【浮気の証拠の見本付き】弁護士が教える、浮気の慰謝料請求に有利な証拠の見つけ方
浮気の慰謝料請求には欠かせない「証拠」。
ネット上で「浮気 証拠」と検索すると、慰謝料請求に使うことができる証拠の例がいくつも出てきます。
しかし、そこに紹介されている証拠であれば何でもいいのか?と言われるとそうではありません。
例えば、次のような証拠をお持ちいただいて「これで相手から慰謝料を請求できますか?」と聞かれたら、私たち弁護士は「うーーーーーーん…これだとちょっと…」とお答えする可能性が高いでしょう。
実は、証拠にも有力なものになりやすいものと、そうではないものがあります。
慰謝料を払ってもらうためには「肉体関係」を証明する必要があります。
すでに証拠集めを開始している方であれば「LINEの画面」ひとつとっても、どんな会話ならOKなのか、証拠にならない会話はあるのか、保存方法はどうしたらいいのか、いろんな疑問が浮かんでくるのではないでしょうか。
今回は、不貞行為の慰謝料を獲得するために有力な証拠をテーマに、私たち弁護士が「これなら勝てるはず!」と考える証拠の例をご紹介します。
私たちがこれまで受けたご相談や、過去に行った交渉の成功度、事務所内でどういった証拠が良いかを検討した内容等から、「こちらに有利でスムーズな交渉がしやすい証拠」や、逆に「これだと不貞の証明は難しい」と感じたポイントをまとめてチェックリストにしてみました。
ダウンロードできるA4版もご用意していますので、ご自身で証拠を集める場合の参考にしてみてください。
浮気の証拠の有力度チェックリスト
単体でも有力な証拠となり得るもの
探偵の調査報告書 | |
---|---|
自白を含む音声データ | 【音声データの内容】 □肉体関係を認める発言が含まれている【音声データの保存方法】 □前後の会話が切り取られていないオリジナルデータを残している |
肉体関係があったと推測できる写真や動画 | 【有力度の高い証拠例】 □ラブホテルに出入りする瞬間 □旅行など長時間2人で滞在していると推測できる場面 □早朝に相手の家から出てくる場面【有力な証拠とはいえない例(※)】 □2人でレストランで食事をしている場面 □2人で手をつないで歩いている場面 ※ただし、他の証拠とあわせることで有力度が上がる場合もあるので、破棄せず保管しておくとよい。 |
肉体関係があったと推測できるチャットやメールの画面 | 【あなたとの会話の場合】 □あなたに対して、浮気相手との性行為の存在を認める発言をしている【浮気相手との会話の場合】 □性行為に言及している □会話の内容から性行為があったことがわかる 【会話やメールの保存方法】 |
複数併せることで有力な証拠となり得るもの
ラブホテルのレシート、もしくはクレジット明細 | × | □浮気相手もしくはパートナーのSNS □浮気相手と一緒にいたことが推測できるチャットの会話 |
---|---|---|
浮気相手、もしくはパートナーのSNSの投稿 | × | □もう片方の同日のSNSの投稿 □家族で共有しているカレンダー □プレゼントなどを購入していると推測できるクレジットカードの明細 |
肉体関係までは推測しきれないチャットやメールの会話 | × | □チャットと同日のSNSの投稿 □ホテルのレシート、もしくはクレジットの明細 |
単体でも有力な証拠となり得るもの
浮気の証拠として有利になりやすいものの代表的なものに次のものがあります。
肉体関係があったと推測できる写真や動画
肉体関係があったと推測できるチャットやメールの画面
そして、これらの証拠でポイントとなるのは、次の点です。
- 誰から見ても(肉体関係)不貞行為があったと推測ができる
- 捏造や改ざんをされていないデータだと推測できる
- 時系列で何が起きたかがわかる
まず1つめの不貞行為の有無は、慰謝料を請求する上で大前提となります。これがなければそもそも慰謝料をもらうことはできません。
そして、最近は無料でも本物のチャット画面にそっくりな画像を作ることができるアプリなどが増えてきているため、例えばメッセージアプリのスクリーンショットの場合、その画像が作られたものかどうかを判断するのは難しくなってきました。
そのため、作られた画像ではないことがわかるような画像や動画は、証拠としての信頼度が高まります。
最後に、時系列で何が起きたかがわかるようにするのは、浮気の慰謝料額を決定する上で、不貞の期間や頻度も重要な要素となるためです。
一般的に、浮気を原因とする慰謝料額の相場は、数十万円~300万円の間と言われています。長期にわたって不貞が行われていたり、不貞の回数が多かったりすると、慰謝料額は相場の中でも高い金額で認められる傾向にあります。
そのため、不貞の期間や回数がわかる証拠は重要となります。
ここからは、冒頭のチェックリストに沿って、それぞれの証拠でどのようなことが証明できるのか、証拠ごとの注意点などをご紹介します。
探偵の調査報告書
浮気の有力な証拠として代表的なのが、探偵の報告書です。
有力と言われる理由は、調査報告の中に、ラブホテルに出入りしている瞬間の画像や映像、ホテルや浮気相手の家の滞在時間などを含んだ行動記録が作成されることが多いためです。これらの証拠があれば、誰が見ても不貞行為があったと推測しやすく、相手は言い逃れをすることができません。
逆に、こういった内容が含まれていない報告書だと有力度は下がってしまい、裁判でも浮気を証明できないと判断されてしまう可能性があります。
浮気を証明できないと判断されてしまうと、もらえる慰謝料額が減る可能性や、そもそも慰謝料がもらえないおそれがあります。
具体的には、次のような証拠は、証拠としての有力度は低くなり、浮気を証明できないと言われる可能性があります。
- 被写体の顔がはっきりうつっていない
- 写真・動画がぼけていて場所などが分かりづらい
- 写真・動画の撮影日時が分からない
- 報告書の文章があいまいで、内容が分かりづらい
- 行動記録があいまいで、日時・場所・滞在時間などがはっきりしない
- レストランで食事をしているだけなど、肉体関係が推測できるものがない
有力な証拠をつかむことができるかについては、調査期間中の対象者の行動や、探偵の腕にもよるため、探偵に依頼すれば必ず決定的な証拠が得られるとは限りません。探偵に依頼する場合は、その点も頭の隅に置いて依頼するようにしましょう。
自白を含む音声データ
相手が性的関係を認めている発言をしている音声データは、誰から見ても不貞行為があったと推測ができるため、有利な証拠となります。
たとえば、パートナーとの話し合いの様子を収めた音声や、浮気相手との電話でのやり取りを録音した音声などがこれに当てはまります。
音声データを証拠とする場合の注意点として、データは録音したときのままのものを保管しておきましょう。
自白部分だけを提示した場合、発言を強制されていないか、前後の会話は実は違う内容だったのではないか等が分からないため、証拠として有利にならなくなってしまう可能性があります。全部を残しておくことで、捏造や改ざんされていないデータだと推測できる証拠にもなります。
肉体関係があったと推測できる写真や動画
たとえば、ラブホテルに出入りしている写真や動画は2人の間に肉体関係があったことを推測しやすいので、有力度が高くなります。この時、ホテルに入る場面だけでなく、ホテルから出てくる場面もあるとより効果的です。
しかし、このような証拠をご自身で得ることは難易度が高く、また配偶者であっても、相手を尾行したりすることはこの後にご紹介する「違法な方法で集めた証拠」に該当し、あなたが住居侵入罪や不正アクセス防止法違反、ストーカー規制法違反などの刑事罰が科されてしまう危険性や、刑事罰にはならなくても、民事でプライバシー権を侵害したとして逆に慰謝料を請求されてしまう危険性があります。
もし、「この日はおそらく浮気相手と会っているだろう」という日が分かっていても、自分ひとりで行動を起こすのではなく、弁護士に相談したり、探偵に調査を依頼したりするようにしましょう。
また、浮気相手の家に長時間滞在していたことがわかるもの、浮気相手と2人きりで宿泊を伴い旅行をしていたことがわかるものなども、肉体関係があったことを推認しやすいので、証拠としての有力度は高めです。
ただし、これらは単体で証明できるものはなかなかないと思いますので、探偵に依頼したり、この後ご紹介する複数の証拠を合わせて有力度を高める例のように証明したりしていくことが一般的でしょう。
これらの証拠の注意点は、先ほどの探偵の報告書と同様に、画像や映像がぼけていないことや、被写体の顔がわかるように撮影されていること、そして撮影日時がわかるようになっていることです。
肉体関係があったと推測できるチャットやメールの画面
パートナーと浮気相手のチャットやメッセージ、メールの画面に肉体関係があったと推測できる発言がある場合や、あなたとの会話の中で、浮気相手との肉体関係に言及しているものなどは、証拠として有力になります。
まず、あなたとの会話の中で関係に言及している場面があれば、いつのやりとりかわかるようにスクリーンショットに残しておきましょう。
そして、もしパートナーと浮気相手のチャットを撮影するならば、相手のスマホもうつした動画で撮影することをお勧めします。
なぜかというと、理由は2つあります。1つはパートナーと浮気相手の会話で、肉体関係に言及しているものがあったとしても、その部分1か所だけを撮影したものだと、不貞の回数や期間が分かりにくいことです。不貞行為を原因とする慰謝料請求は、期間や頻度なども重要視されます。会話の一部分だけを撮影したものだと慰謝料額の交渉する際に「この1回だけだった」などの弁解ができてしまうため、あまり高い金額をもらうことが期待できなくなってしまうのです。
そして2つめは、データの捏造や改ざんをしていない信頼度の高い証拠にするためです。この後にも詳しくご紹介しますが、最近ではチャットやメッセージアプリの画面にそっくりな画像をつくることができるソフトもあります。
そのため、あまりにもきれいな他人同士の会話の画面のスクリーンショットは、作られたものなのか、本当にあった会話なのか見わけがつかないケースがあります。
本物か偽物かわからないとなったら、相手から「これは偽物の画像だ」と言われてしまう可能性も高くなりますので、交渉が難航したり、もらえる慰謝料額が少なくなったりすることも考えられます。
もちろん、映像が荒くて内容が読み取れないのでは意味がなくなってしまうのですが、これらの理由から、他人同士のチャットやメッセージの画面は、スマホごとうつした動画で撮影することをお勧めします。
複数併せることで有力な証拠となり得るもの
ここまで、単体で有力な証拠となり得るものをご紹介しましたが、これらの証拠はなかなか手に入るものではありません。
その場合は、「それ1つだけでは不貞行為が証明できないけれど、他のものと併せていくと不貞があったことが推測できるもの」を積み重ねて、相手の不貞を証明していきます。
言葉で聞くと、なんだかややこしいですね。ですが、難しいことではありません。
何をすればよいかというと「怪しいと思ったものをこまめに集めておく」だけです。
その場では「これじゃあダメかな」と思われるものでも、後から他の証拠が出てきたときに効果を発揮することも考えられます。まずは、捨てずにとっておくようにしましょう。
一例としてチェックリストにも載せた次のような組み合わせなどが挙げられます。
ラブホテルのレシート、もしくはクレジット明細 | × | □浮気相手もしくはパートナーのSNS □浮気相手と一緒にいたことが推測できるチャットの会話 |
---|---|---|
浮気相手、もしくはパートナーのSNSの投稿 | × | □もう片方の同日のSNSの投稿 □家族で共有しているカレンダー □プレゼントなどを購入していると推測できるクレジットカードの明細 |
肉体関係までは推測しきれないチャットやメールの会話 | × | □チャットと同日のSNSの投稿 □ホテルのレシート、もしくはクレジットの明細 |
ただし、これらはあくまで一例です。
そしてこれらの証拠の注意点として、どれか1組だけでは不貞があったと言い切るのは難しいので、複数の組み合わせが必要です。
ここにない組み合わせでも有力な証拠となるものはありますので、せっかく集めた証拠は捨ててしまわないようにしてくださいね。
ここからは、それぞれの証拠が、具体的にどういったところで有力度が上がるのかご紹介していきます。
ラブホテルのレシート、もしくはクレジット明細
ラブホテルのレシートが出てきたら、それはもうクロなのでは?と言いたいところなのですが、残念ながらこれだけではそうとは言い切れません。
「酔った同僚を介抱していた」「終電を逃して同性の友人と一緒にいた」のような弁解の余地がないわけでもないからです。
そのため、当日のパートナーと浮気相手の行動がわかるようなものと組み合わせて、まずそのレシートがパートナーと浮気相手が一緒にいたものであることを証明していく必要があります。
例えば、浮気相手とパートナーのSNSに一緒にいるとわかる場面の写真がアップされていたら、投稿日時や場所などが分かりるように保存をしておきましょう。
他にも、レシートと同日のふたりのチャットの会話から、一緒にいたことがうかがえるものも取っておくと良いでしょう。また探偵に調査依頼をしている場合は、報告書と同じ日のレシートがあれば一気に有力度が高まります。
何度もホテルに一緒にいることなどが分かれば、より言い逃れはできなくなりますので、複数見かけたら、それらすべて保管しておくようにしましょう。
浮気相手、もしくはパートナーのSNSの投稿
浮気相手のSNSの投稿にパートナーらしき人が写りこんでいることから、浮気が発覚するケースも少なくありません。
しかし、SNSの写真にそれっぽい人が写りこんでいるだけでは、やはり不貞があったとは言い切れません。
SNS投稿の場合、その投稿内容にもよりますが、恋人と旅行に来ているといった内容の投稿にパートナーが写りこんでいるのであれば、不倫旅行である可能性があります。
そういった場合は、たとえば家族で共有しているカレンダーの同日の予定に「出張」などと記載がないか確認してみましょう。
また、もう片方のSNSに、同様の投稿があるケースもあります。ふたりで同じような投稿をしている場合、一緒にいる可能性がぐっと高まりますので、不倫旅行の有力度が増します。
その他にも、プレゼントをもらったという投稿内容と、同じ店で商品を購入したクレジットの明細の組み合わせなども考えられます。
直接不貞を証明できるものではありませんが、パートナーと浮気相手が密接な関係にあることを示す証拠になり得ますので、こういったものも、見かけたら捨てずにとっておきましょう。
肉体関係までは推測しきれないチャットやメールの会話
「昨日はとても楽しかったです♡」や「次はいつ会えますか?」といった内容の会話は、見るからにとても怪しいのですが、やはりそれだけでは不貞があったとは言い切れません。
有力な証拠として認められない証拠の例
次の紹介する3つの証拠は、どれだけ苦労して証拠を得たとしても、不貞を証明できないものや、証拠として認められない可能性が高くなります。
- 不貞につながらないもの
- 捏造・改ざんされたもの
- 違法な方法で集めたもの
おそらく、項目を見ただけでなんとなくイメージができそうなものばかりなのではないかと思いますが、実際、弁護士にご相談いただく際にお持ちいただく証拠には、不貞を証明するのは難しいものや、内容の一部分だけが切り取られていて全体が把握できず、証拠としての説得力に欠けるものなど、相手と交渉するにはちょっと難しいものも多くあります。
浮気の証拠は、集める側にとって気持ちの良いものではなく、本当なら見たくもないものでしょう。それだけの精神力や時間、手間をかけて集めるものですから、せっかく集めた証拠が「これではちょっと…」とならないために、ぜひ今ご紹介した3つのことに注意してください。
ここからは、この3つの認められない例に当てはまる証拠はどんなものなのか具体的にご紹介していきます。
不貞につながらないもの
パートナーと浮気相手がふたりきりで食事をしている場面の画像や、浮気相手のSNSにパートナーが写ってはいるけれどふたりきりではないと思われるもの、「昨日はありがとうございました。また会いたいです!」といった内容のチャットやメッセージなどがこれに当てはまります。
特に多いと感じるのが、メッセージアプリのスクリーンショットで、「また会いたい」「次いつ会える?」といった内容の会話の部分をお持ちいただくケースです。
確かに、浮気を疑うには十分な理由になると思いますが、残念ながらこれだけでは不貞行為の証明にはならず、弁護士としてもこれを武器に交渉をするのは難しいと言わざるを得ません。
ただ、直接不貞につながらないものでも、いくつもの証拠を組み合わせることで不貞関係にあったと立証していくことが可能になっていきますので、捨てずにとっておきましょう。
捏造・改ざんされたもの
意図的に作られた画像や映像、脅されて言わされているのではないかと見受けられるものは、証拠として有力とはなりません。それどころか、裁判では証拠として認められない可能性があります。
チャットの画面は、使うアプリによっては浮気相手とパートナーを装った会話の画面を自作自演することができてしまいます。次の画像は、当事務所で用意したサンプル画像です。
さらに近年は、チャット画面にそっくりな画像を作ることができるソフトもたくさんあり、専門的な知識がなくても画像が作れるようになってきました。
そうなると、例えば浮気相手とパートナーの会話のスクリーンショットを装った画像も作ることができてしまうのです。
実は、最初に紹介した画像も、当事務所で用意したサンプル画像です。
いかがでしょうか?
一見すると、浮気相手とパートナーの会話に見えます。
しかし、これらはすべて架空の会話です。
もし、これらが偽物だと証明されてしまうと、逆にあなたが責任を問われる立場になりかねませんし、そもそもないものを証明することはとても難しいことですから、これの真偽をめぐって争いになり、交渉が余計に長引くリスクも考えられます。
どれだけ頭に来ていても、画像の捏造は絶対にやめましょう。
次に、相手の自白を録音する場合、相手に強制的に浮気を認める発言をさせることはしてはいけません。
相手から、強制されて言わされたと主張をされれば、あなたが脅迫罪や強要罪などの罪に問われてしまう可能性があるためです。
また、録音したデータは、浮気を認めている部分だけ証拠として使用した場合、前後の文脈がどうなっているのか、強制的に言わされているのではないかなどが分からないため、特に裁判となった場合、録音した会話の全部を出してほしいと言われる可能性もあります。
自分に有利なところだけを切り取って使用するのはリスクが高いのでやめましょう。
違法な方法で集めたもの
民事訴訟の場合、提出できる証拠に制限はありません。しかし、違法な方法で集めた証拠は、裁判となった場合その証拠能力そのものを否定される可能性があります。
実際に裁判では、取得した証拠の違法性について争われることも多く、内容によって判決も分かれます。
もし、違法に収集したと認められれば、証拠として認められないだけでなく、あなたが罪に問われてしまう可能性もあります。
例として、違法な方法で取得したと判断される可能性が高い代表的なものをまとめました。
収集方法 | どんな罪に問われるか |
---|---|
・スマートフォンやPCのロックを勝手に解除して中身を見る ・監視アプリなどを勝手にインストールする ・メッセージアプリやチャットの内容を勝手に復元したり、内容を転送したりする |
【不正アクセス禁止法違反】 →3年以下の懲役または100万円以下の罰金(法第11条) 【不正取得罪】 →1年以下の懲役または50万円以下の罰金 (不正アクセス禁止法第12条) 【不正指令電磁的記録供用罪】 3年以下の懲役または50万円以下の罰金 |
・別居中のパートナーの家にボイスレコーダーや盗聴器を設置する ・パートナーや浮気相手の車にGPS発信機や盗聴器などを設置する |
【住居侵入罪】 →3年以下の懲役または10万円以下の罰金(刑法第130条) |
・浮気相手に付きまとったり、張り込みをしたりする | 【ストーカー規制法違反】 →1年以下の懲役または100万円以下の罰金 |
→また、警察からの禁止命令に従わずにストーカー行為を続けた場合には、2年以下の懲役または200万円以下の罰金
※このほかに、都道府県が定める迷惑防止条例に違反する場合がある
罪に問われるもの以外にも、プライバシー権を侵害されたとして、民事訴訟で慰謝料を請求されてしまう可能性があります。
特に、スマホの中を見る行為は、裁判でも相手からプライバシー侵害を主張されやすく、交渉が長期化する要因のひとつです。
何とかして決定的な証拠をつかんでやりたいという気持ちはおかしいことではありませんが、行き過ぎた証拠集めは逆にあなたを加害者にしてしまいかねません。
ひとりで無理をせず、探偵や弁護士などの専門家に相談するようにしましょう。
証拠が手に入らない時の対処方法
自分ひとりではなかなか有力な証拠がつかめないときは、無理に証拠を集めようとしてはいけません。
なぜかというと、気が付かないうちに違法な方法をとってしまっている危険性や、あなたが証拠を集めていることをパートナーに気づかれてしまい、相手のガードが固くなってさらに証拠集めが難航してしまうリスクなどがあるためです。
では、証拠集めに困ったとき、どうしたら良いのかというと、方法として1つは「探偵に依頼する」そしてもう1つは「弁護士に相談する」の2つがあります。
それぞれ、どんな時に検討すればよいのかご紹介します。
探偵に依頼する
まず、探偵に依頼する場合です。
警察庁のホームページによると、探偵業は以下のように定義されています。
探偵業務とは、
・他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として
・面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い
・その調査の結果を当該依頼者に報告する
業務をいいます。警察庁(https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/tanteigyou/index.html)より引用
つまり、依頼した人物の居場所を調べたり、行動を調べたりすることができます。
浮気相手の連絡先や所在が分からない場合や、配偶者が浮気をしているのはほぼ確定だが、決定的な証拠がないといった場合などに依頼することが多い専門家です。
「単体でも有力な証拠となり得る例」でもご紹介した通り、調査期間中に対象者がホテルに出入りしているなどの行動があれば、調査報告の中に、ラブホテルに出入りしている瞬間の画像や映像や、ホテルや浮気相手の家の滞在時間などを含んだ行動記録が作成されますので、それだけでかなり有力な証拠となります。
探偵へ依頼する場合、費用は調査員の人数や調査期間・時間などによって異なります。
調査員1時間あたり2万円前後のところが多いようで、その他、交通費や通信費などの経費を合わせると、1日あたり10万円~15万円が相場の ようです。
弁護士に相談する
もう一つは弁護士に相談する方法です。
不倫相手に慰謝料を請求する場合は、不倫相手の本名や住所などの特定が必要です。
個人では特定が難しい情報でも、「弁護士会照会制度」などを活用して、新たな情報を収集できる可能性があります。
たとえば、不倫相手の携帯番号が分かっている場合には、弁護士会照会制度を利用すれば、不倫相手の住所や名前が特定できる可能性が高くなります。
【弁護士会照会制度とは】
弁護士会照会とは、弁護士が依頼を受けた事件について、証拠や資料を収集し、事実を調査するなど、その職務活動を円滑に行うために設けられた法律上の制度(弁護士法第23条の2)です。個々の弁護士が行うものではなく、弁護士会がその必要性と相当性について審査を行った上で照会を行う仕組みになっています。
この制度によって得られた情報・証拠によって、事実に基づいた解決ができることになり、民事司法制度を支える重要な制度として機能しています。
弁護士会照会制度(弁護士会照会制度委員会)(https://www.nichibenren.or.jp/activity/improvement/shokai.html)より引用
その他にも、弁護士は今ある証拠がどれくらい有力か、今後どのようにすればよいかなどのアドバイスを行うことができます。
交渉から解決まで、全体を見通したアドバイスやサポートを受けることができますので、「手持ちの証拠がどれくらい有力か知りたい」「どこに相談したらいいかわからない!」といったお悩みは、弁護士へご相談されることをお勧めします。
相談料は、事務所によってさまざまで、1時間あたり0円~10,000円が相場となります。
不貞慰謝料問題に積極的に取り組んでいる事務所の場合、無料で相談を受けてくれることが多いので、相談先を探すひとつの目安にしても良いでしょう。
まとめ
浮気の証拠は様々なものが対象になりますが、有力な証拠には共通点があります。
まず、今回ご紹介した浮気の証拠として、単体で有力な証拠となり得る代表的なものは次の3種類です。
肉体関係があったと推測できる写真や動画
肉体関係があったと推測できるチャットやメールの画面
また、上記のように単体では肉体関係を証明できないものでも、複数組み合わせることによって、不貞を証明していくこともできますので、せっかく集めたけどこれは使えないかも、と自己判断で捨ててしまわないようにしましょう。
もし、証拠集めに困ったら、自分ひとりで何とかしようとせずに、専門家にご相談ください。
「全然証拠が集まらない」といった時には探偵へ。
そして、「相手の情報がわからない」「今ある証拠が有力なのかわからない」「とりあえず相談したいけどどこに行けばいいかわからない」といった時には、弁護士へご相談ください。
あなたの「かかりつけ弁護士」でありたい。
ご相談は当メディア運営の
弁護士法人AOへ!
当社では、あなたの暮らしを支える「かかりつけ弁護士」として、依頼者とのコミュニケーションを大切にしております。
トラブルを無事解決できることは、新しい生活をスタートさせる一区切りになることは間違いありません。
ご依頼者様の状況に応じた、最適な解決策をご提案させていただきます。1人で悩まずにまずは当社にご相談ください。