離婚や不倫における録音|正しい録音方法や注意点を解説!

離婚をしたいときや不倫を証明したいとき、写真やチャットのやりとりなどの様々な証拠が必要になりますが、その中の1つに「録音データ」があります。

録音をすること=盗聴のイメージが強く、あまり身近に感じていない方や行動に移しづらいと考える方が多いと思うのですが、きちんとした方法で録音を行えば罪に問われることはありませんし、録音データの内容によっては不倫の事実の証明や慰謝料の増額に繋がるような、とても重要な情報となり得るのです。

そこで今回は、録音の方法やポイントについて詳しくご紹介します。
録音を上手に行って、スムーズな離婚問題の解決を目指しましょう!

録音データは離婚の証拠になる

正しい方法で録音されたデータは、離婚において重要な証拠になる可能性があります。
特に以下のような場合、録音することをおすすめします。

不倫の証拠が欲しいとき

不倫とは「配偶者以外の異性と肉体関係を持つこと」です。
よって、録音データが不倫の証拠になるには「肉体関係があったことがわかるもの」である必要があります。

【肉体関係があったことがわかるもの】
・行為中の音声
・不倫相手との行為について話している音声
・配偶者が不倫を自白している音声 など

上記を手に入れることは決して容易ではありませんが、手に入った場合には慰謝料額にも影響を及ぼすほどの大きな証拠になり得ます。写真やチャットから証拠が見つからないという方は、一度試してみることをおすすめします。

DVやモラハラなど相手の有責性の証拠が欲しいとき

配偶者にDVやモラハラなどの有責性が見られる場合、録音することをおすすめします。DVやモラハラなどの証明にはメモや証言が使用されることもありますが、録音データがあれば何よりも1番わかりやすいですよね。

また、録音データからあなたがDVやモラハラに対して冷静に誠実な対応をしていることがわかれば、第三者(場合によって裁判官や調停員など)に対してあなたの印象を上げることができ、あなたの証言の信用度が高まることが期待できます。

話し合い(離婚協議)の内容を証拠として残したいとき

話し合い(離婚協議)の内容を録音することには、複数のメリットがあります。

・話し合いで決まったことがわかる
・話し合いの内容を聞き返すことができる
・自白した際にはそのまま証拠になる
・DVやモラハラなどを防ぐことができる

例えば、話し合いで「慰謝料額は100万円」と決まったとします。録音しておけば、後程「そんなことは言っていない」とシラを切られる可能性を防ぐことができます。
他にも、「結局、慰謝料額はいくらだったかな…」と記憶が曖昧になってしまったり、夫婦間で記憶に食い違いが起きてしまったときにも聞き返すことができるため、余計な揉めごとを防ぐことができます。

また、話し合い中に自白や暴言、暴行などがあった場合には、そのまま証拠として残ります。

話し合いを録音したいときには、黙って仕掛ける必要はありません。
「後で食い違って揉めたりしないように、話し合いの内容を記録しておきたいから録音させてほしい」と正直に許可を取りましょう。許可を取ることで、お互いに「録音している」という意識が生まれ、感情の高ぶりやDVやモラハラを防ぐことにも繋がります。

もし拒否されてしまったら、黙って仕掛けても良いでしょう。

犯罪になることも!録音時に注意すべきこと


録音は、一歩間違えると犯罪にもなり得るリスクのある行為ですので、どれだけ証拠が欲しいとしても、無理は禁物です。
とはいえ、正しい方法で行えば罪に問われることはありませんし、注意すべきことは難しいことではありません。以下のことに注意しながら、あなたができる範囲で行っていきましょう。

録音について不明な点がある場合は、自己判断せず、弁護士などの専門家にご相談ください。

夫婦の共有スペース以外には仕掛けない

リビングや寝室、車などの共有スペースには録音機器を仕掛けても良いのですが、たとえ自宅であっても配偶者の自室やクローゼット、バッグの中など「個人の場所・物」には仕掛けてはいけません。
プライバシーの侵害にあたる可能性があります。

別居中の配偶者の家に仕掛けない

別居中の場合、離婚前であっても配偶者の家は夫婦の共有物にはならないため、録音機器を仕掛けてはいけません。住居侵入罪やプライバシーの侵害にあたる可能性があります。

別居中の配偶者の家に呼ばれて話し合いを行う場合、許可を取って録音を行うか、自身のバッグの中などに仕掛ける必要があります。

物などを改造して仕掛けない

録音がバレないようにと、家具や家を改造して録音機器を仕掛けることは、器物損壊罪にあたる可能性があります。

録音データをSNSなどに晒さない

録音データをSNSに晒したり第三者に送ったりすることは、プライバシーの侵害にあたる可能性があります。
ショックな内容が録音されていて、何かしらの制裁を加えたくなってしまうかもしれませんが、1番の制裁は相手の非を晒し上げることではなく、録音データを証拠として提示し、慰謝料請求することです。

第三者に録音させない

あなた自身の手で自宅に録音機器を仕掛けることは犯罪にはあたりませんが、第三者である家族や友人に頼んでしまうと、盗聴や住居侵入罪にあたる可能性があります。

録音におすすめのボイスレコーダー

録音データは証拠として使用するため、音質や仕掛けやすさも重要になってきます。
ここでは、録音におすすめのボイスレコーダーをご紹介します。

値段が1万円前後のもの

値段が安すぎると品質に不安がありますし、高すぎると手を出しづらいですよね。
基準として1万円前後のものであれば、品質的に問題のないものが手に入るでしょう。

音質が良いもの

せっかく録音ができたとしても、音質が悪く音声が聞き取りづらいようでは意味がありません。
店舗へ行って確認したり、レビューを見るなど、特に音質については重視しましょう。

録音時間やバッテリーなどの質が良い

録音は、長時間仕掛けておくことが予想されます。よって、連続録音時間の長さやバッテリーの持ちの良さについては重視しましょう。連続録音時間が10時間以上のものをおすすめします。

コンパクト・隠しやすい

録音が相手にバレないためには、コンパクトである方が良いですよね。
検索するとおわかりのように、ボイスレコーダーの形状はペン型や超小物サイズなど様々ありますので、あなたが使用したい場面や仕掛けたい場所によって使いやすいものを選択してください。

その他の機能が充実しているもの

ボイスレコーダーには、セルフタイマーやVOR(音声を感知して自動録音)、ノイズキャンセリング、文字起こしなど様々な機能がついているものがあります。目的によって必要な機能・必要のない機能があると思いますので、色々なものを見てから選びましょう。

おすすめの録音設置場所


ここでは、バレないように録音を仕掛けたい方向けに、おすすめの設置場所をご紹介します。
ものや場所によっては綺麗に音を拾えないなどの問題もありますので、必ずテストを行ってください。

おすすめ場所 危険な場所
リビング 棚や小物の中
テレビの裏
衣類のポケット
テーブルの裏
ソファの下
クッションの裏など
寝室 ベッドの裏・下
棚や小物の中
衣類のポケット
ベッドサイド
車内 ダッシュボードの中
ティッシュ箱などの小物の中
シート周り
チャイルドシート周り

配偶者の行動を予想する

不倫の内容や話し合い、電話の内容など、どのようなことを録音したいのかによって、設置すべき場所は変わります。例えばですが、配偶者が電話をするときはベランダや別室に移動するタイプである場合、リビングに仕掛けていても意味がないですよね。あなたが録音したい内容を踏まえて、配偶者の行動を予想することが大切です。

配偶者が手を触れる場所は危険

全体的に、配偶者が移動させたりすることが考えられる場所(テーブルや車のシート周りなど)には仕掛けない方が良いです。特に車の場合、不倫相手を乗せるにあたって掃除を行う可能性がありますので、普段は積みっぱなしの荷物があるとしても、荷物に紛らせたところで片付けられてしまうかもしれません。

車内に設置する場合、しっかりと固定する


車内に設置する場合、揺れやシートの移動があるため、録音機器はしっかりとテープなどで固定しましょう。
テープでマイク部分を塞いでしまわないように注意してください。

スマホもうまく利用する


ボイスレコーダーにこだわらなくとも、話し合いなどであればスマホを活用しましょう。
音声を取り込んだりする必要がなく、弁護士への共有などもしやすいため、便利です。

また、いつどんな場面で録音が必要になるかわかりませんので、録音アプリについても事前に調べて入れておいても良いでしょう。はじめから内蔵されているアプリでも構いませんし、バックグラウンドで録音&再生できるものや、一定の音量を超えたときだけ録音されるものなど、無料の録音アプリでも様々あります。

まとめ

録音をすることは、離婚において特に以下のようなときに有効的です。
・離婚協議(話し合い)の内容を残したいとき
・不倫やDV・モラハラなどの証拠が欲しいとき

録音を行う際は、犯罪行為にならないように注意しましょう。
正しい方法で録音を行い、離婚に役立てていきましょう。

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