離婚後に慰謝料請求された!支払いを拒否できる可能性があります

離婚した後に元妻(元夫)から慰謝料を請求され、「今更支払いたくない」と思うことでしょう。しかし、面倒だからと無視すると、裁判であなたの支払いが決定するおそれもあります。離婚後に慰謝料請求をされても、支払いの拒否や減額交渉などができるケースもあるので、「今から本当に慰謝料を支払わなくてはいけないのか」をまずは確認しましょう。

この記事では、不倫・離婚問題のご相談を数多くお受けしている弁護士法人AOが、離婚前の不倫をしていたことで離婚後に慰謝料請求されてしまった場合を例に、慰謝料請求への対応をご説明していきます。

離婚後の慰謝料請求を無視するのはNG!


「離婚した後に元妻(元夫)から慰謝料を請求された」

このような離婚後の慰謝料請求をされた時に「もう離婚したから」と無視をしてはいけません。
無視していると、「弁護士に依頼して請求される」「裁判を起こされる」など、トラブルが大きくなります。
裁判になった場合、あなたがいなくても裁判は進み、慰謝料を支払う判断が下されて、それでも支払いを無視すると給与や預金を差し押さえられるおそれもあります。
そのため、離婚後に慰謝料を請求されたら、支払う、支払わないに関係なく対応をしましょう。

まず行うことは元妻(元夫)の請求内容と、事実の確認です。
その上で、慰謝料を支払わなくてはいけない可能性が高いなら減額交渉を行い、支払いを拒否できそうであれば、支払う必要がないことを元妻(元夫)に伝えましょう。

慰謝料を支払う可能性が高いケース

・離婚前に不倫していたことが事実
・元妻(元夫)が不倫の証拠を持っている
・離婚時に不倫の慰謝料を支払っていない
・時効になっていない

上記のうち、まずは離婚前に不倫していたことが事実で、さらに2つ目から4つ目のことに当てはまる場合、離婚後であっても慰謝料を支払う可能性が高いでしょう。
とはいえ、請求された金額をそのまま支払う必要はありません。
必要以上に高額の慰謝料を支払うことにならないよう、どうすれば慰謝料を減額できるか考えていきましょう。

ご自身で交渉しても多少の慰謝料減額に応じてもらえますが、より支払いを少なくしたいなら、弁護士への相談がオススメです。
また、相手からの請求を無視していると心証が悪くなり、後から交渉に応じた際に慰謝料減額に応じてもらえなくなるなど自分が不利になりやすいので、はじめからきちんと対応しておくことも大切です。

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離婚後の慰謝料請求を拒否できるケース

・不倫は事実無根、または肉体関係がない
・既に時効になっている
・当時から婚姻関係が破綻していた
・既に不倫慰謝料が支払われている

以上に一つでも当てはまる場合は、慰謝料請求されても拒否できる可能性があります。
一つずつ確認していきましょう。

支払いを拒否できるケース1:不倫は事実無根、または肉体関係がない

不倫なんてしていない!という場合、当然ですが慰謝料の支払いを拒否できます。
また、元妻(元夫)以外の異性とデートはしたことはあるけど、肉体関係を持っていないという場合は、慰謝料の支払いを拒否できる可能性が高いです。
婚姻期間中の不倫で慰謝料を請求できるのは、肉体関係がある場合に限られるからです。

ただし、肉体関係はなかったとしても、不倫相手と長期間交際していたことが元妻(元夫)との夫婦関係が破綻したことに影響している場合は、支払いを逃れられない場合もあります。

支払いを拒否できるケース2:既に時効になっている

【不倫の時効】
・不倫があった日から20年
・元妻(元夫)が不倫を知った日から3年

不倫の慰謝料請求には時効があり、既に時効になっている場合は支払いを拒否できます。
基本的に上記の2つのうち、先にどちらかの期間が経過すると時効になります。
慰謝料請求されるようなケースでは、「元妻(元夫)が不倫を知った日から3年」が経過していれば時効になることが多いです。

例えば、元妻(元夫)は何年も前から不倫のことを知っていたけど、時間が経ってから慰謝料請求してきた、というようなケースでは、既に時効になっている可能性があります。
時効の場合は、元妻(元夫)からの慰謝料請求に対し、「既に時効だから慰謝料を支払わない」と主張すれば、慰謝料を支払わずに済むでしょう。

支払いを拒否できるケース3:当時から婚姻関係が破綻していた

当時の夫婦仲は、離婚後の慰謝料請求ではとても重要な判断材料です。
不倫の慰謝料請求が認められるのは、不倫によって婚姻関係が破綻した、もしくは破綻しそうになったケースだからです。

つまり、離婚前に不倫をしていたとしても、その時、既に婚姻関係が破綻していたのであれば、慰謝料請求は認められません。
婚姻関係が破綻している状態とは、具体的には、「不倫をした時点で既に離婚調停を行っていた」などが該当します。
不倫をした当時に婚姻関係が破綻していたことを証明できれば、慰謝料の支払いを拒否できます。

また、支払いを完全に逃れることはできなくても、慰謝料の減額に繋がる可能性があります。

支払いを拒否できるケース4:既に不倫慰謝料が支払われている

不倫が事実で、当時の婚姻関係も破綻していない、時効にもなっていない場合でも、元妻(元夫)が既にあなたや不倫相手から不倫慰謝料を受け取っているなら、支払いを拒否できる可能性があります。
不倫慰謝料は二重取りができないため、あなたの前に不倫相手から慰謝料を受け取っていたら、あなたへの慰謝料請求は認められないことがあるのです。

十分な金額がいくらを指すかはケースバイケースで、不倫相手からの慰謝料が相場以下の場合などはあなたへの慰謝料請求も認められる可能性がありますが、その際も慰謝料の減額が見込まれます。

離婚後の慰謝料請求で多い質問

離婚後の慰謝料に関連する2つのことについて弁護士が詳しく解説します。

離婚協議書を作成しているから慰謝料の支払いは拒否して良い?

離婚協議書に「今後はお互いに金銭の請求などをしない」と記載していれば、後から慰謝料を請求することは基本的にできません。
ただし、それは元妻(元夫)が離婚前から不倫のことを知っていた場合です。

離婚協議書を作成した当時、元妻(元夫)があなたの不倫を把握していなかったら、離婚協議書を作成していたとしても慰謝料請求が認められる可能性があります。
つまり、離婚協議書を作成した時点で、元妻(元夫)が不倫を把握していたか、把握していなかったかが重要となります。

もし、不倫を把握していた証拠(当時の夫婦間でのメッセージのやり取りなど)があれば、それを根拠に反論することで、離婚後の慰謝料請求を拒否できるかもしれません。

離婚時に慰謝料を支払っているから再度支払わなくても良い?

離婚時に元妻(元夫)に慰謝料を支払った方もいるでしょう。それにもかかわらず、再度慰謝料を請求されたら、「なぜ2度も支払わないといけないのか」と思うはずです。
しかし、今回の慰謝料請求と前回の請求の内容が異なれば、再度慰謝料を支払うことになる可能性があります。

例えば、あなたが離婚前に2人の異性と不倫関係にあったとします。そのうち一方の不倫が元妻(元夫)に知られ、それが原因で離婚することになって慰謝料を支払っていた場合、離婚後にもう一方の不倫が元妻(元夫)に知られて慰謝料請求されると、それは別件での慰謝料請求となります。

また、既に支払った慰謝料が不倫以外(DVなど)の場合も、再度慰謝料を支払うことになるでしょう。

離婚後に慰謝料請求されたら、交渉は弁護士に相談


離婚前の浮気が事実で証拠も揃っており、支払いから逃れることが難しいケースでも、請求された金額をそのまま支払うのではなく、減額交渉をすることが可能です。
慰謝料請求では、最初は希望額よりも多めに提示することがセオリーとなっており、相手方は、減額交渉されることを見越した金額を提示している可能性が高く、交渉をすれば慰謝料を減額できる可能性は大いにあります。

ただし、「減額してほしい」と伝えるだけで減額できる金額は限られており、それだけでは依然として慰謝料は高額のままでしょう。
慰謝料をより減額するためには、反論の際に慰謝料が減額されるべき根拠(過去の裁判例など)を示す必要があります。

また、元妻(元夫)が弁護士に依頼している場合は、慰謝料請求の知識や交渉力がある弁護士にうまく言いくるめられてしまわないために、あなたにも高い交渉力が求められます。
そのため、慰謝料減額の交渉は、弁護士に依頼して行うのがおすすめです。
浮気の慰謝料請求に詳しい弁護士であれば、慰謝料が減額されるべき根拠を示して交渉することが可能ですし、相手の弁護士に対抗できる交渉力もあります。
また、離婚後の慰謝料請求は、相手方も不倫の証拠を十分に持っていないことや、そもそも不倫に関係なく離婚していることもあり、弁護士がその点を主張することで、慰謝料減額が認められる可能性が十分にあります。
弁護士のサポートを受けて減額交渉を行い、必要以上に慰謝料を支払うことがないようにしましょう。

>>弁護士に慰謝料の減額交渉を依頼するか迷っている方は、こちらの記事も合わせてご確認ください。

まとめ

離婚後に慰謝料請求された場合に慰謝料を支払うべきか、請求されたらどのように対応すれば良いかについてご説明いたしました。
最後に、この記事でご説明したことを整理しておきましょう。

・不倫が事実なら、離婚後でも慰謝料支払う可能性がある
・時効になっている場合は、慰謝料の支払いを拒否できる
・婚姻関係の破綻を理由に慰謝料の支払いを拒否できる場合がある
・離婚協議書を作成していても慰謝料請求される可能性がある
・証拠不足を理由に慰謝料支払いの拒否や減額をできる可能性がある

当時の不倫が事実で、証拠も揃っていると慰謝料の支払うことになる可能性が高いです。
ただし、その場合でも減額交渉は可能ですし、時効や証拠不足などを理由に慰謝料の支払いを拒否できる可能性もあります。
離婚後に慰謝料を請求され、「なんで今更、慰謝料を支払わなくてはいけないんだ」と対応が面倒に感じることもあるでしょうが、請求されてしまった以上、無視するとあなたが不利な方向に進んでいくだけですので、弁護士に相談しながら解決していきましょう。
弁護士法人AOでは、浮気の慰謝料請求や離婚に関するご相談を無料で受け付けていますので、まずはお気軽にご相談ください。

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