係があったことが伺える内容のやりとり・写真などがあれば、複数の証拠を提示することで不倫になる可能性がありますので、スマホの中身なども確認することが大切です。

宿泊に関してはケースバイケースであり証明できる・できないとは言い切れないため、あくまで可能性があるものとしてご紹介します。

肉体関係を証明できない可能性があるもの
・滞在時間が短時間だとわかるもの
・滞在時間がわからないもの

肉体関係を証明できる可能性があるもの
・滞在時間が長時間だとわかるもの
・旅先で宿泊したホテルの領収書/レシートやクレジット明細 (※)
(※他の証拠(SNSやメール等)と併せることで立証できる場合があります。)

肉体関係があったと証明できれば慰謝料請求できる


不倫の証明だけでなく不倫によって慰謝料請求するためにも、肉体関係があったことを証明することが必要になります。前述したような「肉体関係を証明できるもの」がある場合には、慰謝料請求の際に多数のメリットがあります。

慰謝料請求がスムーズにしやすい

肉体関係があったと証明できる証拠があると、一目で不倫だと判断できるため慰謝料請求がしやすく、不倫をした本人は認めるしかないためにすぐに支払ってくれることが見込めます。

慰謝料が高くなりやすい

肉体関係があったと証明できる証拠があると、受け取れる慰謝料が高くなりやすいです。

不倫の慰謝料の相場は、一般的に50万円~300万円の範囲内で「不倫によって夫婦関係をどうするか」によって金額が変わります。また、婚姻期間や不倫の期間・回数などによっても金額が変わりますが、その中の1つに肉体関係があったと証明できる証拠の有無があります。

婚姻関係を続ける場合50万円~100万円 不倫が原因で別居する場合100万円~200万円 不倫が原因で離婚する場合200万円~300万円

▼より詳細な不倫の慰謝料についてはこちらをご覧ください

 

3.肉体関係が証明できないときに慰謝料請求する方法


ここまでで肉体関係を証明できる証拠・行為をご紹介しましたが、証拠を集めるにはリスクもありますし、簡単に入手できるものではありませんよね。そんなとき、長年を共にした配偶者を見て不倫していることはほぼ確定だというのに、肉体関係があったかどうかを証明できないだけで慰謝料請求できないなんて納得ができません。
そのような場合には、配偶者に不倫したことを認めてもらうことで、慰謝料請求しましょう。

夫または妻に不倫を自白させる

最終手段にはなりますが、夫または妻に不倫と思わしき証拠を提示して「不倫をした」と認めた場合には、慰謝料請求できます。その際、あとから言い逃れや意見を変えられてしまわないよう、必ず自白したことを録音や一筆してもらうなどして残しておきましょう。ほとんどの方は不倫の定義が肉体関係の有無であるとは知らずに、証拠を提示されたら「バレてしまった…!」と焦って認めるでしょう。

難しいのは、不倫を頑なに認めない場合です。このような場合は前述したように再度肉体関係を証明できるような証拠を集めたり、他に慰謝料請求できるような要素がないかを探していくことになります。
すでに離婚を考えていたり、慰謝料についての争いが長引いている場合には早めに弁護士に相談しましょう。弁護士は、証拠集めの段階から相談に乗ってくれる他、専門家の目線でアドバイスをしてくれます。また、不倫に関しては男女問題に強い弁護士に相談することがおすすめです。

まとめ

不倫と判断される基準は「肉体関係があったかどうか」です。
また不倫に対する慰謝料請求の際も「肉体関係があったかどうか」は慰謝料額を左右するほど重要なものです。

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