【不倫の証拠】証拠能力が高い順番、入手する方法を詳細に解説！
平成25年に司法書士事務所を立ち上げ様々な依頼者に接する。司法書士としてキャリアを10年近く積んできた中で、司法書士の資格では受けられず、せっかく頼って来てくれた人を断ってしまうこともあった。そういった経験から、さらに幅広く業務を取り扱うことができる弁護士資格を取得。弁護士法人AOの代表弁護士として業務に取り組んでいる。
配偶者や不倫相手に慰謝料請求を行う際は、不倫を認めさせる証拠が必要です。ホテルに出入りする瞬間の写真や動画、メッセージのやり取り、自白の音声データなどが不倫の証拠になる可能性があり、証拠能力が高いものほど、慰謝料が支払われる可能性が高まります。
このページでは、証拠の種類や証拠能力の違い、証拠を入手する方法など不倫の証拠について弁護士が詳しくご説明していきます。
不倫の証拠は慰謝料請求や離婚の際に必要
冒頭でも触れましたが、不倫で慰謝料請求をするなら証拠が必要です。
証拠なしでも慰謝料請求が不可能なわけではありませんが、相手も不倫を否定されて失敗に終わるケースも多いです。
しかし、不倫の証拠があれば相手は言い逃れできず、慰謝料請求に成功する可能性が高まります。
また、不倫が原因で離婚する場合も証拠があったほうが良いです。
法律では、配偶者の不倫は離婚請求できる理由と認められており、証拠がある状況で離婚を要求すれば、たとえ配偶者が拒否しても、裁判によって離婚が認められる可能性が高いです。
このように不倫の証拠を持っていると、慰謝料請求も離婚も、あなたが有利に進めることが可能となります。
次の章からは、具体的にどのような証拠が必要か解説していきます。
不倫の証拠
| 証拠 | 具体例 |
| 目撃証言 | ・ホテルに入るのを見た ・デートしているのを見た ・腕を組んで歩いているのを見た ・一緒に車に乗るのを見た |
| 自白 | 配偶者または不倫相手が ・肉体関係を認める ・不倫期間、回数について話す ・不倫に至った理由を話す 上記を録音・録画したデータ（スマホ、ICレコーダーなどで） |
| メッセージ | ・肉体関係に関するやり取りがある ・ホテルに行ったことがわかるやり取りがある ・デートの約束などのやり取りがある ・「離婚して不倫相手と再婚したい」などのやり取りがある ・毎日のように頻繁にやり取りをしている ・キスしている、密着しているなど親密な関係だとわかる写真や動画がある |
| 物的証拠 | ・ラブホテルのアメニティ（ライター、マッチ、カードなど） ・クレジットカードの使用履歴（ホテルの支払いなど不倫に紐づくもの） ・配偶者以外の異性の髪の毛、リップがついたペットボトル |
| 写真・動画 | ・ホテルに出入りする瞬間の写真や動画（顔とホテルがはっきり写ってる） ・配偶者が不倫相手の家に出入りする瞬間の写真や動画（顔とホテルがはっきり写ってる） ・ホテルなどに入る前後のデート写真（腕を組んでいる、キスをしているなど） ・上記の写真や動画などをまとめた探偵の調査報告書 |
１つ目の図は、不倫の証拠になるものを証拠能力の高さに分けて記載したもので（証拠能力の高さは詳細次第で変わります。一例としてご覧ください）、その下の表は、各証拠の具体例です。
証拠能力とは、不倫を理由に慰謝料請求や離婚の交渉、裁判を行う際に、「肉体関係があったことを相手方に認めさせる可能性の高さ」のようなもので、証拠能力が高いほど交渉などで役立つ証拠といえます。
配偶者と不倫相手がホテルに入る瞬間がはっきりと写った写真のように、言い逃れができない決定的な証拠な証拠ほど、証拠としての能力は高くなります。
一方で「ホテルに出入りする瞬間を見た」といった目撃証言だけだと、「人違いだ」と言われてしまうため、証拠能力は低いです。
そのため、慰謝料請求で交渉、裁判をする場合は、相手方に言い逃れされない証拠を用意する必要があります。
とはいえ、最も証拠能力が高い、ホテルに出入りする瞬間の写真や動画が必要かと言えば、必ずしもそうではありません。
どこまで証拠が必要かはケースバイケースです。このことは、後程詳しくお伝えします。
その前に次章で、証拠の種類別に証拠能力や入手方法をご説明していきます。
不倫の証拠別、証拠能力の高さや入手方法
前章の図に記載した不倫の証拠について、１つずつ証拠能力の高さや入手方法などをご説明していきます。
【目撃証言】単体では不倫の証拠にはなりにくい
・「見た」だけでは、否定されてしまう
・目撃証言をきっかけに他の証拠を探す
・慰謝料を望まないなら、目撃証言だけで十分なことも
配偶者と不倫相手が一緒にいたところを見たという目撃証言だけでは、「人違いだ」と言われた時に反論できませんし、何より不倫の事実を証明するものがありません。
そのため、証拠としての能力は極めて低いです。
慰謝料請求や離婚に向けた話し合いを臨むのであれば、目撃証言だけでなく、自白や証拠写真・動画など、より強力な証拠を入手しましょう。
配偶者や不倫相手があなたに罪悪感を抱いているケースでは、「一緒にいるところを見た」と問い詰めることで不倫を認める可能性はあり、「できるだけ大ごとにしたくない」、「不倫を認めて別れてくれればそれ以上は望まない」というのであれば、目撃証言だけで解決できるケースもゼロではありません。
ただし、多くのケースでは目撃証言だけでは不倫を否定されるため、より強力な証拠が必要となります。
【物的証拠】たくさん入手すると証拠能力が高まりやすい
・物的証拠一つだけでは証拠能力は低い
・複数の物的証拠があると証拠能力が高まる可能性も
・入手できる物的証拠は一つでも多く入手しておきたい
ライターなどラブホテルのアメニティ、異性への高価なプレゼントを購入した領収書、車の中に落ちていた女性の髪の毛などから、配偶者の不倫を疑うことも多いですが、このような物的証拠は一つだけでは証拠能力は弱いです。
ほとんどの物的証拠は何かしらの言い逃れができてしまうからです。
不倫をしていなければ持っているはずがないラブホテルのライターなども、「友達が持っていたものをもらって使っていた」と言い訳され、他に不倫の証拠がなければ反論することができません。
そのため、物的証拠は一つではなく、できるだけ多く入手することが望ましいです。
たとえば、ラブホテルのライターに加え、ホテルの近くのレストラン、さらにレストランと同日の異性へのプレゼントのといった支払い明細などが揃っていると、配偶者や不倫相手も言い逃れしづらくなってきます。
また、物的証拠と自白やメッセージのやり取りなどを組み合わせて証拠能力を高めることも可能です。
物的証拠は、多くあることに越したことはありませんので、不倫の証拠になりそうな物品を見つけた時は持っていたり、写真を撮ったりなどしましょう。
【メッセージのやり取り】肉体関係がわかる内容は証拠能力が高い
・肉体関係がわかる内容は証拠能力が高い
・日常会話だけでは証拠能力は低い
・勝手に見る行為は訴えられる可能性もあるので注意
LINE、メール、SNSのDMなどでのメッセージのやり取りは、メッセージの内容で証拠能力が変わります。
肉体関係があったと明確にわかる内容や、ホテルの中で2人で撮った写真などがあれば、証拠能力は高く、慰謝料請求をするには十分な証拠となる可能性が高いです。
一方で、友人同士の日常会話のような内容だけだと証拠としての能力は低く、メッセージだけで慰謝料の支払いを認めさせることは難しいでしょう。
また、肉体関係がわかるメッセージは有力な証拠になり得ますが、やり取りが1回だけだと「酔った際にふざけて送ってしまった」という言い訳が通用してしまう可能性もあり、完璧な証拠とは言えません。
そのため、メッセージをスクリーンショットなどする際は、肉体関係がわかるやり取りが複数あれば全部おさえ、前後のやり取りもおさえておきましょう。
なお、メッセージのやり取りは、スマホやパソコンをチェックして入手する方が多いですが、たとえ配偶者であってもスマホやパソコンの中身を勝手にみると、プライバシーの侵害で損害賠償請求される可能性がゼロではありません。
通常であれば損害賠償請求される可能性は低いですが、「別居中で離婚する予定がある」など、既に夫婦関係が崩壊している場合はご注意ください。
メッセージは前後のやり取りなども大事
肉体関係がわかるメッセージは有力な証拠になり得ますが、やり取りが1回だけだと「酔った際にふざけて送ってしまった」という言い訳が通用してしまう可能性もあり、完璧な証拠とは言えません。
そのため、メッセージをスクリーンショットなどする際は、肉体関係がわかるやり取りが複数あれば全部おさえ、前後のやり取りもおさえておきましょう。
メッセージを不倫の証拠にする際に気をつけること
メッセージのやり取りは、スマホやパソコンをチェックして入手する方が多いですが、たとえ配偶者であってもスマホやパソコンの中身を勝手にみると、プライバシーの侵害で損害賠償請求される可能性がゼロではありません。
通常であれば損害賠償請求される可能性は低いですが、「別居中で離婚する予定がある」など、既に夫婦関係が崩壊している場合はご注意ください。
バーコード決済で不倫相手とメッセージ交換
近年は不倫相手とのメッセージのやり取りの方法が多様化しています。
当事務所に寄せられた相談で実際にあったのがPayPayでのやり取りです。
バーコード決済は知人などでお金を送金できる機能がありますが、送金機能の中でチャット機能がついているバーコード決済もあります。
「先日立て替えていただいた分です」などと送金内容に関してメッセージを送付するのがチャット機能の正しい使い方ですが、この機能を使って不倫相手とやり取りをしていることがあるのです。
バーコード決済の中のメッセージであれば、メールやLINE、SNSのDMなどと比べてバレる可能性が低いという発想から使われているようです。
スマホをチェックすることがあれば、決済アプリも確認してみることをおすすめします。
【自白】音声データや動画に残すことが大事
・話し合いの際は録音、録画をする
・自白で慰謝料請求が認められることも多い
・「言わされた」と後から否定されることも
配偶者や不倫相手と話し合いをする場合、音声データや動画で残しておくことが大事です。
相手が不倫を自白したけど、音声データが残っていないと後日「そんなこと言っていない」と否定された時に反論できませんが、自白がデータとして残っていれば慰謝料請求などで使える有力な証拠になり得ます。
自白の音声データがあれば、証拠写真や動画を入手する必要がないケースも多いです。
ただし、自白の音声データがあっても、「自白を強要された。本当は不倫などしていない」などと後日、否定してくるケースもあり、裁判で争う場合は他に証拠がないと相手の主張が認められてしまう可能性もあります。
そのため、自白の音声データの証拠能力は高いですが、決定的な証拠とまでは言えません。
自白だけで十分か、もっと強力な証拠が必要かはケースバイケースですので、弁護士に相談してご確認ください。
◎自白の音声データを入手する際のポイント！
録音、録画にはボイスレコーダーやスマートフォンなどを使い、ご自身で配偶者や不倫相手と話し合い、自白させる場合は、物的証拠やメッセージのやり取りなどの証拠を一つでも多く用意しましょう。
証拠が少ないと自白しないこともありますし、一度自白に失敗すると、配偶者や不倫相手は警戒し、証拠写真などの強力な証拠が入手しづらい状況になりかねません。
また、自白の際、あなたが感情的にならないようにお気をつけください。
口調が強すぎると、その場では不倫を認めても、後日、「脅された」、「何されるかわからなかったから嘘で認めた」などの理由で不倫を否定される可能性があります。
録音することを伝えるかは、相手次第です。
録音しているから本当のことを言わない人も、録音されているかもと警戒して本当を言わない人もいますので、配偶者や不倫相手の性格や状況を見て判断することをおすすめします。
【写真・動画】ホテルに出入りする瞬間で顔がわかると証拠能力が高い
・顔がわかる＆ホテルに出入りする瞬間だと証拠能力は高い
・食事、手を繋いでいるだけだと証拠能力は低い
・証拠能力が高い写真・動画は探偵に依頼して入手できる
ホテルや不倫相手の家などに入る瞬間の写真や動画など、肉体関係があったことを証明できる写真や動画は、入手できる可能性がある証拠として最も証拠能力が高く、慰謝料請求の際に強力な証拠となり、裁判で争う場合も証拠写真や動画があれば、あなたに有利な判決が下される可能性が高くなります。
証拠写真や動画で大切なのは、ホテルに出入りする瞬間だとわかること、配偶者と不倫相手の顔がはっきりとわかることです。
たとえば、配偶者と不倫相手が腕を組んで歩いている写真はあるけどホテルに入った瞬間の写真はない、ホテルに入った瞬間の写真だけど遠くから撮影して顔がわからないだと、証拠としての能力が低く、慰謝料請求が認められないおそれがあります。
決定的な瞬間を確実に撮影することが求められるため、証拠写真や動画が必要なケースでは、探偵に浮気調査を依頼することが多いです。
ご自身で尾行する等して決定的な瞬間を撮影できる可能性もありますが、バレて失敗に終わることや、顔がはっきり写っていなくて撮影した写真が証拠として使えないといったリスクもありますのでご注意ください。
証拠能力が高い写真・動画
・配偶者と不倫相手の顔がはっきりわかる
・ホテルや不倫相手の家に出入りする瞬間が写っている
・複数回分の証拠写真・動画がある
証拠能力が低い写真・動画
・配偶者と不倫相手の顔がわからない（後ろ姿のみ、ぼやけているなど）
・ホテルに出入りする瞬間ではない
不倫の証拠を集める際に注意すること
不倫の証拠について紹介をしてきました。
どのような証拠が必要か理解し、「自分で証拠を集めよう」と考えた方もいるでしょう。
もし、今から自分で証拠を集めをするなら、以下のことにご注意ください。
証拠を隠秘されないように気をつける
証拠は配偶者や不倫相手が油断をしているほうが入手しやすいです。
反対を言えば、配偶者や不倫相手の警戒心が強いと、証拠を入手することが困難になるでしょう。
たとえば、夫婦ケンカをした際などに「不倫でもしてるんでしょ」などと言ってしまうと、配偶者の警戒心が高まり、メッセージのやり取りを消去するなど、不倫の証拠を隠秘する可能性があります。
長く一緒にいる夫婦であれば、言葉にしなくてもお互いの行動などから「不倫疑っているのではないか」と勘づかれることもあるでしょう。
そのため、不倫の証拠を探していることは絶対に気づかれないように、配偶者に対してはいつも通りに接することが大切です。
証拠を入手のためでもやりすぎはNG
不倫の証拠がなかなか入手できないと、徐々に行動がエスカレートしてしまうことがあります。
しかし、いくら不倫の証拠を入手するためとはいえ、やり過ぎはNGです。
たとえば、配偶者のカバンに盗聴器やGPSを仕掛けたり、不倫相手の目星がついている際に不倫相手の家を盗撮したりすると、あなたが罪に問われてしまう恐れがあります。
「不倫をしているほうが悪いのだから、証拠を入手するためには何をやっても良い」ということでは決してありませんのでご注意ください。
証拠を入手できなくても捏造をしない
不倫の証拠は必ず入手できるものではありません。
不倫が事実でも、証拠を入手できないケースもあります。
その際に、「証拠がないなら作れないか」と写真や動画の捏造を考えてしまう方も稀にいるようです。
技術の発展によって、一般の方が加工やAIによってフェイク画像や動画を作ることが容易になりました。
しかし、証拠の捏造は絶対におやめください。
当然ですが、捏造した証拠は証拠になりませんし、捏造がバレたら、罪に問われるでしょう。
証拠がない、証拠が弱いという状況でも、決して判断を誤らないようにしてください。
完璧な証拠がなくても慰謝料請求は可能
1章の最後でも触れましたが、ホテルに入る瞬間の写真や動画がなくても慰謝料請求できるケースは多いです。
相手方が一貫して不倫の否定、慰謝料の支払いを拒否しており、裁判で争うことになるのであれば、写真や動画のような決定的な証拠が必要ですが、交渉での解決を目指すなら、決定的な証拠がなくても相手が不倫を認め、慰謝料の支払いに応じる可能性は十分にあります。
弁護士が交渉する場合は完璧な証拠は不要なことも
証拠能力が弱く、あなたが問い詰めた際は不倫を否定されたとしても、弁護士が連絡することで不倫を認め、慰謝料の支払いに応じることもよくあります。
ホテルに入る瞬間の写真や動画は手が難しい場合もありますし、必要以上にお金と時間がかかってしまう可能性もありますので、必ず入手する必要はありません。
完璧な証拠がなくてもトラブルを解決できる可能性がありますので、ご自身が今持っている証拠で慰謝料請求が可能か確認したい方は、弁護士の無料相談をご活用ください。
不倫問題のトラブル解決で豊富な経験を持つ弁護士であれば、状況を把握し、今の証拠で慰謝料請求が可能か、探偵に浮気調査を依頼した方が良いなどのアドバイスが可能ですので、一度弁護士までご相談ください。
証拠が一切なくても慰謝料を獲得できることも
証拠が一切入手できなかった方も諦める必要はありません。
証拠なしで慰謝料請求をし、慰謝料を獲得できたケースもあります。
証拠が不十分なケースと同様、弁護士に相談して慰謝料請求することで、証拠なしでも慰謝料を獲得できるかもしれません。一度弁護士までご相談ください。
なお、証拠なしでの慰謝料請求については下記で詳しく解説しています。
まとめ
不倫の証拠について、証拠の種類や証拠能力の高さなどについてご説明いたしました。
この記事でご説明したポイントを最後におさらいしましょう。
・相手方が言い逃れできない証拠ほど証拠能力が高い
・証拠能力が最も高いのはホテルに出入りする瞬間の写真や動画
・写真や動画がなくても慰謝料請求は認められる可能性がある
・慰謝料請求で必要な証拠の相談をしたい方は弁護士に相談
不倫の証拠があれば慰謝料請求が可能となりますし、離婚を考えている場合は証拠が離婚理由にもなります。
今持っている証拠の証拠能力、入手できる証拠、必要な証拠を把握したうえで、慰謝料請求などでトラブルを解決していきましょう。
当事務所では配偶者の不倫に関するお悩みの無料相談窓口を用意しています。
証拠や慰謝料請求の疑問は、弁護士法人AOまでお気軽にお問い合わせください。
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