50代・60代の熟年不倫が発覚した際にできること|証拠の入手、慰謝料請求、離婚のポイント

浮気・不倫のトラブルは若い世代に限った話ではなく、50代や60代の熟年夫婦でも起こります。

もし、配偶者の不倫を疑っている、もしくは不倫をしていることがわかっているなら、不倫の証拠を入手した上で不倫相手に慰謝料請求を行いましょう。
離婚を決意している場合は、離婚を申し出て、有利な条件での離婚を目指しましょう。
やり直す場合でも離婚をする場合でも、あなたから行動することが良い内容での解決に繋がります。

この記事では、不倫トラブルの解決を得意とする弁護士が熟年夫婦に起き得る不倫トラブルについて、必要な証拠、慰謝料請求や離婚をする際の対応をご説明しています。

50代、60代での不倫発覚は珍しいことではない

配偶者の年齢が50代、60代だと「この年齢で不倫なんて、自分の勘違いかもしれない」と思う気持ちもあるでしょう。
しかし、これまで不倫の相談に対応してきた経験からお伝えすると、熟年不倫は珍しいことではありません。

また、浮気調査行う探偵事務所が公表しているデータを確認すると、浮気調査を依頼した年代で50代、60代が1/3程度を占めていることが多いです。

「子どもが独立して時間できた」「若い頃より経済的な余裕がある」などの状況で、新しい興味や楽しみを求めている中で知り合った異性と、男女の仲に発展することがあるのだと、ご相談を受けていて感じます。
また、「愛人がいる」「パパ活をしている」など、お金で若い異性と繋がり、不倫をしているケースも少なくありません。
そのため、あなたが今「夫(妻)が不倫をしているかも」と疑っているなら、年齢を理由に「自分の勘違い」と決めてしまわない方が良いでしょう。

AOに寄せられた熟年不倫の相談

このホームページを運営する弁護士法人AOにも熟年不倫の相談が男女問わず寄せられています。
熟年不倫に至った経緯や発覚したきっかけなどを簡単にご紹介します。

50代男性の熟年不倫

インターネットを通じて知り合ったご夫婦と数年間の交流。次第に相手の奥さんから夫婦のことで相談を受けるようになって関係が親密になり、不倫関係に発展。約1年間、関係を続ける。

50代女性の熟年不倫

友人の紹介を通じて知り合った既婚男性と程なくして不倫関係になり、約3ヶ月関係を続ける。
男性側の配偶者が不倫を疑うようになり、ホテルに入る瞬間の写真が証拠となり不倫が発覚。

熟年不倫を疑うべき!日常の些細な変化

不倫をしている50代・60代に見られる変化
・ずっと同じだった服装、髪型、化粧などが急に変わった
・ずっとガラケーだったのに、スマホに変えた
・「興味ない」と言っていたはずのSNSを使いだした
・スマホをずっと持ち歩くようになった
・出張嫌いだったのに、最近は嬉しそうに出張へ行くようになった
・休日は1日中寝ていたのに、何も言わず外出するようになった
・匂いに気を使いだし、おじさん臭がなくなった   など

上記のリストは、熟年不倫をしている人にありがちな変化です。
本当に不倫をしているのか、まだ懐疑的な方は、まずは配偶者に上記のような変化がないかご確認ください。

特に変化が出やすいのは「身だしなみ」

50代、60代になると服装や髪型の好みが変わることはほとんどなく、同じような色、デザインの服、同じような髪型を長く続ける方が多かったり、そもそも身だしなみに全く気を使わなくなって久しかったりするものです。
そのような方々が急に今まで着なかった色の服を来たり(例:シロかグレーのワイシャツだった男性がピンクのワイシャツを着るようになった)、常に化粧をするようになった(例:パートに行くだけでもバッチリ化粧をするようになった)などがあると、好意的に見られたい相手がいるがために服装や化粧に気を使い出した可能性があります。

スマホの使い方の変化に注意

また、「自分はガラケーで十分」と言ってずっとスマホに変えなかった人が急にスマホに変えたり、LINEやFacebookやInstagramに興味がなさそうだったのに急に使い出したり、さらに1日中スマホを肌身離さないようになったりしたら、それは頻繁に連絡を取りたい相手がいるからスマホを使う頻度が増え、見られては困る内容があるから肌見離さなくなった可能性があります。

不倫をすると、今まで変えようとしなかったことを急に変えようとすることが多くありますので、行動をじっくり観察してみてください。

熟年不倫が本気になると、これからの生活に大きな影響が出るかも

「ちょっとした浮気心だろうだから放置する」、「真実は知りたくないから見てみないふりをする」は、キケンです。放っておくと、より配偶者が不倫相手に本気になり離婚を考え出すかもしれません。

もう何十年も抱いてなかったドキドキ感や恋心を久々に抱き、若い時に戻ったような気分で一時的に不倫に走ってしまっているだけで、時間が経てば冷静さを取り戻し、何事もなく不倫が終わるケースもありますが、配偶者がそのまま不倫相手に本気になり、あなたと離婚をして不倫相手と再婚し今から第二の人生をスタートさせようと考えることもあるでしょう。

熟年夫婦が離婚すること自体は今や珍しいことではありませんが、万が一、熟年離婚となると、仕事や引っ越し、その後の生活への影響は若い方が離婚する場合よりも大きいことが多いです。
そのため、あなたが離婚を望まないのなら、配偶者が本気になってしまう前に、あなたが行動して慰謝料請求によって不倫を終わらせることが大事です。
また、あなた自身が離婚を望む場合も、自ら離婚を申し出た方が有利な条件で離婚できる可能性は高いでしょう。
これからの生活のためにも、配偶者が本当に不倫をしているのかをはっきりさせ、慰謝料請求などを考えていきましょう。

熟年不倫のボーダーラインは肉体関係の有無

熟年不倫のボーダーラインは、基本的には肉体関係の有無です。
年齢に関係なく、不倫による慰謝料請求や離婚の申し出が法的に認められるのは、肉体関係があった場合だからです。
50代・60代の場合、肉体関係なしで交際だけしているケースもありますが、頻繁に会ったり連絡を取っていたりするけど肉体関係がない場合、不倫とは認められない可能性が高いです。
ただし、例外的ですが、肉体関係がなくても長年に渡って交際を続けていたことを理由に不倫が認められたケースもあります。
「長年連れ添った配偶者が別の異性と親しくしているけど肉体関係がない」という場合は、一度専門家に相談してみるのが良いでしょう。

肉体関係を示す証拠があれば熟年不倫で慰謝料請求が可能

証拠写真や動画 自白の音声データ メッセージのやりとり 物的証拠

上のリストは、不倫で慰謝料請求をする際に持っておきたい証拠の一例です。
不倫で慰謝料請求をするには、このような肉体関係があったことを示す証拠が必要となります。
何も証拠がない状態で「慰謝料を支払ってほしい」と言っても、配偶者や不倫相手に拒否されるだけですし、法的に不倫があったと言えるのは肉体関係があった場合に限られるため、異性と食事をした、キスをしたといった証拠ではなく、肉体関係があったことを示す証拠が必要となります。

写真や動画が最も強力な証拠!ただし、必須ではない

上記の中で、最も強力な証拠はホテルに出入りする瞬間の証拠写真や動画で、これがあれば配偶者や不倫相手が不倫を認め、慰謝料請求が成功する可能性が高いです。
ただし、証拠写真や動画を入手するには探偵に浮気調査を依頼する必要があり、数十万円の費用が別途かかってしまいます。

また、「証拠写真や動画がなければ、慰謝料請求が認められない」というわけではなく、自白の音声データや肉体関係がわかるメッセージのやりとりがあれば、慰謝料請求に成功するケースも多いです。
物的証拠は、ラブホテルのライター以外に、異性へのプレゼントやクレジットカードの使用履歴、車に落ちていた異性の髪の毛などがあります。
物的証拠1つだけでは肉体関係を示す証拠として弱いので、物的証拠をたくさん集めることや、物的証拠を使って配偶者や不倫相手自白させるなどを行います。

上記のような証拠をこれから入手しようとお考えであれば、行動に移す前に一度弁護士までご相談ください。
ご自身で動いて失敗した場合に、今後、証拠を入手できなくなる恐れもありますので、どうすれば良いか、どの証拠があれば慰謝料請求が可能か、専門家である弁護士にアドバイスをもらいましょう。

あなたの「かかりつけ弁護士」でありたい。

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熟年離婚を避けたいなら不倫相手に慰謝料請求

慰謝料請求をするメリット
・不倫相手から100万円前後の慰謝料を受け取ることができる
・不倫相手に経済的なダメージを負わせることができる
・不倫相手と配偶者の関係を断ち切ることができる

「不倫は許せないけど離婚をする気はない」、「離婚しても1人では生活していけない」といったお気持ちなら、不倫相手に対して慰謝料請求を行いましょう。
前の章でご紹介した証拠を用意して慰謝料請求を行えば、慰謝料の支払いが認められ、離婚しない場合の慰謝料の相場である100万円前後の慰謝料を獲得できる可能性が高いでしょう。
慰謝料請求は法的に認められた不倫相手への制裁のようなもので、慰謝料の支払いによって不倫相手に経済的なダメージも与えることができます。

また、これから夫婦関係を再構築するなら、配偶者と不倫相手の関係を断ち切ることも必要で、慰謝料の支払いが決まった後に示談書を作成して「二度と会わない」と記載することで、配偶者と不倫相手を別れさせることができます。
今までの生活を取り戻し、これからも不安なく生活していくためにも不倫相手に対して慰謝料請求を行いましょう。

不倫相手との関係を断ち切ることができる

これから夫婦関係を再構築するなら、配偶者と不倫相手の関係を断ち切ることも必要です。
慰謝料の支払いが決まった後に示談書を作成して「二度と会わない」と記載することで、配偶者と不倫相手を別れさせることができます。
今までの生活を取り戻し、これからも不安なく生活していくためにも不倫相手に対して慰謝料請求を行いましょう。

婚姻期間が長いほど慰謝料が増額される可能性がある

50代、60代のご夫婦であれば、結婚して20年から30年程度が経過していることも多いです。
慰謝料の金額は、婚姻期間や不倫の年数や回数、収入などの事情もとに判断するため、婚姻期間が長いと慰謝料の金額が通常よりも高くなる可能性があります。

また、配偶者と不倫相手の関係が10年以上続いているなど、不倫をしていた期間が長い場合も同様です。
これらの事情から、熟年不倫の慰謝料請求では、相場以上の金額が認められる可能性もあります。
ちょっとした事情で慰謝料の金額が変わる可能性もありますので、弁護士に相談して慰謝料請求を行う際は、これまでの夫婦の事情を詳細にお話しください。

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離婚をするなら、財産分与などを話し合い、今後の経済的負担を軽減

あなたから離婚を申し出るメリット
・財産分与など有利な内容で離婚できる
・配偶者と不倫相手の思うようにさせない

「不倫が発覚して離婚を決意した」「夫婦関係が破綻し、離婚するしかない」といった状況になり、あなたが離婚を覚悟しているなら、不倫を理由に離婚を申し出ることをおすすめします。
配偶者の不倫は、法的に認められている離婚理由の一つで、不倫の証拠を持っている状態で離婚を申し出れば、あなたにとって有利な条件での離婚が認められる可能性が高いです。

財産分与や養育費、慰謝料をしっかり受け取り離婚

有利な条件とは、財産分与や養育費、慰謝料といった経済的な条件のことです。
財産分与は、婚姻期間中に夫婦で築いた財産(貯金や住宅など)のことで、基本的には半分ずつに分けますが、配偶者の不倫が原因で離婚する場合は、不倫をされた側が多くの財産を手にできる内容が認められることが多く、配偶者が退職金を受け取る予定であれば、退職金が支払われた際にその一部を受け取る取り決めなどもできる見込みがあります。

養育費は、お子さまがまだ学生であれば、大学に卒業するまでに請求可能です(お子さまが社会人の場合は基本的に請求できません)。

そして、慰謝料は離婚しない場合よりも離婚する場合の方が高額になりやすく、相場は200万円から300万円と言われています。
あなたから離婚を申し出なくても配偶者から離婚を申し出ることも考えられますが、そのようなケースでは、「離婚する原因があなたにある」と主張してくるなど、配偶者と不倫相手が結託して自分達が有利な条件で離婚できるように仕向けてくることも考えられます。
そんなふうに配偶者と不倫相手に好き勝手させないためにも、離婚を決意している、もしくは離婚しか選択肢がない状況なら、あなたから離婚を申し出た方が良いでしょう。

離婚後に仕事を探す、新しい住まいを探す、生活必需品を用意するといったことは大変ですし、お金もかかりますので、財産分与や慰謝料などを少しでも多く受け取り、金銭面の不安を軽減することを心がけましょう。

配偶者から離婚を希望された際のリスク

配偶者から離婚を申し出ることも考えられます。
ただし、そのようなケースでは、「離婚原因があなたにある」と主張してくるなど、配偶者と不倫相手が結託して自分達が有利な条件で離婚できるように仕向けてくることも考えられます。
そうなると、財産分与や慰謝料の金額にマイナスの影響が出る可能性があります。

配偶者と不倫相手に好き勝手させないためにも、離婚を決意している、もしくは離婚しか選択肢がない状況なら、あなたから離婚を申し出たほうが良いでしょう。
離婚後に仕事や新しい住まいを探す、生活必需品を用意するといったことは大変ですし、お金もかかります。財産分与や慰謝料などを少しでも多く受け取り、金銭面の不安を軽減することを心がけましょう。

まとめ

50代、60代のご夫婦の不倫トラブル、不倫の証拠や慰謝料請求や離婚の際に必要なことをご説明いたしました。
もし、本当にご主人(奥さま)が不倫をしているのであれば、放っておくのではなく、証拠を入手して慰謝料請求などの対応を取りましょう。
この先、ご夫婦でやり直すにしても、離婚を選択するにしても不倫トラブルの被害者であるあなたにとって少しでも有利な条件でトラブルを解決するためには、ご自身が行動することが大切です。
どう進めていけば良いかわからないという方は、私たち弁護士までご相談ください。
弁護士法人AOでは、ご夫婦の不倫トラブルに関するご相談を無料で受け付けており、証拠に関するアドバイスや慰謝料請求の交渉、離婚の申し立てをすることが可能で、弁護士を頼ることで、あなたにとって有利な解決となる期待が高まります。
配偶者の不倫でお悩みの方は、当事務所の弁護士までお気軽にご相談ください。

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当社では、あなたの暮らしを支える「かかりつけ弁護士」として、依頼者とのコミュニケーションを大切にしております。

トラブルを無事解決できることは、新しい生活をスタートさせる一区切りになることは間違いありません。

ご依頼者様の状況に応じた、最適な解決策をご提案させていただきます。1人で悩まずにまずは当社にご相談ください。

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