不倫の慰謝料は分割払いできる?分割を希望するあなたが気をつけること

不倫で慰謝料を請求されると、基本的には慰謝料を一括で支払うことを求められます。しかも請求額が高額で支払い期日まであまり時間がないことがほとんどです。

今、この記事をご覧になっている方も同じような状況で、「慰謝料を分割払いで支払えないだろうか」という思いで調べているのではないしょうか?

この記事では、不倫慰謝料を分割払いが認められるケースや分割を希望する際に気をつけることをご説明しています。相手方に分割払いを希望する前にご覧ください。

慰謝料の分割払いは相手が認めれば可能


はじめに結論をお伝えすると、不倫慰謝料の分割払いは可能です。
ただし、「請求してきた相手方が認めれば」という条件が付き、必ず分割払いにできるとは限りません。

そのため、慰謝料の分割払いを希望する方は、交渉などで相手に分割払いを提案して認めてもらう必要があります。

この際に分割払いを必ず認めてもらえる方法は存在せず、相手の感情や性格などによって結果が変わるしょう。
例えば、あなたへの怒りが強く、「分割は認めない。用意できないなら借金をしてでも一括で支払え」と分割払いを断固として拒否してくることもあるでしょう。

一方で、「慰謝料を一括で支払いできないことが理由でトラブルが長引くよりも、分割払いを認めて早く解決したい」などの理由から、慰謝料の分割払いに応じてくれるケースもあります。

また、あなたの反省の態度や対応で、相手方の決断が変わることもあります。
「反省が感じられない」「返事が遅い」など、悪い印象を与えると分割払いを認めてもらえない可能性もありますので、分割払いを認めてもらいたいなら謝罪の言葉をしっかり伝え、一つ一つ丁寧に対応しましょう。
なお、分割払いに応じてもらえない、分割払いでも慰謝料を支払えない場合は、下記の記事をご覧ください。

分割払いを希望する前に慰謝料の減額を求めた方がいい

「慰謝料が高額で一括で支払えないから分割にしてもらいたい」のであれば、慰謝料を請求されてすぐに分割払いを求めることはやめましょう。
今、相手方から請求されている慰謝料は相場より高額の可能性があり、今の金額での分割払いが決まってしまうと、必要以上の慰謝料を支払うことになる恐れがあります。
そのため、まずは請求された金額が妥当か確認し、相場以上なら減額交渉を行いましょう。

「慰謝料200万円を請求されたけど減額交渉で100万円以下になった」というケースも多く、慰謝料の減額に成功して一括払いできる金額になれば、慰謝料の支払いを分割払いにしてもらう必要もなくなるでしょう。

慰謝料を分割払いで支払うときに気をつける6つこと


ここからは、慰謝料の支払いを分割払いにしたい方が知るべき6つのことを紹介します。
分割払いは、支払いの負担を分散できるメリットがありますが、デメリットになり得ることもありますので、両方を知った上で分割払いの交渉をするかご判断ください。

分割払いだと一括払いより慰謝料が高額になる可能性がある

慰謝料の分割払いに応じる条件として相手方から「一括で払うなら80万円まで減額を認める。でも、分割払いなら100万円支払ってもらう」などと言われることがあります。
この場合、分割払いで負担を減らせる点はメリットですが、一括払いより金額が一括より増えることはデメリットです。

分割以外に支払える手段がないなら受け入れるしかありませんが、家族や知人からお金を借りれば一括で払えるなら、一括で支払ってしまった方が良い可能性があります。

分割の回数は数ヶ月から長くて1、2年程度

「分割払いは何回まで可能」といったルールはなく、回数は交渉で決めます。
慰謝料の金額にもよりますが、一般的には数ヶ月から1年、長くて2年程度の分割になるケースが多いです。

あなたとしては分割の回数を長くして無理なく支払えるようにしたいかもしれません。
しかし、不倫相手の配偶者があなたに慰謝料を請求した理由の一つに「あなたに経済的な制裁を加えたい」という気持ちがありますので、あなたが無理なく慰謝料を支払えるような分割払いだと相手方は納得しません。
そのため、相手は分割を認めたとしても、あなたに負担がかかる回数での支払いを求めてくる可能性が高いです。

滞納をしたら残額を一括払いで支払うことになる

分割払いを認めてもらうことができたら、期日通りに都度支払うことになりますが、支払い途中で「少しぐらい遅れても大丈夫だろう」といった考えを持たないようにしてください。
慰謝料の支払いを滞納すると、残額の一括払いを請求されてしまう恐れがあります。
一度信頼を失ってしまうと二度と分割に応じてもらえない可能性が高いので、決められた期日通りに最後まで支払いましょう。

違約金が設定されるので支払い逃れはNG

「分割払いにして途中で支払い逃れされたらどうしよう」と相手方は考え、慰謝料の分割払いを認める代わりに、支払い逃れをした場合の違約金が設定されることが多いです。
途中で慰謝料を支払わなくなると、数十万円から数百万円の違約金を別途請求されますので、支払い逃れをせずに最後まで支払うを続けましょう。

誓約書や公正証書に細かく記載される

慰謝料の金額、支払い期日、滞納した場合の一括払い、支払い逃れの違約金など、慰謝料の支払いや分割払いに関する取り決めは誓約書や公正証書を作成して細かく記載することが多いです。
書面に証拠として残りますので、後から支払い金額の変更を求めることは難しくなります。

また、滞納や支払い逃れをすると書面を証拠に相手方が厳しく支払いを要求してくるでしょう。
場合によっては裁判を起こされるおそれもあります。

分割払いを認めてもらったら代わりに書面に記載した内容は必ず守ると肝に命じておきましょう。

支払いが終わるまで毎月不倫を思い出す

一括払いなら支払いが終わった時点で慰謝料トラブルは終了し、不倫を反省しつつも次に進むことができます。
しかし、分割払いだと慰謝料トラブルが完全に終わるまで数ヶ月から1、2年程度の時間がかかります。
その間、支払いの度に不倫を思い出すでしょう。

毎回、後悔の気持ちを抱くかもしれません。
不倫とはいえ、本気で好きだった人のことを思い出して辛い気持ちになるかもしれません。
最後の支払いが終わるまで新しい恋愛を始めることができず、後ろ向きな気持ちで過ごすことになるかもしれません。

分割払いを希望するなら、最後の支払いが終わるまで新しいスタートを切れない可能性があることを頭に入れておきましょう。

まとめ

慰謝料の分割払いについて、分割払いが認められるケースや分割を希望する際に気をつけることをご説明しました。
最後に、この記事でお伝えしたポイントをおさらいしましょう。

・不倫相手の配偶者が認めれば分割払いは可能
・分割払いをお願いする前に慰謝料の減額交渉が優先
・分割払いは一括払いより慰謝料が高くなる可能性がある
・分割の回数は数ヶ月から2年程度
・支払いの滞納や支払い逃れは厳禁

一括では到底支払うことができない金額の慰謝料を請求された場合、交渉によって慰謝料を減額できる可能性が十分にあります。
分割払いにしてもらうことも大切ですが、まずは慰謝料の適正金額を知って減額交渉を行いましょう。
慰謝料の減額交渉や分割払いについては、弁護士に相談して対応を決めていくことが可能です。
弁護士法人AOでは、不倫の慰謝料トラブルの相談を無料で受け付けていますので、高額の慰謝料を請求されて困っている方はお早めにご連絡ください。

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