不倫を認めない夫・妻・不倫相手に対してできること
不倫の疑惑があるとなれば、相手を問い詰めたくなるのは人間の心情ですよね。
気持ちを裏切られたのだから、当然、慰謝料請求だって視野に入れたくもなります。
しかし、いざ相手を問い詰めてみたところ、素直に不倫を認めず、「証拠はあるの」と突っぱねられてしまい、なにも言えなくなってしまった…こんな経験がある方も多いのではないでしょうか?
こういった場合、どうすれば相手に不倫の事実を認めさせることができるのでしょうか?
そして、最終的に慰謝料請求へと結びつけることができるのでしょうか?
今回は、不倫を認めさせ、慰謝料請求へと結びつける方法について詳しく解説していきます。
目次
配偶者や不倫相手が不倫を認めない時にできること
「不倫を問い詰めたけど認めてもらえなかった」という状況でも泣き寝入りをする必要はありません。
相手が不倫を認めない時にできる2つのことを紹介します。
不倫の証拠を入手する
不倫の証拠をまだ入手していない方は、証拠を入手することを考えていきましょう。
不倫の証拠があれば、不倫相手が事実を認めなくても慰謝料を請求できる可能性が、夫や妻が不倫を認めなくても離婚できる可能性があります。
理想を言えば、ラブホテルに出入りしている写真など、肉体関係があったことが第三者目線で明らかである決定的な不倫の証拠を入手したいところです。
しかし、このような決定的な証拠は簡単に入手できるものではありません。
そのため、小さな証拠を組み合わせて有効な証拠にすることを考えていきましょう。
どのような証拠が必要かは後述しますので、ぜひご参考ください。
第三者を交えて話し合いを持つ
相手が不倫を認めない場合、第三者を交えた話し合いの場を持つのも有効な方法の1つです。
この際の第三者は不倫の当事者ではなく、信頼できる知人などが良いでしょう。
ただし、夫や妻との話し合いの場合、夫婦の問題に第三者が口を挟むのは、本人たちが思っている以上に難しいことで、迷惑をかけてしまう危険がある点はしっかりと考慮しましょう。
夫婦のことを心から理解してくれている友人であれば頼んでみるのも良いかもしれませんが、可能であれば親族に頼むのが無難かもしれません。
不倫を認めさせるための証拠の掴み方
前の章で解説した「不倫の証拠」について詳しく解説します。
(1)親密な様子がわかる写真や動画
(2)メールやSNS上のやり取り
(3)宿泊施設や飲食店などの利用明細
(4)配偶者の自白
これらの証拠を入手できると、相手が不倫を認めなくても慰謝料請求や離婚が認められやすくなるでしょう。
証拠となる写真や動画を探す
写真や動画は不倫を認めない相手が言い逃れされない、強力な証拠になり得ます。
ホテルの中で撮影した写真などがあれば決定的ですし、旅行先などでの密着した2ショット写真なども有効的です。
これらの証拠は、スマートフォンやパソコンなどチェックして探すことになるでしょう。
ただし、たとえ夫婦であっても、勝手にスマートフォンやパソコンの中身をチェックするのはリスクのある行動です。刑事上の刑事罰の対象になるわけではありませんが、スマートフォンなどを単純に覗き見ることは民事上のプライバシーの侵害に該当する危険があります。
夫婦間でプライバシーの侵害で訴えられてしまう可能性は低いですが、夫婦関係が悪化している場合などはご注意ください。
メッセージのやり取りをチェックする
不倫を連想させる内容のメッセージがメールやLINEに残っている可能性があります。
写真や動画と同じようにスマートフォンやパソコンをチェックすることで、証拠になるメッセージを入手できるかもしれません。
SNSでやり取りが行われることも多く、Facebook、X、InstagramなどのDMから証拠となるような親密なやり取りが見つかることもあります。
さらに言えば、最近はバーコード決済の送金機能に付随するチャットで不倫相手とやり取りをしているケースもあります。
LINEやSNSだけでなく、QRコード決済の送金履歴もチェックした方が良いでしょう。
宿泊施設や飲食店の利用明細を探す
不倫相手と利用したことが明らかな宿泊施設や飲食店などの利用明細が証拠として認められることもあります。
利用明細だけでは他の証拠と比較すると証拠としては非常に弱く、簡単に言い逃れできてしまうので、他の事実を組み合わせることが大切です。
たとえば、事前に相手から聞いていた予定と違った行動をしていることがわかれば、少なくとも何か隠したいことがあって、嘘をついていることがわかります。「この日は仕事で出張だった」と聞いていたにも関わらず、「2人で利用した宿泊施設の利用明細」が見つかれば、発言と行動に矛盾が生じています。その他にも、「職場で忘年会だった」と言っていた日に、「2人分の飲食店の明細」が見つかれば、明らかに矛盾しています。
このように、宿泊施設や飲食店の利用明細は、相手の行動や発言との矛盾を突く際に用いることで、より強い証拠とすることが可能となります。
1つ1つの証拠力は弱くても、複数の証拠を用意したり、証拠と発言を組み合わせることで、不倫の事実を示す強い証拠となることがあります。
こんなものでは証拠にならないかもと諦めるのではなく、コツコツ集めることも重要だと頭に入れておきましょう。
配偶者に自白させる
夫や妻に内緒で不倫相手を問い詰めて不倫を否定された場合は、夫や妻に自白してもらうことも考えましょう。
夫や妻が不倫を自白した際の音声や動画なども証拠になり得ます。
また、自白の際に夫や妻にスマートフォンを確認させてもらい、証拠写真やメッセージなどを入手できる可能性もあります。
夫や妻の自白を得ることで、不倫を認めない相手に対する慰謝料請求に成功する可能性も高まるはずです。
配偶者や不倫相手が不倫を認めないとき、注意すべきこと
夫や妻、不倫相手が事実を認めない時の対応で、注意してほしいことは以下の2つです。
不倫を認めない相手に証拠なしで過度の追求はしない
不倫は間違いないはずなのに、「不倫なんてしていない」と全面否定をされたら納得できないと思います。
不倫を認めない相手への怒りが増すことでしょう。
しかし、あなたの手元に証拠がないのであれば、不倫を認めない相手に必要以上の追求をしないほうが良いでしょう。
証拠がなく、相手が否定している以上、本当のことはわかりません。
不倫が本当は事実でない可能性や、事実でもそれを証明できない可能性もある状態です。
それにも関わらず過度に不倫を追求すると、相手から「名誉棄損罪」や「侮辱罪」で訴えられてしまい、不倫の証拠がないため裁判等で不利になってしまう恐れもあります。
探偵への依頼は慎重に
ホテルに出入りする瞬間の写真や動画は、探偵に浮気調査を依頼することで入手できる可能性があります。ただし、探偵への依頼は弁護士の指示を聞いてから判断するのが賢明です。
探偵の浮気調査には数十万円の調査費用がかかることが多く、証拠集めの難易度が高ければ高いほど、費用は高額になりがちです。
費用が高額になると、証拠を入手して獲得できた慰謝料の金額より、探偵に支払った調査費用のほうが高額で、費用倒れになってしまうこともあります。
また、探偵に依頼すれば必ず証拠が入手できると決まってはおらず、費用だけかかってしまったといった最悪のケースも想定されます。
お金の問題じゃないというお考えであれば良いですが、そうではないのであれば、即座に探偵に依頼するのではなく、弁護士に相談して弁護士から「他に証拠がないから探偵に浮気調査を頼んだほうが良い」とアドバイスをもらった際に依頼するのが良いでしょう。
なぜ不倫を認めない?その心理を徹底解説
証拠を見つけるのが難しい場合、配偶者からの自白が重要となります。しかし、なぜそもそも相手は不倫を認めないのでしょうか?その理由を理解し、寄り添うことで、逆に自白を引き出せる場合があります。
不倫相手を守るため
不倫相手を守りたいと思っているため、嘘をついている可能性は十分にあります。であれば、どちらが本当に大事なのかを理解させることで、不倫の事実を引き出せる可能性が出てきます。
不倫を認めてしまうと、配偶者や子どもを傷つけてしまうため
不倫の事実が明るみになれば、当然ながら配偶者や子どもを傷つけることになりかねません。しかし、疑惑が浮かんでいる以上、事実を隠されているほうが傷つくことになると理解してもらいましょう。
本人や相手が不倫だと思っていない
本人や相手が不倫だと思っていないため、自白を引き出せないという可能性も十分あります。こういった場合は、どこからが法的に不倫になるのかを正しく理解させることで、事実を引き出せる可能性が出てきます。
慰謝料を支払いたくない
慰謝料を支払いたくないという不安は、高額な慰謝料を請求されることを危惧して生まれる感情です。不倫の慰謝料の相場がどの程度のものか理解させることで、不明確な慰謝料への不安を取り払える場合があります。
会ったりはしていたが、不貞行為はしていない
相手と会ったりはしていたが、不貞行為、つまりは肉体関係には及んでいない、といった場合もあります。この場合は、確かに不倫と断定し、慰謝料請求をするのは困難です。不貞行為をしていないのが、事実であれば認めないのもやむを得ないと言えます。
不倫を認めると離婚することになってしまう
不倫を認めたことが離婚のきっかけになると考えている場合、そう簡単に自白を取ることはできません。こういった場合で、自身が離婚まではする気がないのであれば、正直にその気持ちを話してしまうのも有効な手段です。「離婚までする気はないから、本当のことを話してほしい」など、こういった寄り添う言葉が相手から真実を引き出すきっかけになるケースは実際によく見受けられます。
本気で恋愛をしていたわけではない
中には、本気で恋愛をしていなければ浮気や不倫にはならない、といった偏った考えを持っている方もいます。それゆえ、不倫はしていないと頑なに認めないというわけです。しかし、気持ちが本気だったかどうかは関係がありません。不倫慰謝料を請求する上では、肉体関係があったのかどうかが重要となってきます。この点を相手にしっかり理解させることで、不倫の事実について確認できる場合があります。
不倫を認めない相手に対しても慰謝料請求は可能
「不倫相手に認めさせて慰謝料請求をしたい。でも不倫を認めないから困っている」という方もいるでしょう。
結論から言えば、不倫を認めない相手に対しても慰謝料請求は可能です。
交渉で慰謝料請求する際は、証拠の有無に関係なく、相手が不倫や慰謝料の支払いを認めれば良いからです。
不倫を認めない相手であっても弁護士が介入することで、態度をコロッと変え、あっさりと不倫を認めることもあります。
なぜなら、不倫相手からすれば専門知識のない個人からいくら請求を受けていても、それほど怖いものではないからです。
むしろ、相手が激情すればするほど、不利な行動や発言を引き出せる可能性があり、不倫相手が狡猾であれば、「軟禁されて不倫の自白を強要された」、「慰謝料を支払うように脅された」といったように逃げ道を作られてしまう危険もあります。
一方で弁護士であれば専門知識が豊富な上、激情することもありません。逃げ道を作られることもなく、淡々と話し合いを進めていくことができます。
不倫が事実であれば、相手にとって弁護士の介入ほど怖いものはありません。弁護士から不倫を追求されること自体が大きなプレッシャーとなり、観念して不倫を認める可能性があるのです。
証拠集めや話し合いなどにどうしても進展がない場合は、一度弁護士への相談を検討してみるのが良いでしょう。
まとめ
今回は、夫や妻、不倫相手が不倫を認めないときの対応について解説してきました。
相手が不倫を認めない時は、不倫の証拠を入手する、第三者を交えて話し合いを持つなどして、相手に不倫を認めさせたり、不倫を認めてもらえなくても慰謝料請求に成功したりできるようにしてきましょう。
その際、一人で対応し続けるのは不安が大きいですし、わからないことも多いと思います。
弁護士に相談をして、今とれる最善策を検討してもらうのが良いでしょう。
弁護士であれば、不倫慰謝料請求の観点から何が必要かを導き出すことが可能です。
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